--

--

コメント

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

05

30

コメント

エジプト人とタバコ

エジプトの国家動員統計庁 الجهاز المركزى للتعبئة العامة والاحصاءによると、エジプトの喫煙人口は940万人。全人口に占める喫煙者の割合は、17%だそうです。

これは2009年の調査をまとめたもので、なんかずいぶん昔の数値だなあという気がしてしまいますが、エジプトではこんなふうに4年前の調査結果を今頃発表するのは、結構ふつうのことです。

しかしこの数値。意外に少ないなあという印象です。

私はてっきり、もっともっと喫煙人口は多いのかと思っていました。

喫煙者のうち、410万人は都会の住民、530万人は田舎の住民。

また喫煙者のうち、中学も卒業していない人の割合は58%。そのうちの半数は、非識字者だそうです。

大学の学位を持つ人は、喫煙者の7.7%を占めるに過ぎず、また大卒以上の学歴を持つ人は、喫煙者の0.2%に過ぎません。

やはり、勉強をした人の方が、喫煙のリスクなどについての知識も多くもっているのでしょう。学歴と喫煙率は反比例しています。

また、男性の喫煙率は32%、女性の喫煙率は0.5%だそうです。

私はカイロのザマレクというエリアに住んでいるのですが、ザマレクではおまわりさんの殆どは喫煙していますし、どんなお店にいっても店員が喫煙している率は非常に高いです。

ザマレクは道幅が非常にせまく、歩くのも困難なのですが、歩きタバコをしている人も非常に多く、子連れの時にはタバコがあたりそうでイライラすることがよくあります。

だから、男性の喫煙率は70%くらいじゃないか、と勝手に思っていました。

でもよく考えたら、タバコっていうのは高級な嗜好品なので、タバコを買うことのできる経済力を持った人がどのくらいいるかなあと考えると、喫煙率はそれほど高くはならないかもな、とも思います。

でも経済力と嗜好品購買力というのはあんまり関係ない場合というのもあり、たとえばイエメンの男性は非常に高い割合でカートという幻覚剤をカミカミしていますが、多くない収入の全部をカートに費やしたりするそうです。。。

他方、女性の喫煙率についても、私はてっきりもっと高いものと思っていました。

というのも、私がよくいく社交クラブには、エジプトの金持ちが集結してくるのですが、そこの女性陣の喫煙率は非常に高いからです。子連れでタバコをすぱすぱやっている女性の多いこと、多いこと。エジプトの金持ちの中には、タバコを吸う女性はオシャレだ、というファッションとしての喫煙文化がまだあるようです。

シーシャ愛好家の割合も出ていたのですが、男性のシーシャ愛好家は全体の6%。

これも、想像より全然少ないです。

シーシャというのは、水タバコのことです。うちの近所のシーシャ屋さんは、こんな感じ。

DSC_0932.jpg

こんな風におじさん達が、朝夜問わず、ひたすら水タバコをふかしまくる姿は、カイロのどこにでもみられる光景です。

ここはおやじのシーシャ屋さんですが、ザマレクにはオシャレなシーシャ屋さんも結構あって、そこでは女性のシーシャ愛好家の姿もたくさん見られます。

シーシャにせよ、紙タバコにせよ、ザマレクにたくさんいる女性喫煙者というのは、エジプト全体でみるとものすごく少数派なのだ、ということが、この数字でよくわかりました。

まあタバコに限らず、ザマレクというのはいろいろな意味でカイロの中でも特別な地域なので、ザマレクの光景=エジプトの光景では全くない、というのは当たり前のことなのですが。

しかし2012年の日本の喫煙率は、男性が32.7%、女性が10.4%なので、日本人の方が喫煙率が高いってことですねぇ。

エジプトには禁煙とか分煙という概念が殆どなく、みんな好きな所ですぱすぱとやっているので、喫煙率が高いイメージを勝手に持っていたのですが、喫煙者が社会の端に追いつめられている感のある日本の方が、喫煙率が高いというのは、純粋に驚きでした。

エジプト=タバコ大国、みたいなイメージを勝手に持っていて、ごめんなさい。。。
スポンサーサイト

05

28

コメント

『アデルの人生』へのアラブの評価

先日、カンヌ映画祭のパルムドールが発表されました。

受賞作品は、『アデルの人生LA VIE D'ADELE - CHAPITRE 1 & 2』。

チュニジア系フランス人のアブデラティフ・ケシシュAbdellatif KECHICHE監督の作品で、女性同士の恋愛がテーマ。

上映時間は3時間という超大作のようです。

アデルという女の子の17歳から数年間を描いているそうで、その描き方はかな〜〜〜〜〜り濃密。

・・・だそうです。

カンヌで公開されましたが、本国フランスでも公開は今年の10月のようで。

トレーラー(予告編)がYouTubeにあったので、観てみたのですが・・・



こっ、これは!!

ここで話している内容を聞くだけでも、かなりたいした映画のようです。

一応アラブ人の監督だからか、エジプトの新聞でも大きく取り上げられているのですが、例えば今日のタハリール紙の評価は以下のような感じ。

「カンヌでアラブ人の監督がパルムドールを受賞するのは二人目であり、喜ばしいこと。ケシシュ監督は、15歳の少女の同性愛という非常にデリケートなテーマを扱っている。15歳の少女は、自分の感情を男性と女性のどちらにむけたらいいのかを悩み、もう1人の主人公である年上の女性は自分がレズビアンであることをもう10年以上受け入れて生活をしている。ヨーロッパでは、同性愛は法律で禁じられてこそいないものの、やはり保守的な層からは同性愛は受け入れられていない。監督は、同時にシナリオも書いているのだが、観客に対して同性愛への賛否を問うているわけではなく、彼は単に、レズビアンのありのままの姿を描いている。もしあなたがこの映画を最初から観ておらず、途中から突然観たならば、ポルノ映画であると思ってしまうかもしれない。つまり、そんな映画でもある。作品中では、年長の女性が年下の少女を同性愛の世界に導く様子も描かれているのだ。我々が今回のカンヌ映画祭を振り返るならば、面白い映画はわずかしかなく、この伝統ある映画祭はいったいどうしてしまったのか?と問わなければならないような映画祭であった、といったところであろうか。」

イスラムでは、同性愛は神の創造なさった秩序を乱す不法行為ですからねぇ・・・。

イスラム世界の同性愛に対する嫌悪というのは、欧米の保守層に負けず劣らずものすごく激しいもので、行為自体が見つかったら多くの国では逮捕されて刑事罰を受けます。

カンヌでこの作品がパルムドールをとったのは、アラブ人としては、嬉しいというよりは正直、恥ずかしいというか意味不明というか、そんなふうに受け止めている人が多いのではないかと思います。

このケシシュ監督という人、私は全然知らないのですが、なんだかがぜん興味がわいてきました。

『アデルの人生』もすごく観たくなったのですが・・・

エジプトではぜーーーーーーーーーーったいに上映しないということ、200%確実です(汗)。

05

28

コメント

エジプト人のヨーロッパへの密入国

多くのエジプト人の憧れの地、それは欧米です。

アラブ諸国は反米反欧思想も強いのですが、それと同時に同地への憧憬も強いのが特徴です。

憧憬にもいろいろなかたちがありますが、一部のアラブ人は欧米、特にヨーロッパに渡り住む為には密入国も辞しません。私が留学していたモロッコも、毎年千人単位の若者がヨーロッパへの密入国を試み、そして失敗することで知られていますが、エジプトにも同じような状況があります。

今日のドストール紙には、ダクハリーヤ県の若者が次々にヨーロッパへの密輸入を試みているという記事が掲載されていました。

ダクハリーヤは農業地帯で、米の産地として知られているのですが、今春に入ってから同県とマトルーフ県への上水の供給が滞り、ダクハリーヤの農地は干上がって、農民達が途方に暮れるという状況が続いています。

ダクハリーヤの農村には、もともとヨーロッパを夢見る若者が多かったそうなのですが、このところの農業不振によってその流れが加速。彼らはエジプトから直接、あるいはエジプトからリビアを経由し、そこから地中海を渡ってイタリア、ギリシア、フランスなどを目指すそうです。

こうして船で密入国を試みるエジプト人が密入国に成功する率は、およそ10%。残りは船の転覆などの事故で死ぬか、渡航に成功しても現地の警察などに拘束されるかのどちらかです。

ダクハリーヤの農村では、数年間で数百人の若者が密入国を目指した結果行方不明(つまり死亡)になっており、ミート・ナーギーという村にはそうした若者が36人いるそうです。

ヨーロッパとはいっても、かつてエジプトの若者たちは主にフランスを目指したそうですが、このところイタリアの人気が高まっているそうで、立地的にはギリシアの人気も根強いそうです。

今のギリシアなんて、不景気イメージ先行の国という感じしかしないのですが、エジプトの若者たちは「ヨーロッパ=パラダイス」という幻想を抱いているので、そんなことおかまいなしです。ヨーロッパに行きさえすれば、仕事について、ばんばんお金を稼ぐことができて、ひと財産つくって故郷に錦を飾れる、と彼らは信じています。

密入国は一種のビジネスにもなっていて、密入国を手引きするブローカーがいるのですが、例えばあるブローカーでは、ギリシアへの密入国の代金は1人につき6万ポンド(約90万円)とされており、前払いとして1万ポンド支払い、密入国成功の暁に残りの5万ポンドを支払うという契約になっているそうです。

漁船の所有者が密入国のブローカーをかねていることもあり、ある漁船所有者は4万5千ポンド(約67万円)でギリシアへの密輸入を請け負っているそうです。

エジプト人は平均月収が2000ポンド(約3万5千円)程度なので、ブローカーに支払わなければならないお金がいかに大金かは想像にかたくありません。おそらく、借金をしてこうした金をかき集めるようなパターンが多いのではないかと推察します。

彼らは多くの場合、数人の友達と一緒に密入国を試みます。皆独身の若者かと思いきや、結婚したばかりの人や、既に結婚して子どもも数人いる人なども結構いるそうで、結婚や家庭といったものは密入国をとどまらせる要因にはならないようです。

ダクハリーヤの農村には、息子や親戚を密入国の失敗で亡くしたという人がたくさんおり、記事にはそうした人の話も掲載されていました。

また、過去に密入国して、当地の警察に拘束され、エジプトに連れ戻された人も多くおり、もう懲りているのかと思いきや、彼らの多くは「またヨーロッパに渡るつもりだ」と言うらしく、これにもまたびっくり。

イスラム教徒というのは、いろいろと不思議なところがあるのですが、そのうちのひとつは、なんで彼らは地上に楽園があるという幻想を抱いているのだろうか、という点です。

イスラムにおける楽園(天国)は、現世がおわり、来世に至って初めて現れ、最後の審判において現世での行いが評価された者(もちろんムスリム限定)だけが入ることの出来る地とされているはずなのに・・・です。

そして豚や酒、姦通をハラームだハラームだとうるさく言うのに、なぜそうしたハラームに溢れたハラームの地に憧れを抱き、そこへ命をかけてまで渡ろうとするのかも、さっぱりわかりません。

原因は金でしょうか?

いや、金でしょうか?というのは愚問で、金が理由だとしか考えられないのですが・・・。

そうだとしても、拝金主義や、命をかけてまでハラームな地に渡りハラームな職につきハラームな金を稼ぐことは、基本的にイスラムに反します。

でも密入国を試みる彼らは、おそらく・・・いやほぼ間違いなく、自分は立派なムスリムだと自負していることでしょう。

やっぱりいつまでたっても不思議な宗教です、イスラムって。。。

05

26

コメント

大砂嵐のエジプトにおける知名度

エジプト人力士「大砂嵐」。

アラブ人初の力士にして、イスラム教徒初の力士でもある彼が、夏場所13日目にして、7戦全勝で幕下優勝をきめ、十両昇進を確実にしました。

日本ではかなり大きなニュースになっていますが、こちらエジプトでの反応はというと・・・

ゼロ。

全く無反応です。

幕下優勝を決めたのが5月24日だったので、25日、26日(今日)と新聞やテレビなどでチェックしていたものの、未だに記事ゼロ。ネットで検索しても、記事ゼロ。

エジプトのメディアは、まーーーーーーーーったく無関心のようです。

大砂嵐は過去に、アルジャジーラの取材を受けていたみたいです。2012年4月15日に放送された、そのときのリポートがこちら。



というか、アラビア語のテレビメディアで、彼を取材してるのはアルジャジーラのファーディー記者だけ?!・・・っぽいです。

アラブ初、ムスリム初のお相撲さんなのに、注目度低いんですね・・・。

新聞では、エジプトの政府系新聞の代表格、アハラームが2012年11月に記事を掲載しています。

ワタンも2012年11月17日に記事を載せていました。

49927_660_1633209.jpg

アハラームの記事は全然面白くありませんが、ワタンの記事は少しましです。

私は「大砂嵐」はアラビア語にするとハムシーンالخمسينだとばかり思っていた(笑)のですが、ワタンの記者はالعاصفة الرملية الكبيرةとしています。大きな、砂の、嵐。そのまんまですね。。。

記事自体がこれしかないので、エジプトにおける大砂嵐の知名度がいかほどかについては、言うまでもないでしょう。

大砂嵐の本名はアブドゥッラフマーン・アラーウッディーン・シャアラーンعبد الرحمن علاء الدين شعلانというのですが、ウィキペディアにも日本語と英語の記事しかありません。

なぜか・・・というと、やはり基本的には、エジプト(アラブ)人およびメディアにおけるスポーツに対する関心の低さに起因しているところが大きいように思います。

例外的にサッカーだけには関心が高いのですが、エジプトの場合はやれアハリーだ、やれザマーレクだ、といった国内のクラブチームの戦いにのみ関心があり、それ以外のスポーツへの関心はほぼ皆無です。

例えばオリンピックの時でさえ、メディアでの扱いはものすごーく小さく、オリンピックの盛り上がりなんて全くないのがエジプトです。普通の人の話題になんて、全然のぼりません。

以前にも書きましたが、エジプトでは金持ちしかスポーツができない、というのが現状であり、金持ちじゃなくてもできる唯一のスポーツ=サッカーに人々の人気と関心が一極集中しているのです。

エジプトには、カラム・ガーベルというレスリングのオリンピック金メダリストや、時代をさかのぼればラシュワーン(モハメド・アリ・ラシュワン)さんというロス五輪で山下選手と決勝を戦ったことで知られる柔道選手などもいるのですが、そうしたスターの誕生も、国におけるスポーツの振興や普及には全然貢献していないようです。

大砂嵐、こんなに頑張っているんだから、地元でももっと評価してもらっていいと思うのですが。。。

05

22

コメント

エジプトの飢餓率増加

国連の世界食糧計画WFPの発表によると、2009年から2011年にかけて、エジプトの飢餓率は3%上昇したそうです。

2009年から2011年にかけて、新たに飢餓状態に陥った人は、人口の15.2%。逆に、食糧不足状態から抜け出すことのできた人は、人口の7.7%。飢餓人口は増加し、2011年に飢餓状態に陥っていたエジプト人は1370万人とされています。これはエジプト人の人口の17%にあたります。

また、飢餓が原因で、心身の発育不良に苛まれている子どもの率は、2005年には23%だったのが、2011年には31%に上昇したとのこと。

「飢餓」というと、言葉としては何だか大げさで、エジプトとは無縁なような気がしてしまうかもしれませんが、飢餓というのは、人体が必要とするだけの量の安全で健康的な食料を常に入手することができない状態、とされており、そういう意味では確かにエジプトの飢餓率は高いのだと思います。

飢餓状態にある人は、単に食べられず、空腹状態であるだけでなく、ビタミンやミネラルといった栄養素の不足により、病気にかかりやすかったり、子どもの場合には発育が妨げられたりもします。

エジプトの飢餓率は、農村部よりも都市部が高いそうで、大カイロでは350万人が飢餓状態にある、とのこと。農村部は、都市部よりも貧困率は高いものの、飢餓率は都市部よりも低いそうです。農村部のほうが、新鮮な野菜などを食べる機会は確かに多そうです。

しかしこの数値。昨日記者会見で発表されたものなのですが、2年前の数値なので、最近の数値が気になります。革命後は貧困率も着実に上昇しているので、飢餓率の変化も想像に難くないのですが・・・。

エジプトの子どもたちが、お腹いっぱい、安全でおいしいご飯を食べられる日が早くやってきますように・・・。

05

21

コメント

アラブのトップ企業500byフォーブス

先日、フォーブスがアラブのトップ企業500社のリストを発表しました。

アラブ=石油で大金持ち、というイメージがありますが、いったいどの国のどの会社が一番大きな企業なのかと問われると、私もよくわからないのが現状。どういう点においてその企業の大きさをはかるかというのも問題で、フォーブスは、市場価値、売上高、利益、資産といった点から総合的に評価を下して、リストを作成しているようです。

まず1位〜10位はこんな感じ

1位 SABIC           サウジアラビアの石油会社
2位 Saudi Telecom       サウジアラビアの通信会社
3位 Etisalat          UAEの通信会社
4位 QNB            カタールの銀行
5位 Saudi Electricity     サウジアラビアの電力会社
6位 Al Rajhi Bank      サウジアラビアの銀行
7位 ooredoo Telecom      カタールの通信会社
8位 National Bank of Abu Dhabi UAEの銀行
9位 NBK クウェートの銀行
10位 Industries Qatar カタールの工業会社

このランキングをずーーーーーーっと見ていっても、上位を占めるのは圧倒的に

サウジアラビア
カタール
UAE

の三国で、カネの力で圧倒的に勝っているのがこの三国であることは一目瞭然です。

この三国が、アラブ世界の覇権を巡って対立している国々でもあり、やっぱり、カネの力がないとそもそも覇権争いとかできないよね、ということを裏付けている感じがします。

業種でいうと、やはりエネルギー系、インフラ系、銀行が圧倒的に強いんですねぇ。

一方、エジプトで最大の企業はどこかというと、1位はTelecom Egyptで、中東全体では45位!!

エジプトで2位のCIBが中東では50位、3位のNational Sociétéが70位、4位のTMG Holdingが85位と、ものすごい低迷っぷりです。

トップ100の中には、エジプトの企業はたったの4社しかありません。

そして、トップ500の中にも、エジプトの企業はたったの34社しかありません。

エジプトはアラブの大国!を自認していて、実際に人口は一番多いのですが、人口的に大国であるだけで、経済力は全くないのは火を見るより明らか。

石油も天然ガスも、自国の消費をまかなえないくらいちょっぴりしか産出せず、他に売りになる資源もなければ、たいした産業もないエジプト。

頼みの観光業も、治安悪化や政治的不安定で、不振が続く日々。

そのくせ、人ばっかりたくさんいるので、主食のパンの原料である小麦さえも輸入に頼るのが現状。

私はカネの世界にはとんと疎い、経済オンチですが、それでも単純にこういうランキングを見せつけられると、エジプトの残念っぷりにため息が出てしまいます。

エジプトは、突っ込みどころ満載の「大国」なのががいいところ(?)なのですが、産業が全体としていまいちなせいで、雇用が創出されなかったり、借金だらけだったり、深刻な問題が多発しているのが実情。

がんばってほしいんだけどなぁ・・・。

05

20

コメント

カタールの戦略:最終兵器としてのカラダーウィー

先日出版されたLe Vilain Petit Qatar: Cet ami qui nous veut du mal という書籍が、エジプトでちょっとした話題になっています。

Nicolas BeauとJacques-Marie Bourgetという、二人のフランス人ジャーナリストによって書かれたカタール王室に関する曝露本(?)なのですが、今をときめく(笑)カタールの裏事情とあって、ちょいちょい面白いことが書かれています。

私が気になったのは、カラダーウィー師についてのくだり。

カラダーウィー師についてはこちらでも書きましたが、 86歳になるエジプト人スンナ派学者で、カタールを拠点に活動しています。もともと同胞団員であるため、長らくエジプト政府に目の敵にされていましたが、革命後、エジプト的スンナ派最高学府であるアズハルに凱旋を果たしました。

Le Vilain Petit Qatarでは、カラダーウィー師はカタール王室にとって最重要人物の1人であり、また代表的なカタールの顔であるとされています。

というのもカタール王室は、「カラダーウィーを利用することで、イスラム過激派とその暴力からカタールを防衛することに成功しているから」だそうです。

著者の1人は、2006年にカラダーウィーに対して行ったインタビューにおいて、彼が、「ハマド国王は私に対し、『あなたは過激派に対する我々の守護者である』と言った」、と述べたとしています。

カタール王室は、カラダーウィーの他にも多くの「賓客」を抱えていますが、カラダーウィーの力は絶大で、例えば、ハマド国王が保守的カタール国民の多くが反対する女性参政権を認める法案を通そうと考えた時、カラダーウィーに対し、女性参政権を認める内容の説法をモスクで行ってほしいと依頼したそうです。

90年代にアルジェリア情勢が緊迫した際には、アルジェリア大統領のブーテフリカの専用機に乗ってアルジェリア入りし、アルジェリア政府とイスラム主義勢力の和解に尽力。これも、カタール王室の計らいだったとのこと。

シリア情勢に関しても、例えば2011年にシリア外相のムアレムとハマド国王がドーハで会談した際、ハマド国王は、「シリア政府がアラブ・イニシアチブを受け入れるならば、我々はアルジャジーラの編集方針を変更し、カラダーウィー師に対してもシリア内戦の停戦と和解に協力するよう要請する」と言ったそうです。

アラブの春に関しても、カタールはこれを支持する立場を取りましたが、これは決してイデオロギーや宗教の理由ゆえではなく、単にカタールが中東地域での覇権を握る為の好機だと考えたからだ、とのこと。エジプトにムスリム同胞団政権ができることを支持したのも、カタールの覇権確立に有利だとみたからのようです。

カタールとカラダーウィーとは、お互いを保護し、保護される関係にある
→カラダーウィーはもともと同胞団員
→同胞団がエジプトで政権をとれば、エジプトはカタールの臣下になったも同然

という感じ。

ハマド国王自身、次のように述べたそうです。

「カタールはカラダーウィーを保護している。だからカラダーウィーの朋友である同胞団を支持するのは、当然のこと。しかもアラブの春は、アルジャジーラのおかげで成功したも同然。今やカタールは、過去に前例のないくらい、地域覇権を手にするための好機を得たといっても過言ではない。」

いやぁ、ハマドさん、ものすごい腹黒いっぷりを露見させています。

ちなみに日本の中東専門家の中には、アルジャジーラの報道が中立とか公正とかいってあがめ奉る傾向がありますが、アルジャジーラはカタールが国家プロジェクトとして設立した、カタールの、カタールによる、カタールのためのテレビ局であって、中立でも公正でも、なんでもありません。

(っていうか、公正中立な報道なんて、厳密な意味ではどこにも存在しません。だって、どのニュースを取り上げるかにはじまり、どんな取材をして、どんな映像編集をして、どんな原稿をのせるかに至るまで、たえず人間の取捨選択が介在しているわけで、にもかかわらず「公正中立な報道」をうたっている局っていうのは、そういうもんとして視聴者を洗脳しようとしている悪質報道機関じゃないですかね。それにそもそも、「公正中立」=「善」って勘違いしている人が多くいますが、公正中立ってそれ自体、善でもなんでもないし・・・ぶつぶつ・・・)

シリア情勢に関しても、今は反体制派を完全正義とする立場で報道していますが、ハマドの意向ひとつで、こんなものはいくらでも変更されます。

実際、ハマドの思惑以上にシリア内戦が長引いて来てしまったため、アルジャジーラの編集方針がほんの少し反体制派よりから離れて来たかも?なんてふしも見られます。

エジプトは実際、ハマドの思惑通りに、今やカタールの臣下(?)もしくは奴隷(?)みたいに成り下がろうとしています。あーだこーだ言わずにエジプトにお金をぽーんと貸してくれるのは、もはやカタールしかいないですからねえ。

ハマド、恐るべし・・・。

05

19

コメント

エジプトの安全な水

エジプトでは今、市場に「毒入りミネラルウォーター」が出回っているそうです。

エジプトのミネラルウォーター市場というのはかなり広大で、私も自宅や支局でいつも箱買いしているのですが、二ヶ月ほど前からどの店にも全然売っていないという恐怖の状況になりました。

原因のひとつは、ペプシ社のアクアフィーナの水質が「基準を満たしていない」と政府に言われ、改善命令を受けて操業を停止したこと。アクアフィーナは去年も、「ボトルから発がん性物質がしみ出している」とされていたので、私は買うのを避けてきました。

もうひとつの原因は、ベンハーにあるネスレの水の工場が2月下旬に火事になって操業を停止したから。

ペプシとネスレで、エジプトのボトル入り水市場の71%を占めていたため、この二つのトラブルで急に街からボトル入り水が姿を消した、というわけです。

うちでもいつもネスレの水を買っていたのですが、ネスレが手に入らないのでコカコーラ社の水などを買ってやりすごしています。

コカコーラ社のものならまだよいのですが、店には見たことのないメーカーの水があれこれ並ぶようになり、これはどうしたことか・・・???と思っていたら、やっぱり中にはかなりやばいものもあるようです。

今日のアハラーム紙の記事によると、ボトル入り水の供給不足に乗じて、ライセンスをもっていない謎の会社がどんどん市場に参入して、妙な水をばんばん売っている、とのこと。こうした会社の中には、水道水をボトルにつめただけで売っているところや、有毒な水を売っているところもあったそうです。

保健省は井戸から取水してボトルにつめて販売していた7社に対して、水が汚染されているという理由で操業停止を命令。汚染されているというのは、たとえばデルタ地帯で井戸を掘ると、浅いところからすぐに取水できるのですが、そうした水には生活排水が混入している、とのこと。同地域には下水が配備されていない地区が多く、人々が下水をそのまま流してしまうので、こうした事態が生じるそうです。

下水混じりのボトル入り水なんて、ありえません・・・。

先日保健省は、水を買うときはこのメーカーのものを買って下さい、という一般向けの通告を行いました。

ライセンスを得て操業しており、水質検査で一応安全な水とされているのは、以下の18のメーカーのものです。

Haya, Safi, Aqua Siwa, Siwa, Aman Siwa, Nahl, Organica, Aqua Sky, Mineral, Nestle, Vera, Baraka, Alpha,Aquafina, Tiba, Aqua Delta, Dasani, Aqua Paris

灼熱地獄のエジプト。水は大切ですからねぇ。

ご参考まで。

05

16

コメント

「正しいイスラム」のススメ

エジプトは、マリにおける「正しいイスラム」の伝道の役をかってでるそうです。

昨日ブリュッセルで開催されたマリ支援国際会議において、エジプトのアムル外相は、「マリの安定化はアフリカ全体にとっての重要課題。そのためには、人道的、経済的状況の改善だけではなく、不安定化の根源にある問題(つまりイスラムの過激化)を解決する必要がある」と述べた上で、「エジプトはマリにおいて正しいイスラムの寛容な教えを広める役割をアズハルにゆだねる準備がある」と提言しました。

マリでは、北部で2012年1月にトゥアレグ族が独立を求めて蜂起したのを契機に内乱が激化。もともとは同族がアザワド(マリ北部三州)の独立を求める運動だったはずが、いつのまにか戦闘の主体がアルカイダの分派を中心とするイスラム過激派にのっとられ、彼らが攻勢を強めたため、2013年1月にはフランスが派兵する事態に至りました。

マリ北部では現在も、イスラム過激派とマリ政府軍&フランス軍との戦闘が継続中で、エジプトからもジハード戦士(・・・)が参戦しています。

私が「イスラム過激派」という名称で意図しているのは、ここでは「武装闘争によってイスラム国家の建設を成し遂げようとするムスリムたち」のことです。私個人としては、こうした考え方&実践は過激だな、と思うので、過激派としています。

ただ彼ら自身は自分たちのことを「イスラム過激派」だとは認識しておらず、むしろ自分たちこそ「正しいイスラムの実践者」であると認識しています。

ではエジプトのアムル外相の言っている「正しいイスラムの伝道」とは何かというと、彼の立ち位置はある意味私と同じで、ある意味私とは異なります。

どの点が同じかというと、マリ北部にイスラム過激派がいると認識している点であり、どの点が違うかというと、私は「正しいイスラム」っていうのは星の数ほど(?)あると認識しているのに対し、アムル外相はアズハルこそが正しいイスラムを(唯一)体現していると認識している点です。

これはアムル外相というか、一応エジプトの公式見解で、「エジプトにおける正しいイスラムの担い手=アズハル」ということになっているだけではなく、アズハルがスンナ派すなわち全イスラムを司る正統な代表であると信じられています。

ただ実際はかなり微妙な問題を多くはらんでおり、まず第一にエジプト以外のアラブ・イスラム諸国は、アズハルの権威なんてそう簡単に認めません。例えば私が留学していたモロッコでは、カラウィーイーンがイスラムの最高権威だとされており、アズハルの存在感なんて皆無です。確かに東南アジアのイスラム諸国からは、アラビア語やイスラムを学びにアズハルに留学してくる学生が多くいますが、それがすなわち、彼らの国々でイスラムの最高権威としてアズハルが認められいる、ということには全然なりません。

それにそもそもエジプト国内ですら、アズハルの権威が絶大かというとそんなこともなく、アズハルは時の権力者におもねるファトワーを乱発してきた歴史もあり、エジプト国民は「またアズハルが変なこと言ってる!!」的なとらえかたしかしていない節もみられます。

そもそもエジプト国民にとっての正しいイスラムとは、両親や周りの人々の理解するイスラムであり、モスクで説教をするイマームの説くイスラムであり、あるいはお気に入りの説教師の説くイスラムであったりするわけで、必ずしもそれがアズハルの説く公的イスラムとイコールではないわけです。

アズハルのイスラムと同胞団のイスラムもこれまた全然異なるわけで、同胞団が政権をとって以降は、アズハルをどうやって同胞団化していくかが、政権の隠れた課題であるという側面もあります。今のアズハル総長は、「自分の目の黒いうちはアズハルを同胞団化させたり絶対しない!」と先日主張していましたが、モスクのイマームが徐々に同胞団のイマームにすげかえられているのもまた事実。

マリにアズハルの人間(=エジプト人)が行って、「ほれ、これが正しいイスラムじゃ!!」なんて言ってみたところでどれだけ効果があるのか、私ははなはだ疑問ですが、このおせっかい根性こそがエジプト人の真髄・・・みたいなところもあるので、「はいはい」くらいに思って見過ごすのがよいのかもしれません。

05

15

コメント

エジプトの大統領支持率

エジプトの世論調査会社バスィーラبصيرةによると、現在のエジプトの大統領支持率は30%だそうです。

エジプトで史上初の民主的選挙(?)によって史上初のイスラム主義系(?)大統領が誕生してから10ヶ月。支持率は徐々に低下しているようです。

同調査によると、「明日大統領選挙が行われるとしたら、再びムルスィーに投票しますか?」という問いに対して、「はい」と回答した人の率も30%(支持率と同じ)。この問いに対して「はい」と回答した人の率は、彼が大統領に就任してから50日目での調査では72%もいた(これも何か妙・・・)のですが、半年で「はい」と「いいえ」の比率は逆転し、それ以降は「いいえ」と回答する人の率が増加しています。今回の調査では、「いいえ」と答えた人の率が45%。

興味深いのは、「救国戦線جبهة الانقاذを知っていますか?」という問いに対する回答で、三分の二以上の人が「知らない」と回答しています。そして「知っている」と回答した人の中でも、「救国戦線を支持しますか?」という問いに対して「支持する」と回答しているのは33%のみで、57%は「支持しない」としています。

救国戦線は一応代表的な反体制派というか、野党というか、そういう立場であると見なされているのですが、エジプト国民の多くがそもそも救国戦線を知らない(笑)というのでは、全く話になりません。

救国戦線ネタは毎日地元紙を賑わしていますが、私がしばしば書いているように、エジプト国民の多く(殆ど)は新聞を読まないので、世相を反映しているものとして新聞情報を扱うのは大間違いです。

上記の世論調査は、4月29日と30日の二日にわたり、18歳以上のエジプト国民2106人に対して行われたものだそうで、エジプトの「殆どの県」で実施されたそうです。全県ではなく「殆どの県」というところが、エジプトらしくてよいと思います(笑)。

しかしエジプトの世論調査というのは本当にあてにならなくて、例えばアハラーム研究所もよく世論調査をしているのですが、大統領選挙の前にしょっちゅう発表されていたアハラームの調査結果によると、アムル・ムーサーに対する支持率がずーーーーーーーっと一位だったにもかかわらず、選挙結果は惨敗。

というわけで、バスィーラの調査もどの程度あてになるのか全然わからないのですが、まぁ、こんなもんかーと軽く参照する上では面白い結果です。

反体制派といえば、今は「反抗تمرد」を名乗るグループが「ムルスィー大統領への支持の撤回」に同意する人々の署名を集めて回っているのですが、今朝、道ばたであった知り合いが、この署名の為の紙を持って「オレは署名するぜ」、なんて嬉しそうに見せてきました。

6月末までに1500万人分の署名を集めることを目標としているそうで、既に300万人分は集めたとのこと。今後もエジプト全土で運動を展開するそうです。

「不服従」は救国戦線と一緒に署名運動を行っているのですが、救国戦線の支持率・・・というか知名度自体がものすごく低い中、こうした運動がどれだけ健闘するかは未知数です。

無意味だとは言いたくありませんが、署名活動するなら、普通に選挙に出て堂々と戦えばよいのに・・・と思ってしまうのは私だけでしょうか???

05

14

コメント

エジプトのジハード訓練キャンプ

今日のエルマスリ・エルヨウムによると、シナイ半島北部には、ジハードのための戦闘訓練キャンプが存在しているそうです。

情報源はシナイ半島北部に住んでいる部族のメンバー。訓練をしているのはエジプト人の他、アラブ諸国やイスラム諸国からやってきた外国人たちで、目的はシリアに行ってアサド政権に対するジハードに参戦するためだそうです。

同部族筋によると、シナイ半島北部は山岳地帯であり、戦闘技術を磨くのに適していることを彼らは利用している、とのこと。

また治安筋は、同地域は軍隊や警察が立ち入ることの難しい治安の空白地帯であるため、彼らはそれを利用している、と述べています。彼らを殲滅するためには、特殊部隊が出動し、戦闘用ヘリコプターなどによる空爆を行う他に道はなく、現状ではそれは困難だ、とのこと。

同地域には、「エジプト人ではない顔」をした人たちの一団が、エジプト人の一団と共に移動しているのを目撃した人々もたくさんいるそうです。

ジハード訓練キャンプと言えば、ソ連軍のアフガニスタン侵攻時に世界中のジハード戦士がパキスタンに集結し(ビンラディンもその1人です)、そこで訓練を受けて、アフガニスタンにジハードしに行っていたことがよく知られていますが、シナイ半島もそんな感じになりつつあるのかもしれません。(全然嬉しくありませんが。)

ジハード訓練キャンプがエジプト国内にある旨は、先日もジハード団のメンバーが証言していましたし、あるとすればシナイ半島にあるのは当然納得できる話です。

エジプトは地理的に重要な位置を占める国で、例えばアフリカからヨーロッパ、湾岸諸国を目指す(密入国の)人々は多くの場合、エジプトからの入国を試みますし、それでイスラエルはシナイ経由でのアフリカ人の密入国を阻止する為にエジプトとの国境に壁を作ったりもしています。

シナイ半島とガザの間にはたくさんの秘密トンネルがあって、そこを経由して武器や食料などが密輸されているのもよく知られていますが、今でもエジプト政府はこれらのトンネルを見つけては埋める作業を地味に続けています。

こうしたトンネルを介して、ジハード戦士をガザ経由でシリアへと送り出すようなルートが、既に確立されているのかもしれません。

シナイ半島は若い頃から行ってみたい場所だったのですが、治安は年々悪化するばかりで、気楽に旅行なんかが出来るようになるのは一体いつのことになるやら、見当もつかない状況です。

05

13

コメント

エジプトの水泳教室

娘が3歳になったので、水泳教室に通わせることにしました。

先日体操教室にも入ったので、娘は毎日何かしら運動する日々。

水泳教室は4人の子どもに先生が1人ついて、週3回のレッスンで月に250ポンド(3700円程度)。

体操教室は複数の子どもに先生が複数ついて、週3回のレッスンで月に180ポンド(2700円程度)。

共に近所のゲジラ・クラブでやっています。

この水泳教室が、なかなか凄まじい!

何が凄まじいのかというと、3歳児に浮き輪等を全く装着させないまま、大人用プールでいきなり泳がせるのです。

うちの娘は水自体は全く怖がらないし、子どもプールで遊ぶのは大好きなのですが、ものすごーく深いプールに突然ぶち込まれて、超ガン泣き!!彼女は生まれたときからあまり泣かないタイプだったので、本当に、彼女がこんなにガン泣きするのを見たのは生まれて初めて!というくらいでした。

それでも、かなーーーーーりがんばって、こんな感じです。

[広告] VPS


もう1人の子は、娘より少し年上の友達なのですが、1年前に水泳を始め、開始当時はやはりかなり凄まじい泣きっぷりだった、とのこと。他には、プールから脱出して逃げ回り、先生が捕まえると先生に噛み付く子なんてのもいたそうです。

このプール。私も泳ぎに行きますが、私も全然足がつきません。180㎝くらい身長がある人でないと、足はつかないという、かなり深いプールです。だから、身長がまだ1mに満たない3歳児が、このプールを恐れるのはそりゃあ当然といえば当然で。

でもこの友達の方は、今では水泳大好きで、この深〜〜〜〜いプールに平気でじゃっぼーーーーーーん!と飛び込み、元気に泳ぎ回っています。

なのでうちの娘も、頑張って通えば、彼女みたいになるかなぁ・・・と期待半分、不安半分。

ガン泣きで始まった初回レッスンも、最後にはプールサイドから1人で水に飛び込むまでに成長していました。いやぁ、よく頑張った!

先生にもほめられ、あんなに泣いていた割には、「また次も頑張ろうね!」と言われて「うん!」なんて言ってましたし。さてどうなることか。

このクラブは、会員になるのに会費が必要で、体操や水泳などのレッスンを受ける為にはその度にまた費用を支払う仕組みになっています。

エジプトには学校に日本でいう部活みたいのもないですし、体育の授業も殆どないですし、男の子は道ばたでボールを蹴ってサッカーしていたりもしますが、女の子に至っては人生で一度も全力疾走したことない子が殆どなんじゃないかなぁという状況。

この国で何かのスポーツをやっているということは、イコールものすごくお金持ちだ、ということを意味するのですが、そこには上記のような事情があるのです。

あ、うちは外人なので、全然お金持ちじゃないのにスポーツをやらせたりしていますが・・・(汗)。

日本では3歳児に、どんな習い事をさせているのか、費用はどのくらいかかるのか、全然わからないのですが、うちはかなりのお転婆少女なので、いかに体力を消費してもらうか重要だと常々思っています。

ようは親としては、体操でも、水泳でも、何でもよいわけです・・・(笑)

05

12

コメント

エジプトのメイド事情(2):身近な話

エジプトのメイド事情(1)に続いて、(2)です。

(1)では新聞記事を紹介しましたが、メイドさんというのは私にとっても身近な存在です。

まず、以前紹介した社交クラブに行くと、そこの広大な遊び場では、外国人メイドが金持ちエジプト人の子どもと遊んでいる様子が常に見られます。

ここで一番多いのは、フィリピン人メイドです。

DSC_0372.jpg

この子たちは双子で、一人に一人のベビーシッターがついています。

このフィリピン人に聞いてみたところ、メイド&ベビーシッター紹介所のようなところがあって、そこを通して仕事をすると、一ヶ月に200〜300ドルくらいの収入にしかならないけれど、雇用者と直接契約すると、600〜700ドルくらいはもらえる、とのこと。前回の記事にもフィリピン人はアベレージで750〜800ドル稼ぐとあったので、だいたいそんなものなんだと思います。

金持ちエジプト人は英語を話して生活をする(生活をしたい!)人が多いので、子どものころから英語を・・・という意味と、エジプト人よりも気が利いてよく働くということで、フィリピン人が重宝されているようです。エジプト人は盗み癖がある、ともよく聞きますので、そうした理由からも外国人を好む傾向があるようです。ちなみに、ベビーシッターだけではなく、メイドさんもフィリピン人が人気があります。

あと、スーダンやエチオピア、エリトリア、ナイジェリアといった、近隣のアフリカ諸国出身のベビーシッターも多くいます。

DSC_0364.jpg

彼女らは、フィリピン人よりもかなり格安で雇われているようです。エジプト人のベビーシッターもいますが、お金持ちはそれほどエジ人ベビーシッターを好まないようで、社交クラブにはあまり多くはいません。

ベビーシッターに連れられて遊んでいる子どもたちの両親を見ることは、めったにありません。その間、両親は「大人の時間」をエンジョイしているようです。

子どもに「ママとパパはどこにいるの?」と聞くと、「おうちで寝てる」とか、「馬に乗ってる」とか言ったりします。社交クラブのメンバーであるエジプト人は、ものすごい金持ちしかいないので、ワーキング・マザーだからベビーシッターを雇うというわけではないみたいです。

まあ、子どもと一日中遊ぶのは本当に大変な重労働なので、専属ベビーシッターを雇うのは当然!・・・だとエジプト人金持ちは思っていますが、クラブにいる彼女らを観察していると、かなり疑問な点が多くあります。

例えば、彼女らは同じ国出身のシッター同士で集まって、おしゃべりに興じ、子どもを放置プレーしている場合が多くあります。友達がいない場合は、携帯電話でずーーーーーーーーっとしゃべり続けているシッターもよくいます。

食べ物の与え方もかなり・・・で、いやがる子どもの口に無理矢理食べ物を突っ込む様子があちこちで見られます。

ある時なんかは、子どもが「僕、具合が悪いからお家に帰りたい」と言っているのに、ガン無視しているシッターがいました。その子が私にまで「僕病気だよ・・・」と訴えてくるので、見かねてシッターにその旨伝えると、「この子、いつも病気のふりをするのよ。だから放っておいて大丈夫」と言って、友達としゃべり続けていました。その男の子、顔色を青くしてフラフラしているのに・・・です。

このシッターはエチオピア人でした。これと比べると、フィリピン人のシッターさんたちは、マメなように見受けられます。ニコニコして、優しいシッターさんも実際に多いです。

でもこれまた問題なのは、シッターさんはコロコロ変わる、という点です。

1年続けて同じ子どもを同じシッターがみている場合はかなり少なくて、数ヶ月ごとに変わるのが普通です。子どもはどう思ってるんでしょうかねぇ・・・?両親に殆ど放置され、頼るべきシッターさんは次々変わり・・・と、あまり心理的によい影響があるとは思えません。クラブでは、あれ?あのシッターさんは、前は別の子を見てたよねぇ?なんてこともよくあります。

金持ちエジ人は、旅行に行くにも、ベビーシッターを連れて行きます。

DSC_0603.jpg

これはムンタカバ(ニカーブをかぶった女性)のお母さんが、(おそらく)インドネシア人のベビーシッターをつれて空港にいるところです。本人的には「ムンタカバ=信仰深い女性」であり、信仰深いイスラム教徒女性は子どもの養育と夫の世話を懸命にやるはず・・・なのですが、この女性、子どもが「ママ!ママ!」と呼んでも殆ど無視。

これは金持ちエジプト人に限ったことではなく、湾岸諸国でも、金持ちは旅行に必ずベビーシッターを同伴します。以前ドバイに行った時にベビーシッターに連れられたカタール人の子どもと話をしたら、両親は子どもの泊まることの出来ないホテルの高層階に部屋をとっており、子ども達はベビーシッターと別室に泊まっているとのことでした。

えーーーーーーーーーっ?!

という感じですが、アラブの金持ちの中では、これが常識のようです。

アラブには、政治家や医師、大学教授など、社会的に高い地位にいるキャリア女性というのが結構いますが、彼女らは例外なくもともと金持ちで、大概の場合、子どもはいても子育てには殆どタッチしていない人たちです。

アラブ諸国や他の途上国にもキャリア女性はいますが、彼女らをみて、その国の女性の社会進出が進んでいるとみるのは大勘違いで、とんでもなく恵まれた境遇にいる女性だけがそうした道を歩めるのだ、と認識をしておくべきだと思います。

私はかなり仕事をし続けた後に、遅くになって子どもを産んだので、この子は自分の手で大事に育てたいという気持ちが強いのですが、まぁ人によって考え方はいろいろで、特に仕事を続ける女性は、いろんな点で他の人に子どもをゆだねる時間が長くならざるを得ません。

日本にいる私の友人なんかも、仕事をしている人は、普段は朝から晩まで保育園、熱を出したらそれ専門の託児所にあずけるか、もしくはベビーシッターを雇う、なんてパターンが殆どです。

日本にもそのうち、フィリピン人やインドネシア人のベビーシッターや、メイドなんかがたくさんくるようになるんでしょうねぇ。夫婦共働きで、子育ては外国人まかせが当たり前、という時代が、やってくるような気がします。

05

12

コメント

エジプトのメイド事情(1):新聞記事より

エジプトのお金持ちは、家事や子育てを自分ではしないのが基本です。

誰が家事や子育てをするのか・・・というと、メイド&ベビーシッターです。

エジプトのメイドネタは面白いので、今回はまず新聞記事を紹介、次回は私の身近なメイドネタを取り上げたいと思います。

今日のDayly News Egyptによると、エジプトにおける外国人メイドのマーケットが急速に拡大中、とのこと。毎月、数百人の新しいメイドが、エジプトに渡航してくるそうです。

これまではエジプト人メイドが雇われるのが普通だったのが、今ではメイドのうち6割はアフリカ系、3割はアジア系、エジプト人は1割にすぎないそうです。

同記事によると、5年前まで外国人メイドをおくエジプト人家庭というのはごく一部であり、その他では週に数回、エジプト人のメイドが掃除に来るくらいが普通だったのが、今では非常に多くのエジプト人家族がメイド・エージェンシーを頼りに、外国人メイドを雇っている、とのこと。

今やスゴいお金持ちだけがメイドを雇うという時代ではなく、共稼ぎ夫婦がメイドを雇うという時代になったようです。

彼らが外国人メイドを好む第一の理由は、特にワーキング・マザーたちは、エジプト人メイドよりも外国人メイドを雇う方がトラブルが少ないと信じているから、だそうです。「エジプト人メイドは、うちにある宝石類や子どもの服をどんどん盗んで行った」とか、「仕事に対して無責任すぎる」といった声が寄せられています。

外国人メイドはアフリカ移民系とアジア系に大別され、アフリカ系はナイジェリア、ガーナ、ギニアといった国から来ることが多く、彼女らは掃除とベビーシッターを同時に引き受け、新人の場合は月に400ドルほど稼ぎ、1年ほど経験を積むと、掃除専属かベビーシッター専属かを選ぶようになり、給料も増すそうです。月に26日働き、4日休日をとる、というのが平均値。

ナイジェリア人のあるメイドによると、エジプト人のエージェントがナイジェリアにきて女の子を集め、「始めの一年間は給料をエージェントに渡す」という条件で、エジプトに渡航する契約を締結。女の子はナイジェリア北部からくるイスラム教徒である場合と、南部からくるキリスト教徒である場合があり、キリスト教徒はしばしばムスリムだと偽ってエジプトでメイドをすることもあるようです。ナイジェリアのメイドはエジプトで激増中で、エージェントは彼女らを多数抱えているため、雇用主は気に入らないと次々とメイドを変えることができ、それゆえ失職するナイジェリア人メイドも多いそうです。

あるエジプト人エージェントは、毎月ナイジェリアに渡航し、その度に20人のナイジェリア人メイドをエジプトに連れてくると言っています。エージェントは、雇用主にメイドを紹介したり、両者のトラブルを仲裁する役割も果たすそうです。

アフリカ系メイドの中には、夫がアズハルの学生であるという場合もあるようです。彼女らは「夫を支える為に私が働かなくてはなりません」と、語っています。

エジプトのエージェントは、アフリカ系メイドの中でもエチオピア人を好むそうで、その理由は、「エチオピア人はナイジェリア人やギニア人より清潔だから」というもの。ただし、雇用するエジプト人家庭の中には、HIVなどの病気を持っていないかが心配で、メイドを雇う度に血液検査をさせている、という人もいるようです。

一方、エジプトで最高の外国人メイドはアフリカ系ではなくアジア系とされており、中でもインドネシア人とフィリピン人がよいとされています。インドネシア人は平均で月700ドル、フィリピン人は750から800ドルを稼ぐそうです。

一方、最近不人気のエジプト人メイドは、一軒の家庭で働くことを嫌い、毎日別の家で働くような形態を好む傾向にあるそうで、その理由は、「一軒のマダムとケンカしてもすぐに失職しないため」とのこと。彼女らは、1日70ポンドとか、一ヶ月750ポンドといった給料で働くそうです。それでもやはりトラブルが多く、エジプト人メイドたちは、家庭でメイドをするよりも、幼稚園(ナーサリー)で掃除や料理といった補助的仕事をする方にシフトすることも多いそうです。ナーサリーの仕事は900〜1200ポンド稼ぐことができ、家庭のメイドより楽で、待遇もよい、とのこと。

不人気とは言っても、エジプト人メイド自身は、「私たちの方は雇用主と同じ言葉を話し、同じ文化を共有しているから、子どもの面倒なんかはよりよく見ることができる」なんて言っているようです。

外国人メイド(アフリカ系&アジア系)は近年、需要も増えたが供給過剰気味であること、メイド仕事はトラブルが多く、エジプト人家庭がエジプト人メイドを避ける傾向にあることなどは、私は知らなかったので面白かったです。

外国人メイドは私の身近にもたくさんいるので、次回はその記事を書きたいと思います。

エジプトのメイド事情(2)へ続く

05

07

コメント

ハラームだらけな春香祭

昨日(5月6日)は、エジプトでは春香祭الشم النسيمで休日でした。

春香祭自体は、古代エジプトの収穫祭にルーツがあるとても古いお祝い行事らしいのですが、現在はコプト教徒にとっての復活祭の翌日と定められています。いつが復活祭になるかはコプトの暦次第なので、これまた毎年変わるのですが、だいたい毎年四月〜五月の日曜日(いつもの礼拝日&休日)→月曜日(復活祭)→火曜日(春香祭)と三連休になります。三連休になるのはコプトだけかと思いきや、エジプト全体が三連休で、しかも実はエジプトはもともと金曜と土曜が休日なため、三連休の前二日は休み、更に今年はその二日前の5月1日がメーデーで休み、ということで、5月1日から6日まで連休のところが殆ど。

更に更に、4月25日はシナイ半島解放記念日というエジプトの祝日であるため、ひどいところ(?)は4月25日から5月6日まで連休をとっていました。うちの娘の行っている幼稚園はこのタイプ・・・。

話はもどって春香祭ですが、この日には、エジプト人はリンガرنجةというニシンの薫製や、ファスィーフفسيخというボラの塩漬けを食べたり、ピクニックに行ったり、海に行ったり、一応イースターなのでゆで卵の殻に色を塗ってそれを食べたり等々するのが伝統となっています。

ところがサラフィーたちは、これらの伝統の諸行為を全部ハラームだ!!と言って息巻いている様子。

今日のシュルーク紙によると、ダアワ・サラフィーヤのイーハーブ・シャリーフ師は「春香祭は異教に由来するビドア(新奇)な祝祭であり、これを祝うことはイスラムに抵触する」という趣旨のファトワーを発行して、春香祭に関わるあらゆる祝い事を禁止。彼によると、「こうした行為は我々の信仰を貶める」そうです。

また、ダアワ・サラフィーヤの公式サイトである「サラフの声」صوت السلفは、ファスィーフを食べると健康被害が出るとしてこれを禁止。そもそも春香祭に特定の食べ物を食べること自体が不信仰者の行いであって、ムスリムがそれを真似て行うことは許されない、とのこと。

更にダアワ・サラフィーヤの報道官であるアブドゥルムヌイム・シャハートは、卵に色を塗るなどバカバカしい行為であり、イスラムには「宗教には易きが肝要」という原則قاعدةがあり、その原則に基づいてシャリーアの規定が緩和されることもあるけれど、卵の殻に色を塗るなどといった行為はそうした緩和の対象外である、というファトワーを発行しています。彼はまた、ファスィーフを食べることは、ハラーム(禁止)ではなく、マクルーフ(忌避)であるともしています。

一方、ミニヤー県のサラフィーの若者たちは、「春香祭は我々の祝祭ではない」という声明を発表し、同祭はファラオ時代、次にはユダヤ人、更にキリスト教徒が継承して来た異教の祭であるから、ムスリムはこれを祝わないように、と呼びかけたそうです。この声明では、今の世の中には、「愛の祭(バレンタイン)」や「母の日」といった、イスラムと無関係な祝祭が多数あるので、ムスリムはこうしたビドアから遠ざかり、子ども達にはこれらを祝わないよう教育を施すことが肝要、ともしています。

サラフィーたちは、毎年こうしたビドアな行事がやってくる度に、あれもハラーム、これもハラーム、と大変な勢いで批判するのですが、多くのエジプト人はそれを意に介している風ではありません。

異教の祭をムスリムも共に祝う姿は、中世のマグリブやアンダルスでも見られましたし、この現象自体は別に現代に限ったことではありません。中世も、今のサラフィーと同じ言葉でこうした祝祭を批判するファトワーは多く発行されましたが、やっぱりみんな、基本的には「お休み」とか「お祝い」とか「バカ騒ぎ」とか大好きですからねぇ・・・。一般小市民からささやかな楽しみを奪うって、ものすごく難しいことだと思います。エジプトで「伝統」として春香祭が定着していることが、そのひとつの証(?)と言えるでしょう。

ちなみに、「宗教には易きが肝要」という既出の「原則」ですが、これは中世におけるイスラム法の発展プロセスにおいて生まれてきた概念です。先日刊行されたORIENTという学術雑誌にこの「原則」概念についての拙稿が掲載されています。イスラムを考える上ではものすごく大切な概念なのですが、日本でこれを力説しても、全然賛同が得られません・・・(苦笑)。

サラフィーというと、コーランとハディースに拘泥しているイメージがありますが、この「原則」は彼らの大事にしている「正しきサラフたち」に由来する概念なので、現代のサラフィーたちは割に「原則」を多用します。

・・・と、話がオタクになりすぎの感があるので、本日はこのへんで。

05

06

コメント

エジプト人ジハード戦士の死

本日のタハリール紙によると、エジプト人ジハード戦士が少なくとも三人、マリで「殉教」したそうです。

同紙が入手したこの三人の写真はこちら。

DSC05074.jpg

DSC05075.jpg

シリアでの「ジハード」に参加し、またその地で「殉教」しているエジプト人というのは非常に多くいるのですが、マリのジハードにも参戦しているとは、初めて聞きました。

同紙は、「エジプトのイスラム主義者の行うジハードは新たな局面を迎えた」と記しています。

武器を手にしてイスラムの敵と戦うタイプのジハード(いわゆる小ジハード)に参加するエジプト人は、たいていジハード系サラフィー主義السلفية الجهاديةという思想傾向をもち、またそうした組織に属していたりもします。ジハード系サラフィー主義者にもいろいろタイプはありますが、おおまかに言うなれば、コーランとハディースを極端に重視し、シャリーアを適用するイスラム国家建設を目的とし、その目的実現のためにはジハードが必須と考える人たち、といった感じでしょうか。

このブログに時々登場するムルガーン師はかつて、「私は自分でジハード系サラフィー主義者を名乗ったことはないが、私は人が私をこう呼ぶのを結構気に入っている」云々と言っていたので、当人達的にもこれは決して蔑称ではないようです。

タハリール紙によると、エジプトのジハード系サラフィー主義者がマリにまでジハードに行くようになった理由は、主に以下の4つだそうです。

1)もともとジハード系サラフィー主義者は、ジハードこそがイスラム的実践の頂点にして最も偉大な行いだと信じている
2)アルカイダの指導者であるアイマン・ザワーヒリーが、「マリのジハードに参加することは全ムスリムにとっての義務だ」と呼びかけたから
3)現在アルカイダやエジプトのジハード系サラフィー主義者にとって、世界の中の主戦場はマリであり、マリにイスラム国家を建設することこそが彼らにとっての夢だから
4)彼らはマリ(特にアザワド)におけるシャリーア適用を目標にしているから

ある筋によると、この数ヶ月だけでもマリにジハードしに行ったエジプト人は数十人、かなり多数のエジプト人がすでにマリのジハードに参戦しているそうです。

そしてマリのジハードで「殉教」したエジプト人その一は、マフムード・サイーディーという25歳のギザ出身の人。ナセル・シティーにある国家治安本部に侵入した罪で2008年から2011年まで投獄され、獄中で一時期、アイマン・ザワーヒリーの弟であるムハンマド・ザワーヒリーと同じ部屋だった、とのこと。釈放後もジハードへの思いを棄てることはなく、シナイ半島でのジハードを試みたこともあるが、結局2012年半ばに複数の同胞と共にマリへ。そこで「殉教攻撃」(自爆のこと)を命じられて見事に果てた、とのこと。

「殉教」したエジプト人その二は、シャリーフ・ハッターブ。投獄されていたが、革命後に釈放。ジハード意欲は並々ならぬもので、結婚までしたのにマリへ行きそこで「殉教」。

その三は、アフマド・イシュタというファイユーム出身の若者。こちらは詳細不明なものの、やはり「神の道におけるジハード」を強く志していた、とのこと。

エジプトの刑務所では、いわゆるイスラム過激派的な人の思想を軟化させるためのいろいろな取り組みが行われているらしく、以前とりあげたナビール・ナイームさんなんかは完全に軟化したタイプなのですが、出所してなおジハード魂を失わない人もたくさんいるのだな、ということを(当たり前ですが・・・)再認識させられました。

あとやっぱりまだ、ザワーヒリーの影響力ってあるんだな、という点。

私はこの数年、特にビンラーディンが死んだ後は、ザワーヒリーがどんな声明を出しても「またかぁ〜」程度にしか考えていなかったのですが、声明ひとつで世界中を震撼させるような影響力はもはやなくなったとしても、それでジハードへと駆り立てられる若者は確かに存在している、という、その事実はやはり看過すべきものではないと思います。

05

02

コメント

エジプトのシャリーア適用支持率74%

4月30日に発表されたピュー・リサーチ・センターPew Research Centerの調査結果によると、エジプト人の74%が自国におけるシャリーア(イスラム法)の適用を支持しているそうです。

この調査は、2008年から2012年にかけて、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカといった諸地域の39カ国に居住する3万8千人のイスラム教徒に対して、対面式のインタビュー方式で行われたものです。

シャリーア適用については、最も支持者が少なかったのがアゼルバイジャンで8%、最も支持者が多かったのがアフガニスタンで99%(!!)。これを見る限り、やはりアフガニスタンはタリバンがゴリゴリのシャリーアで統治するのが最も正しいのではないか・・・と思ってしまいます。

ナイジェリアのムスリムは71%、インドネシアは74%、モロッコは83%、パキスタンは84%、パレスチナは89%、イラクは91%がシャリーア適用を支持しているので、シャリーア熱についてはエジプトはインドネシアとだいたい同じ?という感じなんでしょうか・・・(こんな風にとらえても何の意味もないですが・・・)。中東で、シャリーアなんて適用しなくていいよ、と考えているのはレバノン人くらいで、こちらのシャリーア適用支持率は29%。世俗派イメージの強いチュニジアですら、シャリーア適用支持率56%です。

同調査には非常に興味深い質問が数多くあるのですが、今回はその中でも、シャリーア関係を中心にみていきたいと思います。

まず、「シャリーアは神によって啓示された言葉そのものだと思いますか?」との問いに対し、「はい」と答えた人の率はパキスタンとヨルダンで81%、エジプトとパレスチナで75%、アフガニスタンで73%、モロッコで66%となっています。

え・・・?!

もう、これにはびっくりの一言です。

シャリーアは確かに「神の法」です。でも「神の言葉そのもの」なのは『コーラン』だけであって、シャリーアはあくまでも神の啓示を人間が解釈した産物であるはず・・・。っていうか、そもそもシャリーアって「これっ」て目に見える形で存在してないしっ!!

でも多くのムスリムにとって、「シャリーア」=『コーラン(アル・クルアーン)』なんでしょうね、この結果をみると。現代ムスリムは近代以前と比較して、『コーラン』とハディース偏重傾向があると認識していたのですが、ハディースとかどこへいっちゃったんですかねぇ?・・・はぁ、ショック。

続いて、「シャリーアの解釈はひとつだけだと思いますか、それとも多様な解釈があると思いますか?」との問いに対して、「ひとつだけ」と答えた人の率は、タジキスタンで70%、アフガニスタンで67%、パレスチナでは51%、モロッコでは22%となっています。

こちらはそんなに高くないんですねぇ。つまりムスリムの多くは、「シャリーアは神の啓示、でもそれを解釈するのは人間だから解釈に多様性はつきもの」と思っているということのようです。

「シャリーアは全ての国民に適用されるべきですか、それともムスリムだけですか?」との質問に対しては、なんとエジプト人の74%が「全ての国民に適用すべき」と回答。この割合は、どの国よりも多いです。ということは、エジプトに住んでいるエジプト人の多くが、「エジプトにはコプトってのがいるが、コプトにもシャリーア適用すべき」という考えを持っているということです。

ちなみに、シャリーアでもキリスト教やユダヤ教の人は、私法に関しては基本的に自分たちの宗教法に則ってよし、とされていますが、ムスリムの絡む問題はもちろんシャリーアでさばかれることになっていますし、ムスリム統治下におとなしく暮らしていることが前提とされます。実態はともかく、これはあの、日本のイスラム研究者たちが大好きな「イスラムの寛容」的な、アレですね。

「シャリーアの法定刑が窃盗などの罪に対して適用されるべきだと思いますか?」という問いに対しては、パキスタン人の88%、アフガニスタン人の81%、パレスチナ人の76%、エジプト人の70%が「はい」と回答。法定刑というのはいわゆるハッドのことで、窃盗に対しては手首の切断、姦通に対しては未婚者なら鞭うち、既婚者なら石打ち云々という、アレのことです。

「姦通者に対して石打ち刑を適用すべきだと思いますか?」という問いに対しては、パキスタン人の89%、アフガニスタン人の85%、パレスチナ人の84%、エジプト人の81%が「はい」と回答しています。中東ではトルコが26%とすごく低くなっています。これはロシアや中央アジア諸国と同じくらいの割合。つまりトルコでは、姦通は絶対にしちゃいけない、というイスラム的道徳観は、既にロシア・中央アジアのムスリム程度には崩壊しているということでしょうか。

ちなみに、イスラム法でいう姦通というのは、日本における姦通というのと全く別概念で、婚外交渉(結婚していない二人が性的交渉を行うこと)の全てを姦通とみなします。かつては、「女奴隷とその主人」の性交渉はオッケーという規定があったのですが、今の世の中にその関係はおそらくない・・・(汗)と思われますので。

この後さらに、私個人としてはかなりショッキングな質問&回答がありまして、それは「棄教(背教)者は死刑に処するべきですか」という質問で、これに対してエジプト人の86%が「はい」と答えています。これに続くのが、ヨルダンの82%、アフガニスタンの79%、パキスタンの76%です。信教の自由とかいうものは、やっぱりイスラム圏においては全く受け入れがたい種の自由のようです。というより、基本的にイスラム教徒は無条件的な自由なんてものはそもそもなくて、神の法ありきの自由という考え方を持っているので、その中に神の正しい宗教から脱却するなんて不届きな行いを認める自由なんてものはない、と考えるのが普通ですが。

・・・と思いきや、「信教の自由を支持しますか」という質問もあって、それには77%のエジプト人が「支持する」と回答してるし・・・?!矛盾してるじゃん?!つまり、信教の自由という言葉で意味するものが、違うってことですね、私とエジプト人とでは。私にとっての信教の自由には棄教の自由も含まれますが、彼らにとってのそれはおそらく「違う宗教に属している人がその宗教を信仰し続ける自由」だけを意味し、「イスラムって他人に宗教を強制しないの(←『コーラン』にそう書いてある)。ほら、寛容でしょ」っていうことにしたいだけなんだと思われます。

「国の現行法とシャリーアはどの程度近いと思いますか?」との問いに対しては、レバノン人の79%、パレスチナ人の59%、エジプト人の56%が「殆どあるいは全く近くない」と答えています。これに対して、「全く近くない」と答えた人の割合はモロッコでは26%、アフガニスタンでは11%とかなり低く、両国では現行法とシャリーアがかなり近いものだという認識を国民が持っているようだということがわかります。

また「法がシャリーアに従っていないことは悪いことだと思いますか?」との問いに対しては、パキスタン人の91%、アフガニスタン人の84%、パレスチナ人の83%、モロッコ人の76%、エジプト人の67%が「悪い」と回答しています。

こういろいろ見ていくと、世界のイスラム・ゴリゴリ国家ナンバーワンは、やっぱりアフガニスタンもしくはパキスタンで、アラブではエジプト、パレスチナ、ヨルダンあたりがかなりゴリゴリなんだな、という印象です。

シャリーアのネタ以外は、またいずれとりあげたいと思います。

プロフィール

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
海外情報
253位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
中東
7位
アクセスランキングを見る>>

ブログランキング

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

Designed by

Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。