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エジプトの経済危機

エジプトは今、かなりの経済危機のさなかにあります。

エジプトポンドは、今日(30日)、エジプト中央銀行が新通貨システムを導入してから最低安の水準にまでおちこみました。一時は1ドル=6.26エジプトポンドにまで値下がり。ものすごい安さです。

エジプト中央銀行は29日、エジプトの外貨準備高が危機的水準にまで低下しているとして、国民に不要にポンドを売ってドルを買わないよう、よびかけを行いました。11月末時点での外貨準備高は150億ドル(1兆2900億円)。

なぜ外貨準備高が下がるとマズいのかというと、エジプトは国民の生活必需品である小麦やガソリンなどを輸入に頼っているので、それらを一定程度購入できるだけの外貨を持っていないと、一挙に国民生活が危機にさらされるからです。1ヶ月分の国民の生活必需品を買うのに必要とされる金額はおよそ50億ドル。今の外貨準備高では、3ヶ月しかエジプト国民の生活はまかなえないということになります。

エジプトは通常、どのようにして外貨を手に入れているかというと、スエズ運河通行料金や出稼ぎ労働者の仕送り、外国からの投資、観光業などです。ところが革命後、後二者がとにかくふるわず、外貨準備高は常に最低水準すれすれをいったりきたりしている状況でした。

革命発生→治安悪化・政治経済の不安定化→投資の減少、株価の下落、外国人観光客の減少

という流れです。

今までもずっとやばかったのですが、それでもエジプト中央銀行自らが「ヤバい水準だ」と言うのは、よっぽどのことです。

今日になってカンディール首相は、IMFからの融資のための交渉を1月に再開させる見通しだと発表。IMFからは48億ドル(だいたい国民生活1ヶ月の食料や燃料を買うのに必要な額)の融資を受ける約束をしているものの、融資の実行条件として、エジプトに増税や補助金政策削減といった緊縮策をとることが義務づけられており、最終的な調整はまだついていません。

エジプト政府は今月になって、所得税や固定資産税の他、タバコやアルコール、携帯電話などに対する増税を発表したものの、タバコ、アルコール、携帯電話に対する増税策はすぐに撤回されました。アルコールはともかく、タバコと携帯電話は今や国民の「生活必需品」なので、これらへの増税は国民の反発をかいやすく、やっぱり難しいようなのです。

エジプト政府の財政を圧迫する要因は他にもあり、たとえば政府は大量の補助金を投入して、国民の生活必需品の値段を安く押さえるという補助金政策をとっています。たとえば一番安いパンは1枚25ピアストル(3円程度)ですし、一番安いガソリン(オクタン80)は1ℓ90ピアストル(11円程度)です。エジプトは殆ど石油を産出しないのに、(一説によると)世界で2番目にガソリン価格が安いのです。この激安価格の秘密が、補助金制度にあるのです。

カンディール首相は今月、小麦や砂糖、ガソリンといった生活必需品に対する補助金政策は継続すると述べていましたが、補助金政策は続けるわ、増税策でもたいした増税は見込めなそうだわで、今後エジプトは本当にどうしていくのか、全然わかりません。

当たり前ですが、政治というのは国民に耳障りのよいことばかり言っているだけでは立ち行きません。誰だってものが値上がりしたり、税金をいっぱいとられるのは嫌ですが、国全体の今と将来のために、国民が荷を負わなければならない時もあります。

エジプトの実質的与党の立場にあるムスリム同胞団は、「貧乏人の味方」を自認してきました。だから補助金政策の打ち切り、あるいは補助金削減は、彼らが絶対に切りたくない最後のカードの一枚だと思います。エジプトでは、国民の30%が貧困ライン以下の生活、つまり1日1.25ドル以下の生活を送っています。パンがちょっとでも値上がりすれば、暴動が起こるかもしれません。ガソリンは、町場の販売価格が既に上昇しています。

これまで同胞団は、「革命」とか「シャリーア適用」とか、そういう理念だけを掲げて国民の支持を集めてきました。もちろん彼らが、これまで行政が怠ってきた社会福祉活動をしてきたという実績も支持された理由のひとつだとは思います。ところがこれからは、きれいごとだけではすみませんし、同胞団の慈善活動で国民全員を救うことは絶対にできません。

同胞団が本当に国民に支持されているのかどうかは、彼らが国民に痛みを強いる政策を実行する時に、初めてわかるのかもしれません。

昨日ムルスィー大統領は、「エジプトは絶対破産しない!」と述べましたが、彼がそう言えば言うほど、破産するような気がしてしまうのは、私だけでしょうか・・・?
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一週間のエジプト旅行プラン

友人一家が一週間の予定でエジプト旅行にやってきました。

夫婦二人に子供四人という大家族なのですが、かなり盛りだくさんなプランをこなし、誰一人体調を崩して脱落することもなくロンドンに帰って行きました。通常のエジプトツアーとはちょっと異なるプランですが、エジプトのいろいろな側面を楽しめるコースだと思うので、ご紹介します。

1日目 早朝カイロ着
    迎えの車に乗って我が家(笑)にチェックイン
    我が家で朝食後、ギザのピラミッドへ
    クフ王ピラミッドの中に入り、太陽の船を見学、パノラマでラクダに乗り、スフィンクスへ
    三大ピラミッドとスフィンクスをのぞむケンタッキーでランチ
    エジプト考古学博物館を見学
    我が家に帰宅、休憩して夕食はPachaにてエジプト料理

2日目 我が家で朝食後、イスラミック・カイロ
    アズハル・モスクを見学後、ムイッズ通りを散策、カラーウーン・コンプレックスやハンマーム見学
    フトゥーフ門から出てナスル門に入り、庶民的スークから、ハーンハリーリへ
    ハーンハリーリでお土産屋物色
    ガーッドでシャワルマ・ランチ後オールド・カイロへ
    コプト教会群やベンエズラ・シナゴーグを見学
    我が家に帰宅、休憩して夕食はNile Maximのクルーズ・ディナーへ(タンヌーラやベリーダンスつき)

3日目 早朝、バハレイヤ
    バハレイヤにてキャンプ

4日目 白砂漠、黒砂漠見学後、バウィーティー経由で我が家に帰宅
    夕食は我が家にて

5日目 我が家で朝食後、カイロ空港へ
    空路にてルクソールへ
    ルクソールの王家の谷を見学

6日目 ルクソール神殿、カルナック神殿見学後、空路カイロへ
    我が家に帰宅
    夕食はザマレクのステーキ屋Black Stoneへ

7日目 我が家で朝食後、シタデル(サラディンの城塞)へ
    ムハンマド・アリー・モスクと軍事博物館見学後、帰宅
    コシャリをデリバリーしてランチ
    車にてカイロ空港へ→空路ロンドン

一週間程度のエジプト旅行の場合は、ルクソールとアスワン、アレクサンドリアに行くことが多いようですが、これだと必然的に見学するものが古代エジプト系に偏ります。もちろん、エジプトの一番の売りは古代エジプト遺跡なので、このコースは正しいコースなのですが、ここで紹介したコースだと、

1)古代エジプト
2)中世から近代のエジプト
3)砂漠の自然
4)ふつうのエジプト人の生活

など、エジプトの様々な側面に触れることができると思います。

限られた日程内でエジプトをどのように満喫するか、人により好みは様々だと思うので、熟慮して楽しんでほしいと思います。

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ハーゼム師とヌール離党者の政治連合

ものすごい組み合わせのサラフィー・コンビが結成されそうです。

昨日(12月26日)のタハリール紙や今日のヨウムッサービウによると、ヌール党党首のイマードッディーン・アブドゥルガフールと、大統領選以来の大お騒がせキャラクター、ハーゼム・アブー・イスマーイールが一緒に新党を立ち上げることになった、とのこと。

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ヌール党内では数ヶ月前からずっと「お家騒動」が続いていて、今度いよいよヌール党の指導的メンバー15人が離党し、ガルビーヤ県の党員11.000人もそれに続く、とのことです。本当ならば、結構な数です。

ヌール党というのはもともと、ダアワ・サラフィーヤという宗教団体が2011年の革命後に設立した政党なのですが、ヌール党内にはダアワ・サラフィーヤの指導部に迎合する一派と、その影響力を極力排除しようとする一派とがあり、その両派が対立していたのです。アブドゥルガフールは後者に属し、これまでもさんざんヌール党を辞めるとか辞めさせられるとかいわれていたのですが、今度こそ・・・という感じでしょうか?

アブドゥルガフールさんはハーゼムさんやその他いろいろのサラフィー達と会合を開き、新政党を設立することだけでなく、新しい衛星テレビチャンネルを立ち上げること、新しい新聞社も設立することなどで合意したそうです。かなりお金のかかる話ばかりなので、ものすごいスポンサーがついているんだろうなとか、やっぱり湾岸とかから何かしら支援されているのかなとか、いろいろ勘ぐってしまいます。

今週の土曜日に公式発表する予定だそうで・・・って、明後日?!

2013年2月には議会選挙が予定されているので、彼らなりに大急ぎでことを進めようとしているのでしょうが、彼らの政党が台風の目となる・・・かどうかは、かなり疑わしいです。

ガルビーヤ県のヌール党設立者で、今回離党したアブドゥルハーリク氏は、「我々はハーゼム師を革命を象徴する人物であるとみなしており、明白な、尊敬されるべき見解の持ち主であると考えている」なんて言っていますが、いやあ、ねえ・・・?

ハーゼム師は大統領選の時は本当にすごい人気で、ポスターがエジプト全国にはりまくられ、水道の蛇口をひねってもハーゼムが出てくるなんてギャグにされていたくらいでしたが、結局実母が米国籍であることが判明し、大統領立候補要件を満たさないということで失格になりました。

もともと弁護士で、イスラム教育を受けていないタイプのテレビ説法師なのですが、言っていることはものすごく威勢が良くて、やれキャンプデービッド破棄だの、アメリカと決別するだの、ジハードに行こうだのいろいろ言っていたのですが、彼は何者だったかを一言で表すならば、結局「嘘つき」だった、ということになるんだろうと思います。

だって、お母さんが米国籍をとっていることを知らないなんて、絶対にありえません。彼は、支持してくれた有権者たち全員を欺いていたわけです。それなのに、選挙の時のキャッチフレーズは、「尊厳をもって生きよう」だから笑っちゃいます。

ヌール党から分裂しようとしている人たちは、ハーゼム人気にあやかろうと彼との政治連合を決意したのでしょうが、選挙を前にしたこんな適当な集団が成功するとはとても思えません。

橋本と石原慎太郎みたいな感じですかねえ?ちょっと違う?(あまり日本のことはよくわかりません・・・。)

ハーゼム師には支持者やファンクラブのようなものがたくさんあって、その中にはシリアにジハードに出かける若者を次々と輩出している団体もあります。ハーゼム師自身は、「別に、オレは、シリアにジハードに行けとか言ってないし」と開き直っていますが・・・。

現代のサラフィー集団というのは、一般的な傾向として、些細な点で意見が対立しまくり、結局何も結論がでないということが多くあります。彼らは、同胞団のような上意下達のヒエラルキー組織を持ってはいません。これまでの議会選挙や大統領選挙を見ていると、それでも「イスラム」と「革命」を掲げている限り、彼らが大きく負けるということはないように思います。

ハーゼムさんを仲間に引き入れて「革命!」とか主張されても、私はどん引きなのですが・・・エジプトの人々の一部はそれを喜んで受容するだろうなあとも思います。

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バハレイヤでキャンプ(2):白砂漠編

バハレイヤでキャンプ(1):バウィーティーとガソリン問題からの続きです。

私たちが給油問題をかかえてバウィーティーでもたついていたため、砂漠ツアーのガイドさんハムディーは「今日はもう何も見られない」と言ってため息をついていたのですが、何のことはない!

白砂漠に到着しさえすれば、そこはまるで火星のような光景(火星に行ったことはありませんが、イメージ的にそんな感じなのです)!! 石灰岩で出来た奇岩がごろごろしています。

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この写真で見ると、茶色っぽく見えますが、実際はかなり真っ白で、さわったり座ったりすると手や服が石灰で真っ白になります。

ハムディーははしゃぐ私たちをせき立て、キャンプをする場所を物色します。彼が急ぐのは、5時半くらいに日没がくるので、その前にテントを張ったりしてキャンプを設営しなければならないから、という理由のようです。彼が適当に決めた場所にみんなでテントを張りました。

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手前がご飯を食べたりする場所、奥の小さいテントは眠る場所です。

キャンプを設営していると、案の定、すぐに日没の時間がきました。太陽が沈むと、白砂漠は虹色に染まります。

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あーきれい。あれよあれよと言う間に、空が暗くなり、星が見えてきます。

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こっ、これは、まさしく宇宙の世界です!(宇宙も行ったことないけど・・・)

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まさに満点の星空!流れ星もじゃんじゃん降ってきます!

ハムディーの作ってくれた鶏の焼いたのとご飯を食べていると、きつねがやってきました。

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耳の大きい、フェネックに似たきつねです。かわいい〜♡

ところがこの後、事件発生!

主人の靴が片方行方不明になり、ハムディー曰く「たぶんきつねが持って行ったんだと思う」とのこと。

えーーーーーーーーーーっ?!靴片方ないと、帰れないじゃん?!

まあ、でもしょうがないっか〜なんて勝手にあきらめていたら、30分くらいしてハムディーが靴を発見して帰ってきました!真っ暗な中、懐中電灯を持って砂漠を歩き回って靴を発見して来た彼のプロ根性に脱帽。

靴はこんなふうに、ひもが喰いちぎられていました。

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この日はかなーり寒く、私たちはわりと軽装で行ったので、寒さに参りいました・・・。座る座布団のようなものも湿っていてお尻が冷たいし、テントも寝袋も分厚くて重たい割には防寒機能が殆どなく、いやー、一晩、つらかったです・・・。

でも外でご飯を食べて、砂漠に仰向けになって星を眺めたり、きつねをからかったり、お茶を飲みながらおしゃべりしたり、つらさを上回る楽しさがあったと思います。

2歳の娘はもちろん初キャンプ、初テントでしたが、一緒に行ったエジプト人女性(24歳)も、エジプト人男性(46歳)も、キャンプやテントは初めてだと言っていました。バハレイヤ自体、観光にくるのは外国人ばかりで、エジプト人は殆ど来ないそうです。

エジプト人にとっての旅行先はもっぱら「海」と相場が決まっていて、アレクサンドリアやマルサマトルーフといった海岸沿いのリゾート以外には彼らは殆ど行きません。子供の頃にキャンプに行ったりすることももちろんないので、46歳初キャンプというのはエジプトでは全然珍しくありません。

朝、日の出を見てから朝食をとり、白砂漠でも有名ないくつかの奇岩を回ります。

うさぎ岩とか・・・

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マッシュルームとひよこの岩とか・・・

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いやー、つくづく写真映えする場所です。

白砂漠はエジプトの国立公園に指定されていて、全体像はこんな風になっています。

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クリスタル・マウンテンにも立寄り・・・

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帰りがけに、黒砂漠にも寄りました。

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白砂漠とは一転して、黒い岩の世界。白砂漠の圧倒される光景には負けますが、ここも悪くありません。

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その後、ホテルに戻り、シャワーを浴びてからランチをとって、自分たちの車に乗ってカイロに帰りました。

バハレイヤは一見の価値のある場所です。砂漠とはいっても、モロッコの砂丘のような砂砂漠とは全く違い、奇岩を見ていると全てが何かに見えてきて、全く飽きることがありません。カイロから車で4時間、さらにそこから車で2時間・・・とかなり遠いのが難点ですが、カイロから一泊二日で行くことは可能です。私たちも一泊二日でしたが、十分楽しめました。

エジプトに観光に来る人は、カイロとあと一カ所・・・という時にアレクサンドリアやルクソールを選ぶ場合が多いのですが、ルクソールならばともかく、アレクサンドリアに行っても全然面白くない・・・と個人的には思っています。自然やアウトドアの好きな人ならば、絶対にバハレイヤに行くべきだ!!と思います。

ちなみに先日、友人一家がエジプト観光に来たのバハレイヤをすすめたのですが、ものすごく満足して帰ってきました。彼らはロンドンに住んでいるので、アフリカならではの別世界を味わうことが出来、とても楽しかったようです。

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バハレイヤでキャンプ(1):バウィーティーとガソリン問題

11月初旬に、バハレイヤに行ってきました。

お目当ては、白砂漠の奇岩群、満天の星空、きつねをみること。

カイロから白砂漠をめざすには、車でまずバウィーティーという白砂漠観光の拠点となる村に行きます。距離は400㎞弱、車で飛ばして4時間弱です。道中、休憩所は一カ所だけで、その休憩所のそばにこれまた一カ所しかないガソリンスタンドがあります。

こちら休憩所。

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ハーゼム・アブー・イスマーイールの大統領選の時のポスターが残っているのがシュールです。

ここにはトイレがありますが、多くの場合水が止まっているので、かなりの惨状・・・です。

車でバウィーティーとカイロを往復する為には、絶対に途中で給油をしなければならないのですが、この日このガソリンスタンドにガソリンはなく、「オレは昨日の夜から待ってるぜ」なんていうおじさん達がぞろぞろ。仕方がないのであきらめてバウィーティーへの道を急ぎます。

バウィーティーの入口のゲートです。

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私たちはこのゲートの手前を右折して、International Hot Springというホテルに行きました。直訳すると「国際温泉ホテル」・・・熱海あたりにありそうなホテルです。場所は結構わかりにくいので、道行く人に「ピーターのホテルはどこ?」と聞くと、教えてもらえます。まあ、実際は「ピーター」ではなく、「ベーター」ですが・・・(汗)

ここには一応温泉があります。

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が、私は入っていません・・・。

私たちはここのホテルに白砂漠ツアーをアレンジしてもらいました。昼前にはホテルに到着し、ランチをとった後、ホテルに迎えに来た砂漠ツアー用のランクルに乗り換えて砂漠に向かいます。

・・・が、またここでガソリン問題発生。私たちは途中で給油できなかったので、バウィーティーで給油しないとカイロまで帰ることができないのです。私たちの車もランドクルーザーなのですが、ガソリンのメインタンクとサブタンクをあわせても、500㎞分程度しかはいらず、400㎞の往復は当然無理です。

そこで一人がガソリンを入れにいったのですが、そこはまた行列。さらに給油車がまだ来ていない→つまり給油できないということで足止めをくいます。早く砂漠に行きたい気持ちにかられつつも、給油しないとカイロに帰れないので、みんなで待つことに。

14時半ころ、ようやく給油でき、砂漠ツアーの運転手兼ガイドにその旨つげたところ、「あー、もう今日は時間が遅くなっちゃったから、何にも見られないよ」と言われ、一同しーーーーーーん・・・。

かなりがっかりしつつ、車に乗り込みました。

バウィーティー村は大変保守的な村のようで、外で女性の姿を見ることが滅多になく、見かけた女性は全員ニカーブ姿でした。農業か観光業で身を立てている人が多いようです。

ガソリン不足はバウィーティーに限らず、エジプトのあちこちで問題になっていますが、バウィーティーではかなり深刻なようです。農業では水をくみ上げるためのモーターを回すのにガソリンが必要で、観光では客を砂漠につれていく車を動かす為にガソリンが必要です。でも3カ所あるバウィーティーのガソリンスタンドは常にガソリンがない状態で、カイロから時々やってくる給油車をみんなで並んで待ち続け、到着したら順番に給油して、なくなったらそれで終わり、とのこと。

私たちは観光客なので、一日並んで給油して終わりですが、ここで生活している人々にとってはこれが日常の問題なので、その大変さは私たちの比ではありません。

砂漠ツアーへの出発が遅れてちょっとへこんでいた私たちですが、地元のガソリン事情を聞いて、へこんだことを反省した次第です。

バウィーティーから少し車を走らせると、すぐにいわゆる黒砂漠が見えてきます。本当はこの黒砂漠こそがバハレイヤ・オアシスで、白砂漠はバハレイヤではなくファラーフラ・オアシスというのですが、エジ在住外国人たちはここを全部ひっくるめてバハレイヤと呼んでいます。

1時間ほどで黒砂漠(バハレイヤ)は終わり、しばらく行くと今度はお目当ての白砂漠に入ります。白い奇岩が見え始めると、急に車がオフロード走行を始め、しかもスピードを全然落とさないので、ジェットコースターに乗っているかのようなものすごい揺れっぷりでした。

オフロードに入ると、そこはもう別世界! こんなものがどーんと目の前に現れます。

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バハレイヤでキャンプ(2):白砂漠編へ続く

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国民投票による同胞団支配の絶対化

先日、エジプトの新憲法案に対する国民投票が実施され、昨日その結果が発表されました。予想通り、賛成票が反対票を圧倒的に上回っています。

賛成票 約1.000万 (63.8%)
反対票 約600万 (36.2%)
投票率 32.9%

投票率が異常に低いのが気になりますが、投票率が低いからといって国民投票自体が無効になるといった規定はないので、このままこの憲法案が承認されて、エジプトの新しい憲法として制定されることになります。

この憲法案は、「イスラム主義者が中心になって草案した」とされていますが、内容的には別にイスラム主義的な要素はありません。例えばよく話題にのぼるイスラムという宗教の位置づけについては、前憲法とかわるところがありません。具体的な条文は、こんな感じです。

第2条 イスラムは国教であり、アラビア語は公用語である。またイスラムのシャリーアの原則は、立法の主たる源である。

主権についても、イスラム主義の信条である「神の主権」は掲げられておらず、「人民主権」とされていますし(第5条)、政治システムは「民主主義」とされています(第6条)。特定の宗教に立脚した政党の設立も禁止されています(第6条)。

イスラム関係の条文で気になるのは、以下の点です。

第219条 イスラムのシャリーアの原則はその普遍的論拠と法源および法学の原則を含む。そしてその(シャリーアの原則の)源となるのは、スンナ派諸法学派の解釈とする。

これを第2条とあわせよむと、立法の主たる源となるのはイスラム法の原則で、何をイスラム法の原則とするかはスンナ派の学者が判断する、ということになります。

キリスト教徒やユダヤ教徒は、宗教に関することや家族法に関することは、各々の宗教法に従って判断してよいことになっていますが、その他の事案については基本的にはイスラムに立脚して判断される、ということです。まあ、国教もイスラム教ですし。

大統領は、任期こそ2期8年までと制限されていますが、その権力は相変わらず絶大で、旧憲法の規定とさほどかわるところはありません。

そして今後のエジプトを占う上で気になるのは、以下の条文です。

第150条 共和国大統領は国家の利益に直結するような重要な事案に関しては、有権者に対して国民投票を呼びかける権利がある。そして国民投票が呼びかけられた場合には、有権者の各々に対して投票が義務づけられる。また、国民投票の結果はあらゆる状況において、国家の全統治機構に対して義務的に適用される。

つまり大統領は、どんな問題であっても、国民投票にかけて賛成票の多数を得ることさえできれば、思いのままに判断を下すことができる、ということです。

国民投票にかけるとどんな結果になるかというのは、今回の憲法案に対する結果がその好例です。つまり、投票率は低く、賛成票が多い、という結果になる、ということですが、今後しばらく、おそらくどんな問題についても、ムスリム同胞団が統治の中枢を占めている限り、国民投票が行われるたびに、同じ結果になるだろうということが予測されます。なぜなら、

1)投票をめんどくさいと思う人が多くなる→投票率が下がる→同胞団の組織力が相対的に力を発揮する
2)同胞団が「イスラム絶対主義」を掲げている以上、エジプト国民の90%を占めるムスリムは同胞団の主張にノーと言う筋合いがない

からです。「お前、この提案にNoと言うことは、イスラムにNoと言うこと、イスラムを捨てることになるんだぞ」と言われたら、殆どのムスリムはYesと言うしかありません。それに殆どのムスリムは、エジプトの独立系新聞が書き立てるような同胞団の野望や腹黒さなどには興味がなく、同胞団は善人の運営する善の組織であると素朴に信じています。

このままスムーズにことが運べば、2ヶ月以内に議会選挙が行われ、また同胞団が圧勝し、同胞団は晴れて立法機関と行政機関を正統な手続きを経て支配することになります。

同胞団はエジプトにイスラム国家を樹立し、最終的には世界をイスラム化して、同胞団がそれを支配することを目標にしていると思われますが、本当は民主主義を嫌悪している彼らがその目標をいかに「民主的」なかたちで実現していくかが、今後の見物・・・だと、私は思います。

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最新版フッラ人形

フッラfullaというのは、イスラム諸国で多く売られているイスラム版バービーのような着せ替え人形です。

フッラちゃんはイスラム教徒の女の子のロールモデルとして、バービーに対抗して開発された人形であり、「愛情と思いやりがあり、両親を尊敬していて、友達にも親切。正直で嘘はつかず、読書好き。もちろんお祈り大好き。そしてファッションも大好き」とキャラ付けされています。

2003年から店頭に並び、2006年にヒットして話題になりましたが、私がエジプトに来てから(娘につきあって)しばしばおもちゃ屋さんをチェックしてもなかなか出会うことがありませんでした。

ところが先日、久々にフッラちゃんがたくさん売られているのを見ました。このおもちゃ屋は時々チェックする店なので、最近入荷したのだと思います。

フッラちゃんは、「正しいムスリム少女」なので、外出する時はこんな格好をします。

こちら、アバーヤ・バージョン。

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いますねー、このようなスタイルの女性。特に湾岸の女性。アバーヤというのはこの長袖長スカートのワンピースのような着衣のことです。モロッコなんかではもっぱら、ジルバーブ(ジュッラーバ)と呼ばれています。

こちらは、ヒジャーブ・バージョン。

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ヒジャーブというのは顔を出して頭部と首を覆うスカーフのことですが、エジプトでは、こっちのスタイルの女性の方が多いです。

でもファッション大好きなフッラちゃんは、家の中ではこんな格好もします。

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足も出しているし、髪型もアレンジして楽しんでいます。

フッラちゃんにはヤスミーンとナダーという、女友達もいます。

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かなり前衛的(?)な髪型です。

私としては、久々にフッラちゃんを見られてちょっと喜んでいたのですが、フッラちゃんというのはしばしば日本の研究者にも言及される存在で、そうした「フッラ現象分析」には疑問を感じるところが少なくありません。

例えばある研究者は、フッラちゃんを「本来イスラムとは全く異なるルールで動くグローバル化の時代に、なんとかしてイスラムをはめ込もうとする試み」の象徴としています。そして、「今のエジプトの子供達は、バービー人形ではなくフッラ人形を選ぶ」とか、「エジプトの子供たちはバービー文化を拒絶した。子供達の感覚で言えば、おそらくバービーはとてもすてきな女の子とは思えなかったということだろう」、などと書いています。

この分析の奇妙な点は、エジプト社会においてフッラがバービーを完全に凌駕しているということが前提になっている、というところです。フッラちゃんは前述のようにこのところ全く見かけませんでしたが、バービーはどのおもちゃ屋さんでも常にたくさん売られています。この現状を前に、「エジプトの子供達はバービーではなくフッラを選んだ」とか言われても、説得力ゼロです。

もちろん、フッラのような子になって欲しいと親が子にフッラを買い与える、という消費行動は見られるでしょうが、バービーに憧れる子に親がバービーを買い与えるという消費行動も同時に見られる、というのが現状です(後者は実際に、よくこの目で見ます)。それを、前者を強調したいあまり、前者だけがエジプトの現状であると「専門家」が断言する、この現象が私は嫌いです。この専門家の著述するエジプトの現状は、この人の脳内世界にのみ存在する現状です。

何よりエジプトには、フッラもバービーも買ってもらうことの出来ない子供が、フッラやバービーを選択することのできる子供の何十倍も何百倍もいるという事実は、こうした分析において全く考慮されていません。自分の主張を裏付ける都合のよい現実だけを証拠として提示する、こうしたやり方は、文系研究者の禁じ手なはずです・・・等々。

私は、おかしいと思った論にはいくらでも、際限なく反論してしまいたくなる、という悪い癖をもっています。だから嫌われるんですねー(とほほ)。

ついでにバービーちゃんの写真ものせておきます。

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いやー、実に派手ですね〜(笑)。

いいと思います。はい。

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気管支炎とアングロアメリカン病院

市販の薬が全く効かないまま、1ヶ月もひどい咳が続いているので、さすがに耐えかねて病院に行ってきました。エジプトで自分が内科にかかるのは初めてのことです。

行ったのはアングロアメリカン病院Anglo American Hospital。家から最も近いまともそうな病院、ということでここにしました。ザマレクのカイロタワーの並びです。

入口はこんな感じ。

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写真でみると、重厚で伝統を感じさせる趣の建物ですが、実際は単にボロい・・・です。

一応総合病院で、いろんなコーナーがあります。

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中はこんな感じ。

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実際の診療ですが、なんだかシステムがむちゃくちゃ適当でした・・・が、結論から言うと、軽く診察してもらいたい場合には結構便利な病院でよいかもしれません。

理由(1) 24時間ひらいている
理由(2) 空いているので待たない
理由(3) 一応総合病院
理由(4) ザマレクにある(私の場合は自宅のすぐそば)

まず病院の敷地に入ると、何の用?とそこらのおじさんが聞いてくるので、「○○先生の診察を受けに来ました」というと、その先生のいる場所を教えてくれます。私の場合は、前日に電話で予約を入れたはずなのですが、当日その先生の部屋に行くと先客がおり、先生は驚いた顔をして、「あれ?患者さん?ごめん、すぐ終わるからちょっと待っててくれる?」とのこと。

予約が入っているという認識は、先生は持っておらず、私は突然現れた珍客のような感じになっていました・・・。ちなみに、主人がこの病院に診察に行った時にも、同じように予約を入れてから行ったのですが、主人の場合はその時間帯にその先生自身がそもそもいらっしゃいませんでした・・・。

私は症状を説明し、診察をしてもらったところ、「気管支炎だね〜」とのこと。やっぱり・・・です。

英語は一応通じますが、(当たり前ですが・・・)アラビア語(エジプト語)ができたほうがスムーズかつ便利です。先生達も、エジプト語の方が細かくいろいろ説明してくれます。

診察は一回200ポンド(2600円くらい)。ふつうの人は絶対に気軽にくることの出来ない値段です。だから空いているのだと思います。エジプトには公営の無料病院がありますが、そこは常に超満員です。

エジプトの有料病院の診療料金はかわっていて、一度診察に行き、二週間以内にもう一度受診した場合には、二回目の診察は無料になります。無料というか、最初の診察と、経過観察というかある程度の回復を確認する為の二回目の診察をあわせて1セットと考えているようです。医者が自分のみたてと、薬の処方などに対して責任を持つ、という意味で、このシステムには好感が持てます。

今回の先生も名刺をくれて、「二回目は私に直接電話をして、予約を取ってからきてね〜」とのこと。だから、今回も予約してから来たはずなんですけど・・・。

この病院には受付とか支払いをする場所とか、日本の病院には絶対にある場所がどこにも見当たらず、診察料金は医者についている看護婦さんに手渡し(?)します。まあ、支払いで長いこと待たされることがないので、患者としては嬉しいシステム(?)です。

医者が処方箋を紙に書いてくれるので、それを持って院内の薬局に行きます。

今回処方してもらった薬はこちら。

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上の紫のものは吸入式の気管支の薬、Klacidは気管支炎や肺炎の人に処方される有名抗生物質です。

これを支給されて数日経ちますが、ちょっとだけよくなってきました。ブログ記事を書けているのが、その証です。

既述のとおり、この病院はちょっと診察してもらいたい場合には便利ですが、重篤な病気やケガの場合には本格的に治療をうけるのは難しいように思います。なぜなら、施設と設備が恐ろしく古いからです。

例えばレントゲン。こんな感じ。

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かな〜りのボロさです。エジプトではとにかく、深刻な病気にかかったりケガをしないように、十分注意をして暮らすしかありません・・・。

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2歳児の肺炎

娘が肺炎にかかりました。

生まれてから2年8ヶ月、病気らしい病気は「突発性発疹」以外にかかったことのない彼女なので、いわば「初めての病気」です。

先週の木曜日の夕方から急に発熱が始まり、39度前後の熱が3日間続き、その後は熱が38度前後にまで下がったものの、ものすごい咳と鼻水が来襲。咳がひどくて嘔吐もするし、鼻がつまって鼻で呼吸ができないし、夜も昼も全く熟睡できず、一日中「ママー」と言って私にへばりついている状態。食欲も全くないし、普段あれだけおしゃべりなのに、「ママー」以外殆ど何もしゃべらず、全く笑いもせず、とにかくものすごく具合が悪い状態が1週間続いていました。

単なる風邪にしてはあまりにも全く改善の兆しがみられないので、小児科にかかった所、「肺炎です」との所見。

は〜、そういうことだったのね。。。全然よくならなかった理由がようやく判明しました。

処方された薬はこちら。

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こちら、薬局で買ったもので、こちらを5箱購入し、1日1回注射する、というのが処方の内容です。毎日医者に行くのかと思いきや、「注射は薬局でしてもらって下さい」とのこと。

ふーん、そういうことなんですね。。。

実際、薬局で薬剤師もしくは看護士らしきおじさんが、娘のお尻に注射をぶっさして下さいました。

帰宅後、このCeftriaxoneなるものについて調べてみたのですが、日本でも小児肺炎には一般的に処方されることの多い薬">日本でも小児肺炎には一般的に処方されることの多い薬のようだということが判明。

この夜はこの1週間でもっともよく眠れていたし、翌日もこれまでよりだいぶ元気になっていました。一本の抗菌薬の注射でこれだけ効くということは、間違いなく肺炎菌がいた証なのだと思います。もっと早くに医者につれていってあげればよかった・・・と反省。

でも言い訳のようですが、最初は単なる風邪と全く同じだったので、肺炎になっているとは思い至りませんでした。

注射はあと4日続きますが、早くよくなることを願って、毎日薬局に通う予定です。

娘、昨夜もずっと「おしりいたーーーーーい!!」とか言い続けていたし、きっとこの薬局に対するトラウマをもつことになるんだろうな・・・。



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エジプトで一番の家電店

炊飯器が壊れて、あまりにイマイチな代用品しか手に入らなかったので、リベンジ戦。

エジプトで一番信頼できるとされている家電店、TOSHIBA EL-ARABIに行ってきました。

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入口はこんな感じ。

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エジプト人のお客さんが結構います。新婚さんなどにとっては、ここで家電をそろえるのが夢なんだそうです。

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我が家が2つ購入した、空気清浄機&加湿器があります。

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肝心の炊飯器。こんなんしかありませんでした・・・(汗)

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でも、右側のは、前回購入したものよりはましな感じ&格安なので、一応購入することに。

いや〜、昭和だなぁ〜、昭和〜

と、炊飯器を見て思いながら周りを見回すと、この店、他にも「ド昭和!!」を感じさせる家電がいっぱいあります。

まずはこちら。ラジカセ。

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うーん、久しぶりに見た。

そしてブラウン管テレビ。

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まだ売られているのね・・・。でも私の所は自宅でも事務所でも、ブラウン管テレビをいまだにいっぱい使っています・・・(汗)。

そしてとどめは、二層式洗濯機!

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子どもの頃、こういう洗濯機あったな〜、しっかしむっちゃ久しぶりに見たぞ!という代物。まあ、私の子どもの頃は昭和だったので、私自身、相当な年代物でありますが・・・。

この店、液晶テレビやもっと進んだ洗濯機や冷蔵庫、電子レンジなんかも売っています。エジプトの家電店にしてはいけてる方なのですが、それでもこんな感じです・・・。

はぁ・・・(深いため息)。

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06

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エジプトの「局所的内戦」

昨日から今朝にかけてのエジプト大統領宮殿前は、まさに「内戦」の様相を呈していました。

「局所的内戦」です。

ムスリム同胞団(大統領支持派)と反対派の市民同士の衝突で、7人が死亡、負傷者は保健省の発表では350人、メディアによっては600人以上と伝えています。

今朝のエジプト各紙の一面を一部ご紹介します。

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よく見ると、4紙のうち3紙の一面に登場している負傷した男性は、同一人物です。そして4紙とも、負傷しているのが反体制派で、のこぎり(?)や棒などの武器を振り回しているのがイスラム主義者の体制派であることを、写真で示そうとしています。

この4紙は政府系ではない新聞(いわゆる独立系新聞)であり、反体制、反ムルスィー、反イスラム主義の立場をとる新聞でもあります。なので今日の一面がこういう感じなのは当然と言えば当然なのですが、写真のモチーフがここまで類似しており、かつモデルまで一緒というのは、かなり・・・です。

エジプトではこれまでも頻繁にこうした「衝突」が発生し、死者が出るケースも稀ではありません。しかし今回の衝突がこれまでのものと異なるのは、衝突が民間人同士のものだ、という点です。以前、ムバラクの裁判をしていた警察アカデミー前で、ムバラク支持派と反ムバラク派が石を投げ合って戦っていましたが、あんな感じでした。

今回も警察や軍が出動しましたが、大統領宮殿の警備と、両陣営を分け隔てるための出動であり、「参戦」はしていませんでした。これまでは、デモ隊に対して軍や警察が催涙弾やゴム弾を使い、それでデモ参加者が負傷するというケースが多かったのですが、今回は違います。

今回は同胞団vs反同胞団の民間人同士の戦いで、さきに「局地的内戦」のようだと書きましたが、自由参加型の大規模ケンカのようなものでもありました。でも火炎瓶やゴム弾、催涙ガスが使用され、石が飛び合い、ナイフやら棒やらいろんなものがふりかざされていました。

別に上の4紙の写真が強調しているように、同胞団員が一方的に反体制派に対して攻撃をしかけたわけではなく、攻撃は双方によるものだったはずです。反体制派は自分たちの抗議活動が平和的なものだといつも強調しますが、そんなことありません。イスマーイリーヤとスエズでは、同胞団の建物に放火もされています。

というか、なんで民間人が催涙ガスとか持っているのか、どこから持って来たのか、そのへんも気になります。

もともと、エジプト人はけんかっ早い人々です。道でもよくおじさん同士とかおばさん同士とかで殴り合いのけんかをしていますし、飛行機の中でも殴り合いをしているのに遭遇したことがあります。

またこうした衝突には、支持派でも反対派でもないいわゆるバルタゲーヤが紛れ込んで暴れ回っている、ともいつも言われています。

あー、また衝突かー、というのが正直な感想なのですが、それでもこの衝突は関わりたくない人は避けることの出来る災禍ですし、一時的で局所的なものですし、そう考えると、シリアやイエメンやリビアといった近隣諸国よりはずっとましです。

政治的には確かに危機なのですが、治安上問題があるのはごく一部の場所のみであり、その他ではいたって普通の日常生活が営まれている、というのは、エジプト在住の身としては、本当にありがたいことだと思っています。

先ほど共和国防衛隊が、今日の15時までに宮殿前から撤退するよう、デモ隊に命じたため、デモ隊はいなくなりつつあります。

政権が変わっても、最終的には軍が強権を発動して秩序を取り戻させる、という基本構造が変わっていないのが、皮肉なところです。

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05

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炊飯器こわれる

一昨日、これまで使っていた炊飯器がこわれました。スイッチを入れても、何の反応もなし。
静かな最期でした・・・。

そこで登場させたのが、日本から持参した高級炊飯器。銀シャリなるコースで炊くと、(日本のお米の場合)本当に甘くておいしいご飯が炊けたものです。

ところが昨日、この日本の炊飯器を使ってご飯を炊こうとしたところ、20分くらいしたところで急に熱で金属やゴムが溶けるような変なにおいがしだし、「ヤバいかも・・・」と思ったとたんに「バンッ!!」と音がして炊飯器がショート・・・。

カイロで一度もおいしいご飯を炊くことのないまま無念の死を遂げた、日本の炊飯器・・・。

このふたつの炊飯器をキッチンの横の方においておいたところ、お掃除に来てくれているお手伝いさんが、「あれ、これどうしたんですか?」というので、「こわれちゃったんだよね・・・」というと、「じゃあ、もう不必要ってことですね?!」とのこと。使えないとはわかっていても、あまりにあっけなく死んでしまった炊飯器をそのまま捨てるのがなんだか忍びない・・・と思っていたら、その日のうちに、お手伝いさんが持って帰っちゃいました(汗)。彼女は、うちのいらないものを持ち帰ってどこかに売り払うのを、楽しみにしているのです(汗)。

ご飯は土鍋とか、ルクルーゼとか、最悪ふつうの鍋でも炊けます。でも、問題は、火を使うので目を離すことができない、という点です。うちにはキッチンとかお料理が大好きで、私のお手伝い(実際は邪魔だったりする・・・)をするのを生き甲斐(?)としているような2歳児がいるので、火を使ってご飯を炊くのはできるだけ避けたいのです。

今は主人が出張中なので、たくさん仕事があるのに、いつもこういう時に限ってトラブルが発生します(涙)。

とりあえず今朝、近所の大型スーパーと近所の電気屋2件を回ったけど、炊飯器なし。

しょうがいないので車でカルフールまで行ったのですが、そこでも存在していたのは炊飯器というか、スチーマー。ご飯も炊けるスチーマー、みたいなものです。3種類あって、2つはあまりにも怪しいメーカーだったので、パナソニックのものを選択。インド製だけど、一応日本のメーカーだし・・・ということで。

それがこちら。じゃーん。

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なっ、なんというクラシックっぷり・・・っつーか、日本の電気屋さんで、こんな炊飯器、見たことないぞ?!というような代物。

使い方は実にシンプルで、お米をといで、この中に入れて、前にあるこのレバーを下に下げて、終了。炊けるとスイッチが上にあがる、というそれだけの装置。

試しに炊いてみたところ、確かに一応、ご飯は炊けました。別においしく炊けるわけではありませんが、そもそもエジプトのお米は日本のもののように粘りや甘みがあるわけではないので、まあ、これでもいいか、という感じです。

・・・。

エジプトで暮らしていると、妥協の上に妥協を重ねなければならないことが多々あります。これが必要!というものがあっても、その理想型は絶対に存在しておらず、最低レベルのそれが存在しているか、存在していないかのどちらかです。いつもそうです。

炊飯器も、なんだかこーんなしょぼーいものですが、ないよりはいいや・・・と思ってあきらめることにします。

は〜。仕事しよ、仕事。

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04

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エジプトでまぐろ

このところ、近所の魚屋が時々まぐろを入荷するようになりました。

去年は全くそんなことなかったのですが、ある時魚屋にいくと、いつもは寡黙なおじさんが「今日は新鮮なまぐろが入ってるから絶対に買った方がいい!」と急に営業を始めました。見ると、確かにまぐろがいます。

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「今日釣ったばっかりの、ものすごく新鮮なまぐろだから、是非是非買ってほしい」とのこと。「うーん、でもかなりデカいしなあ・・・」と難色を示すと、「それじゃあ、半分でもいい」というので、更に「半分でも結構大きいしなあ・・・」というと、「それじゃあおろすから、身の部分だけキロ売りでどうだ?」というので、それなら・・・とOK。

この口に刺さった釣り針が、新鮮さの証拠だぜ!!とおじさんは得意げです。

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おじさんは渾身の力をこめて、まぐろを解体していきます。

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実は私、以前まぐろを一匹まるごと買って、自分でおろしてみたことがあるのですが、ものすごーーーーーーく大変でした。

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うちには魚をまともにおろせるような上等の包丁はないですし、とにかく硬いので、私の力では本当に大変でした。大変でしたが、その時初めて、トロとか赤身の構造(?)が理解できて、結構楽しかったです。

それでも、もう自分でこの大変な作業を行うのは勘弁・・・と思っていたので、おじさんにおろしてもらって大正解。しかも、解体作業をしていたら、同じく魚屋に来ていたエジプトのおばさんが、「私も買うわ!」とのこと。

買ったまぐろはたいがい、ステーキと立田揚げにします。一度生で食べて、旦那があたったため、それ以来、刺身で食べるのは回避しております・・・。(私と客人は大丈夫だったのですが・・・。)

一番おいしいのは、こちらの立田揚げ。

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しょうが醤油と酒につけて、小麦粉と片栗粉を半々につけて揚げます。レモンをたっぷりしぼって、さらにおろしポン酢で食べるとかなりおいしいです。

魚屋さんは、まぐろが意外にも(?)さっさと売り切れたことに味をしめたのか、最近時々入荷するようになりました。だからうちも、時々買うことにしています。

しかし、これ、刺身で食べられたら、ものすごくいいんだけどなぁ・・・。

ちなみにこのまぐろ、何まぐろだかわかりませんが、以前一回だけ刺身で食べた時はかなり美味でした。トロもしっかりとトロ!!です。

お値段の方は、身の部分だけ買うと1キロ75エジプトポンド。1000円くらいです。まぐろ1キロ1000円って、安いですよね〜。



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04

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マクディシーの離反とシリア人難民

ついにあの、マクディシーが離反しました!



昨日から急に携帯電話が普通になり、公の場から姿を消したジハード・マクディシーجهاد المقدسي。離反がささやかれ始め、今日になって弟が離反の事実を認めました。「愛する祖国であまりにも多くの被害者が出ていることに耐えられなくなって」、とのことです。

何を今更・・・という感じですが。マクディシー自身の声明も、近く発表されるそうです。

シリア軍筋によると、シリア軍はマッザにあるマクディシーの自宅を(早速)焼き払い、外交筋によると、マクディシーはベイルート経由でロンドンに逃亡した、とのこと。

マクディシー自身もクッルナーシュラカーのサイトで、家族とともに既に安全な場所にいる、と述べています。

外務省の報道官として「シリアは大丈夫!!」と外国メディアに向かって言い続けてきたくせに、彼の家族は数ヶ月前に既にシリアから脱出していた、とのこと。

マクディシーくらいの大物だと、離反するにもいろいろ手助けしてくれる人もいるでしょうし、逃亡先でも便宜を図ってもらえたりするのでしょうが、もっと下っ端の役人はそうはいかないと思います。

というか、そもそも、政府派でも反政府派でもなく、ただ安全に暮らしたいだけなのに貧しくて家を離れられないシリアの一般国民がまだまだたくさんいます。

エジプトにも内戦を逃れて国から脱出してきたシリア人がたくさんいます。お金持ちのシリア人はカイロでも高級なマンションに住んで物質的に豊かな生活を送っていますが、貧乏でとるものもとりあえず逃げて来たシリア人はすごく大変です。大人数で賃貸住宅を借りて共同生活をしたり、仕事をしたくても仕事がないので、自分たちでレストランを開いたり・・・などなど。

うちの娘の友人にも、シリアから逃げて来たシリア人の子がいます。

さるま

お母さんはパレスチナ人で、もともとはお母さんのご両親がパレスチナからシリアに逃げて来たとのこと。占領や戦火を逃れて国から国へと移動せざるをえない人生・・・こういう人生を送っている人は、日本には(おそらく)全くいません。ひたすらに想像力を働かせ、もし自分がその立場だったならと考え、ただただ戦争が憎いな、と思うばかりです。

アサドが悪で反アサドが正義とか、全然そういう問題ではないのです。

早くシリアの戦争が終わって、彼女らが国に帰れる日がやってきますように・・・。

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04

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ムスリム同胞団にとっての新憲法

昨日書いたように、今日はエジプトの独立系新聞11紙は「(ムルスィーの決定に対する)沈黙による抗議」として全て休刊しています。私は独立系新聞のファンなので、政府系新聞しかない今日は私にとってはかなりの「不毛デー」です。

そこで、普段は殆ど目を通さないムスリム同胞団の機関紙『自由公正الحرية و العدالة』を読んでみました。

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名前から明らかなように、同胞団の政党「自由公正党」の党新聞みたいなものなので、記事の内容もいつもムルスィー万歳!!で気持ち悪いので、通常は読みません。

今日の目玉は、憲法草案特集です。彼らから見ると、この憲法草案は11の原則に立脚した「革命の憲法」なんだそうです。11原則とは彼らによると、

① 国民主権
② 民主主義
③ 国家の尊厳よりも国民一人一人の尊厳の重視
④ 思想、居住、移住、財産所有等の自由
⑤ 男女間の平等と機会均等
⑥ 実定法にもとづく統治
⑦ 国家統一
⑧ 国家防衛の名誉と義務
⑨ 治安の重要性
⑩ アラブ共同体の統一という希望
⑪ エジプトの思想文化の発展

だそうです。

ふーーーーーーーーーーーーん。。。

シャリーアの統治とカリフ制復活をめざしているくせに、国民主権とか、実定法による統治とか、全然ありえないと思うんですけど?!

同胞団は、こういうところがあざとくて好きになれません。

革命〜!!とか民主主義〜!!とか言っておきさえすれば、今は票を獲得できるからそうしておこう、それで我々による支配が盤石になったところで、我々の目指す本来の姿に国を変えていけばよいのだ、というこの戦略。

見え見えなんですけどー?!

(同胞団員以外の)エジプト国民をバカにした戦略だと思います。

まあ今日の『自由公正』紙は、付録で憲法草案236条の全てを掲載しているので、この点は唯一評価できます。

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国民投票が無事に実施されて可決されれば、これがエジプトの新憲法になるので、この付録はとっておこうと思います。

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03

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憲法宣言への抗議いろいろ

明日、エジプトの独立系新聞11紙が、ムルスィーの発した憲法宣言に抗議する目的で休刊することにした、と本日付けの各紙が報じています。

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これらの中には、アルマスリーアルヨウムالمصري اليوم、シュルークالشروق、ワタンالوطن、タハリールالتحريرといった、私が愛読している新聞が含まれています・・・ということは、明日の新聞はアハラームとかアフバールとかの政府系新聞とアッシャルクルアウサトとかの汎アラブ新聞だけ?!

・・・つまんない。

一方テレビ業界の方では、独立系テレビ局は明後日放送をボイコットする、としています。

テレビでは昨夜、ムルスィーに対する抗議の意味で死装束を持ち出して来た女性アナウンサーが話題になっています。



彼女はハーラ・ファフミーという名前のエジプト国営テレビのアナウンサーで、昨夜自身の番組内で、ムルスィー政権とイスラム勢力によるメディアへの規制や圧力、放送の自由への妨害などについて批判し、私は自由のために死ぬ準備がある、として突然デスクの下から死装束を引っ張りだしました。その後、番組は突然、他の映像に切り替えられてしまいます。

やっぱりダメみたいです、こういう批判・・・。

憲法宣言に対しては、裁判官たちもこれを拒否し、裁判官クラブは昨夜、12月15日に実施される予定の憲法草案に対する国民投票の監視業務をボイコットする、と発表しました。まあ、裁判官全員の総意ではないのですが、国民投票実施の難航が予想されます。

いったいどういう形の抗議が効果的なのかわかりませんが、いろいろな人たちが、いろいろな形でムルスィーの憲法宣言に抗議を表明している現状です。

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03

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頑張れエジプト航空

エジプト航空Egypt Airは11月30日(金)からダマスカス便をキャンセルしていましたが、昨夜、「明日(つまり今日)から再開する」と発表しました。

内戦状態になって久しいシリアですが、エジプト航空は毎日のようにダマスカスへのフライトを飛ばしていました。政治的事情もあるのでしょうが、それだけシリアとエジプトの間には未だに人の往来があるのだという証拠でもあります。ところが金曜日に、反政府軍が空港とダマスカスを結ぶ道路に迫撃砲を打ち込み、シリアの空軍が空港近くで作戦を展開したため、さすがのエジ航空も「状況が不安定」だとしてフライトをキャンセルしたのです。

そして昨夜、「状況が安定した」のでフライトを再開すると発表。私が見ると全然安定してないのですが、彼らの目から見ると、「よし!安定した!!」とのことのようです。

これからはもう、パイロットも乗務員も、これまで以上に命がけのフライトです。

エジプト航空はカイロから非常に多くの路線に国際便を飛ばしており(ルートマップはこちら)、しかも価格が安いので、私はエジプトに来てからエジプト航空以外を使ったことは殆どありません。

エジプト航空のシンボルは、空の守り神ホルスです。

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エジプト航空の客室乗務員女性はこんなふうに、みんなヒジャーブなどの被り物をしていません。

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これまではニカーブは言うまでもなく、ヒジャーブの着用も禁じられていたのですが、革命後、国営テレビの女性アナウンサーにヒジャーブ着用が認められたように、エジプト航空でも認められることになりました。10月くらいにデザインを決定し、中国にある工場に発注したとのことだったので、そのうちヒジャーブをかぶったエジ航空スチュワーデスが登場することになるはずです。

エジプト航空は、安くて路線が多いのがよいところなのですが、機体がものすごくボロくて、食事がものすごーーーーーーーーくマズいのが難点です(汗)。

こちら、ビジネスで出された軽食。

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この「ぶつ切りきゅうり」はエジ航空名物(笑)で、エコノミーのほぼ全路線で出されます。ビジネスでも同じだし・・・(汗)。見た目にも残念ですが、味はそれ以上に残念なのです・・・。なんでこんなにマズいんだろうねー、と乗るたびに話すのですが、結局、エジ人には料理および味覚のセンスがないからしょうがない・・・という結論?

あと私がいっつも気になるのが、ドゥアーのミススペル・・・。

ドゥアーというのは神様への祈願のことで、エジ航空は離陸前に必ず「旅のドゥアー」と言って神様にこのフライトの無事をお守りください、とお願いするのですが、画面に映し出されるスペルが間違っているのです。

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本当は、

و ما كنا له مقرنين

となっていなければならないところが、

و ما كنا لة مقرنين

となっているのです。いつから間違えたままなのかわからないのですが、私がエジプトで暮らし始めたのが2011年8月で、少なくともその頃から現在まで修正されずそのまま・・・です。

これって、かなり恥ずかしいし、ちょっと神様にも失礼じゃない?!と思うのですが、エジプト人特有のおおらかさ(適当さ)はこうした間違えすら許容してしまう・・・ようです(汗)。

いろいろ文句は言っても、やっぱり私がエジ航空のヘビーユーザーであることには変わりありません。これからも大いに頑張ってほしいと思います。(食事の改善を切に希望します!!)

※追記

12月3日にカイロからダマスカスに向かって飛ばしたMS721は、ダマスカスの治安状況が悪いということで、結局カイロに戻って来てしまいました!! シリア政府軍と反政府軍の間のダマスカス国際空港攻防戦は、4日現在も継続中です・・・。

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02

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気管支炎とその対策

11月末から1週間、気管支炎で寝込んでいました。

去年もこの時期、気管支炎で寝込み、ひどい咳に1ヶ月以上苦しめられました。

この時期のエジプトは、理由はわからないのですが、いつにも増してひじょーーーーーーーーに空気が悪く、「あれ、あなたも風邪?私も〜。みんな風邪だよね〜、あはは♪」というのが普通の挨拶になるような、そんな状況です。

私は風邪をひくと必ずのどと咳にきて、ひどくなると気管支炎を発症します。小児ぜんそくだったころの名残のような気がするのですが、こうなると、苦しくて夜眠れません。うとうとしても、自分の咳で目覚め、それが朝まで継続・・・咳に加えて不眠で体調は一向に改善しません。

日本で医者に処方してもらった咳止めや気管支拡張剤がもうなくなってきたので、今回はエジプトで売られている咳関連の薬をやたらにいろいろ試してみたのですが、なかなか苦戦しました。

ちなみにエジプトでは、具合が悪くなると医者ではなく薬局に行くのがふつうで、薬局でどんな薬でも買うことができます。電話で注文をして、持って来てもらうこともできます。今回試したのは、こちらの4種類。

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写真左から①Balsam、②Brunshikum、③Medinite Complete、④Sinecodです。

外形をみておわかりのように、これらは全てシロップです。日本だと、シロップ状の薬なんて子どもしか飲まないような気がするのですが、なぜかこちらでは「咳の薬=シロップ」が既定路線です。

①と②は、いわゆる生薬のようなもので、のど飴が溶けたような味がするのですが、全然、まーーーーーーったく効きません。この薬を飲んでいた最初の3日ほどは、本当に苦しくて、殆ど眠れませんでした。

③は去年も飲んだのですが、総合風邪薬のようなものです。こちらはかなりのアルコールを含む薬で、催眠効果もあるので、寝る前にしか飲んではいけません。かなーーーーーーりマズいです。去年は多少効いたのですが、今年の気管支炎には全く効かず。ただし催眠効果のために、これを飲んだ日には多少眠れました。この薬は、ワインの4分の1程度のアルコールを含みます、と書かれていて、そのせいか、こちらでは基本的にはキリスト教徒の経営している薬局にしか売っていません。

④は今回、最も効いた薬です。咳の薬をくれーと言うと、①や②の類ばかりが出てくるので、気管支の薬が欲しいんだ!と言ったところ出て来たのがこちら。どうやらエジプトの薬局では気管支拡張剤そのものというのは扱っていないらしく、その効果のある薬としてこちらをすすめられました。これを飲むと、確かに気管支拡張作用が実感されて、息苦しさから多少解放されます。これを2時間おきくらいにちょびちょび飲んでいたところ、4日ほどでだいぶ回復しました。

咳はまだ続いていますが、気管支の調子はずいぶん整ってきました。

今年はこれに加えて、シャープの空気清浄機と加湿器が合体したものを二台、自宅に導入したので、自宅の空気環境はだいぶよくなってきました。ただその分、外出した時の外の空気の悪さにかなりのダメージをくらいます。

この空気の悪さは、車の排気ガスとか、工場の排気とか、みんなが吸いまくっているタバコとか、いろんな原因があるのでしょうが・・・娘も咳をしているので、この点、彼女には本当に申し訳ないと思っています・・・。ぜんそくを発症しないことを祈るのみです。

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02

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「なんで病」の発症

2歳7ヶ月の娘に、とうとう「なんで病」が発症しました。

2歳を過ぎた頃から、会話の中にたまに「なんで?」という言葉が出てくることはあったのですが、昨日からはもう、何を言っても「なんで?」「なんで?」「なんで?」の繰り返し×∞・・・。

「なんで?」と聞き、私がそれなりに頑張って回答を導きだそうと奮闘する様子を見て、面白がっているようです。それで、どんな答えを言ってもまた「なんで?」と聞き返すのです。

私も負けてはいられないので、隙あらば彼女に「なんで?」とたずねるのですが、そうすると彼女は、「だって、ママがシャボン玉!」と訳の分からないことを言って私の質問を煙にまきます。なんという高等技術!

娘は日本語と英語とアラビア語(エジプト語)をしゃべるので、「なんで?」と同時に「why?」とか「ليه؟」も多発しています。

三か国語の使い分けは、だいぶできてきたように思います。例えば、幼稚園でも、オーストラリア人の先生に対しては英語で話し、エジプト人の友達とはエジプト語で話す、と使い分けているようです。

でも私に対しては三か国語全てで話しかけてきます。おそらく、どれでもいいや、と思っているのだと思います。

私が妊娠中に学んだ所によると、多言語環境においては、両親の各々がひとつの言語に限定して子どもと話すことが重要だとされていたので、私はいつも日本語で話すようにしているのですが、彼女の方から英語やエジプト語で話しかけられると、ついその言語で返答してしまいます。

あんまりよくないと思ってはいるのですが・・・。

でも昨日は夕食の時、「ママの作ったの、おいしい!」とか言って、ごはんもりもり食べてたなぁ・・・。やっぱり肝心なことは、私に対しても日本語で言うことが多いように思います。

自分とはあまりに異なる環境で成長している我が子。言語だけでなく、他にもどうしたらいいのかよくわからないことはたくさんあるのですが、私は子どもの数だけ子育てのかたちがあっていいと思っているので、まあ、なんとなくやっていっています。

それにしても「なんで病」、いつまで続くのかなぁ・・・???

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エジプト新憲法案への賛否と第三局

エジプトの新憲法案が先日、憲法起草委員会で可決・採択され、12月15日にその是非に関する国民投票が実施されることになりました。

この新憲法案、全文はこちらに掲載されています。

本来100人いた憲法起草委員会にはもともと、いわゆる世俗派やキリスト教徒などいろいろな人が含まれていたのですが、彼ら15人が辞めてしまった結果、残りの85人の構成は以下のようになっています。

自由公正党(ムスリム同胞団の政党) 22人
ヌール党(サラフィー政党) 18人
その他イスラム主義勢力 9人
その他の政党 8人
アズハル 3人
国の諸機関 11人
独立した個人 14人

このようにイスラム主義勢力が多数を占めているので、同憲法案に対してのエジプト国民のリアクションについては基本的に

イスラム主義勢力→賛成
世俗派・革命勢力→反対

という構図が出来上がっています。イスラム主義勢力は同胞団が宗教団体の動員パワーをフル活用し、昨日は20万人規模の「ムルスィー大統領支持集会」を開催、対する世俗派・革命勢力はタハリールでグテグテな感じの座り込みを継続しています。

ただ、これはあくまでも基本的構図で、ここには「第三極」(日本の政治ニュースワードを借用・笑)と呼ぶべき勢力も出現しています。その代表例がジハード系サラフィー主義者たちであり、彼ら(の一部)は昨日、「タウヒードとジハードの若者運動」という組織を設立し、ムルスィーの決定と同憲法案に反対する旨を表明しました。

彼ら曰く、

「我々の法学者が下したファトワーによると、シャリーア以外に則って統治を行う者はカーフィル(不信仰者)であり、このことはムルスィーに適用される」

のであり、

「イスラム教徒は、憲法などというものに従って統治をすることを許されていないのであり、我々は神の書(コーラン)と神の使徒および彼の代理人たちのスンナ以外に、憲法などというものは認めない」

のだそうです。昨日イスラム主義者たちによって開かれたムルスィー&憲法草案支持集会がシャリーア適用をうたっていることについても、「憲法草案のどこにもシャリーアなんてないじゃないか」と批判し、参加したイスラム主義者たち(同胞団とサラフィー政党主体)をバカにしています。

マンスーラにあるアカデミーヤ・サラフィーヤのリーダー、アフマド・アルナキーブ師は、昨日マンスーラのイバードッラフマーン・モスクにおいて、こんなことを言ったそうです。

「この憲法は正しくないし、無益であって、空虚な言葉の羅列にすぎない。これはエジプト史上最悪のものであり、我々はこれを完全に拒否する。そこにはシャリーアへの違反が14カ所ある。」

ムルスィーはエジプト人の総意で選んだ大統領です。みんなが生み出した「独裁者」です。ある意味、ヒトラーみたいなものです。オレは投票しなかった、という弁は、民主主義のルール下では通用しません。だから私個人としては、ムルスィーを否定して民主主義を称揚する世俗派よりも、民主主義自体を否定するジハード系サラフィー主義者の主張の方が理にかなっていると思ってしまいます。もちろん、理にかなっているということと正義であるということは、全くイコールではないのですが・・・。

今後の情勢としてはおそらく、このまま世俗派のデモがよりグテグテになり、15日に国民投票が行われて憲法案が可決され、その後人民議会選挙が行われるだろうと予測されます。

ムルスィーは先日、いみじくも「エジプト国民の90%は私の決定を支持している」と述べていましたが、これはまんざら嘘でもないように思います。なぜならおそらくエジプト国民の90%くらいは、政治の細かな動向などには無関心で、デモなどには参加せず、日々の仕事に追われながら、ただただ強い大統領のリーダーシップと国の繁栄を望む素朴な人々だからです。

エジプトという国で初めてみんなで民主的に選んだ大統領が一体どこまで出来るのか、壮大な実験はまだまだ続きます。

プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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