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エジプトの今後に関する世論調査

エジプトの今後に関する世論調査結果が、今日のワタン紙に掲載されています。

エジプト科学技術大学が行った調査で、まあいつものように、どの程度あてになるかはアレなのですが・・・、少しは参考になるかもしれないと思って、ここに記しておきます。

次の大統領選挙、議会選挙の際、「投票に行く」と答えた人が67%、「ボイコットする」と答えた人は14%。

ボイコットすると答えた人のうち66%が挙げた理由は、「選挙の透明性が信用できない」、33%が「政治への無関心」、27%が「適切な候補者の不在」。

次の選挙を監視する現政府の正当性については、57%が支持、41%が不支持。

選挙の国際監視については、60%が賛成、37%が反対。

選挙の結果として望むものについては、57%が国が安定と落ち着きを取り戻すことと回答。

次の議会メンバーはどのような構成が望ましいかについては、54%が独立系候補者が多数を占める議会と回答、18%がリベラル系の多数、10%がイスラム系の多数が望ましいと回答。

国家の舵取りにおいて最も重要な役割を果たすべきは誰かについては、多数派が「大統領個人」と回答、その次に「軍」が続く。

大統領に求める素養については、65%が「責任を持つこと」と回答。

大統領にふさわしい年代については、多数派が「50代」と回答。

国民の条件を最も満たす候補者については、67%が「シシ元帥」、9%が「サッバーヒー」、5%が「モルシ」、3%が「ハーリド・アリー」、2%が「アムル・ムーサー」、2%が「アブールフトゥーフ」と回答。

シシ元帥を大統領として支持する人の割合は、年代別に、60代で76%、30〜40代で72%、40〜50代で70%、20歳未満で66%、50〜60代で65%、30〜40代で56%。

シシ元帥を大統領として支持する人の割合は、職業別にみると、民間労働者で86%、公務員で71%、無職者で67%、自由業で63%、学生で59%、農民で17%。

シシ元帥支持者が多い県は、一位から順に、ガルビーヤ(93%)、ポートサイード(84%)、ダクハリーヤ(79%)、ギザ(79%)、スハーグ(73%)、スエズ(69%)、ベニスウィーフ(67%)、マトルーフ(64%)、カイロ(63%)。

シシ元帥支持者が少ない県は、一位から順に、北シナイ(36%)、アレクサンドリア(41%)、アスユート(46%)、シャルキーヤ(56%)、カリユービーヤ(57%)、マヌーフィーヤ(57%)、ファイユーム(61%)。

これらからわかるのは、

▼ 次の大統領になるのは、シシ元帥以外にはありえない
▼ 農民と、北シナイの住民は、シシ元帥が嫌い
▼ モルシ支持者はまだ5%程度はいる


ということくらいでしょうか。

大統領選挙は、3月末とも4月初頭とも言われています。

結論は出ていますが、私としては早く強い大統領が誕生し、エジプトを安定させてほしい!・・・と、大概のエジプト人と同じ希望を持っています。
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シシ元帥誕生

昨日の昼間、マンスール暫定大統領が、軍の最高司令官であるシシ将軍に元帥の称号を与える、という大統領令を発布しました。

私はその速報が入った時、めずらしく外で他のご婦人方と会食なんぞしていたのですが、「シシ元帥来た〜っ!!」と、ひとりで密かに盛り上がっていました。

ここまできたら、この先はもう見え見えです。

予想通り、昨日中に軍最高評議会の会議が開催され、シシ将軍改め元帥を大統領候補者として推挙する、という声明が発表されました。



1月25日革命と6月30日革命の共通の目標である国の安全と安定を実現させるため、そして偉大なるエジプト国民に広まっている大きな期待にこたえるため、だそうです。

近く、シシ元帥本人から自身の意向が発表され、彼は元帥の座と軍隊を退いて、大統領選挙の候補者となり、選挙を経て、大統領に選ばれることでしょう。

遅くとも4月の半ばには、シシ大統領が誕生していると予想されます。

軍のトップが横滑りで大統領になるということに対し、世の中の人々がどういった印象を抱くかはともあれ、エジプトに暮らす一外国人である私としては、もう他に選択の余地のない人選だとしか言いようがありません。

ABM(アンサール・バイトゥルマクディス)は昨日また、あらたなビデオを発表し、その中で攻撃を継続すると誓っています。

先ほども、エジプト内務省高官が、自宅を出たところで銃殺される、という事件が起こりました。

今のエジプトに必要なのは、一にも二にも、治安の回復です。

そして、その今のエジプトが求めているのが、軍を自在に操り、敵を殲滅し、国民を守ることのできる強いリーダーなのです。

これだけ危ないエジプトですが、それでもまだ私のような外国人が住んでいられるのは、軍のおかげに他なりません。

民主主義やら、文民統治の原則やら、政策やら、思想やら、そういったものは、軍に守られて生活しているという実感に比すると、もう紙っぺらのように軽い概念に過ぎないのです。

予想通りのところから、予想通りの批判がなされるのでしょうが、それでも私はシシ大統領歓迎派です。

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テロ厳重警戒中

エジプトでは、三日前から自爆テロや仕掛け爆弾によるテロなどが多発し、多くの死傷者が出ています。

以前の記事に書いたように、同胞団は6カ所でテロ事件をおこす計画を立てているとされていたので、予想はしていたのですが、実際に24日と25日の二日間に発生したテロが6件で、しかもカイロ周辺に集中していたのがショックでした。

6件やるって計画して、6件実行するって、テロリストも結構忙しいよね・・・なんて冗談をスタッフとかわしたのですが、冷静に考えると、非常に危険きわまりない事態です。

犯行声明を出しているABM(アンサール・バイトゥルマクディス)は、今や同胞団そのもの、とみなされているテロ集団ですが、これまでは警察や軍に関わる施設、警官や軍人を専ら標的として来ましたが、今回はその限りではありません。

治安機関はもとより、地下鉄や映画館といった一般の人々の集う場所をテロの標的とし始めたのは、彼らがもう、なりふり構っていられない状況にまで追いつめられていることの証のようにも思えます。

この三日間に会った知人の多くが、「爆弾の爆発で目が覚めた」、「一日中銃撃の音が聞こえた」といった話をしてくれ、あぁ、もうカイロに安全な場所は全くないな・・・と実感。

私の自宅の前にある道も、警察によって封鎖され、治安当局が過去に例のないほどテロを警戒していることが、身にしみて感じられます。

IMG_0879.jpg

この写真を撮っている付近に警察署があるため、この道に車が入れないように、封鎖してしまっているのです。

カイロ近辺の警察署前は、全てこうした措置がとられているのですが、これは警察署が自爆テロの標的となるのを防ぐのが目的です。

・・・って、うちってテロ厳重警戒地域なんだ(汗)。

車が通らないので、歩きやすくてよいのですが、路駐している車が全て、自動車爆弾に見えてしまい、「私が通る時には爆発しないでね・・・」なんて、ギャンブル気分で歩かなければならないのが、なんとも言えないです。

また、今日ゲジラ・クラブに泳ぎにいったところ、いつもは顔パスの入口で、顔なじみのセキュリティーのおじさんに、「悪いんだけど、会員カードとバッグの中、チェックさせてね・・・」と言われました。

ああ・・・ついにゲジラにも、テロの危険性が・・・(悲)。

この体制がいつまで継続されるのか不明ですが、警戒体制が解かれた瞬間、またテロが多発されても困りますし、警戒体制をとっているのに今朝もまたスエズでテロが発生していますし、何だかもう・・・という感じです。

テロの魔の手が、本当に自分の身の近くにまで迫っている実感があります。

普通だったら、警察署が近所にあるって安心材料だと思うのですが、エジプトの場合は真逆です・・・。

どうか、うちの近所の警察署に、自爆テロ犯が突っ込みませんように・・・。

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シリア和平会議と報道の中立性

シリア和平会議(ジュネーブ2)が今日、スイスで始まりました。

うちのクルーが今、シリア入りしていることもあり、私はこのところずっと、シリア国営放送とアラビーヤ(MBC傘下のアラビア語衛星ニュースチャンネル)を見続けています。

今日の会議の様子は、両方の放送局で、冒頭から中継で流し続けています。

基本的には代表カメラの映像をスルーで流しているだけなので、全く同じ映像なのですが、非常に興味深い違いがところどころに現れます。

まず第一に、シリア国営放送の画面は時々、二分割されます。

IMG_0870.jpg

これはナビール・エルアラビーというアラブ連盟議長がしゃべっている場面ですが、下の画面の向かって左側は「シリアにおけるテロリスト達の犯罪行為」と題され、様々な残虐シーンが映し出されます。

シリアの反体制派代表やトルコの代表、サウジの代表といった、シリア政府にとっての「敵」が話している時、概してこの「テロリスト達の犯罪行為」が一緒に映されます。

もうひとつの違いは、下に出されるテロップに書かれる内容です。

例えば、シリア政府代表のムアリム外相が話す番の時、シリア国営放送がかなり細かく内容をテロップにして出していたのに対し、アラビーヤの方は内容はほぼ無視。

ムアリム外相は「サウジからやってきたテロリストたちが、どうやってシリア国民の願望を実現させることができるというのだ?!」と言ったりしていたので、サウジ資本のアラビーヤがそんな言葉をテロップで明示化するわけないんですけどね・・・(笑)。

そしてムアリム外相が制限時間を超えてもしゃべり続けていたため、後半はずっと、「ムアリムは制限時間を超えているのにしゃべり続けている」というテロップを出しっ放し・・・。

逆に、「シリア政府はジュネーブ1合意を遵守すべき」的発言がなされている時には、その内容はアラビーアではテロップ化され、シリア国営放送は完全無視。

更に笑ったのは、日本の岸田外相が話し始めたところ、アラビーヤが急に記者やキャスターを出して話しをさせ、岸田の音を完全に無視したことです。

IMG_0874.jpg

岸田の次にサウジの代表がしゃべるから、という理由なんですが・・・(笑)。

いや〜面白いです。

日本には、報道とは公平中立になされるべきだとか、公平中立になされているはずだ、と考えている人が多くいるようですが、私は全くそうは思っていません。

そもそも何をいつ、どう放送するかを決定する段階で、そこには大勢の人の恣意が働いています。

上の写真を見ても、それは明らかです。

それにそもそも、公平中立がよいことである、というのは、ひとつのイデオロギーであって、決して真実ではありません。

・・・少なくとも、私はそう信じています。

それはさておき。

暫定的でも、場所限定、期間限定でもかまわないから、何らかのかたちで停戦が成立することを願ってやみません。

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エジプトはYesと言った

昨日、憲法案に対する国民投票の結果が正式発表され、賛成98.1%で承認されました。

これをうけての今朝のアハラーム紙の一面が、こちら。

IMG_0855.jpg

見出しは、「エジプトはYesと言った」です。

投票率が38.6%で、意外に低かったなぁと思ったのですが、同胞団時代の憲法案の際の国民投票は32%だったので、それよりは高かったようです。

Yesに投票した人が1998万5389人いて、圧倒的多数で承認されているので、確かに「エジプトはYesと言った」と言ってもよさそうです。

Noに投票した人は38万1341人しかいませんでした。

そもそも、投票率が何%未満の場合は結果無効、といった類の規定がないので、案に反対の人はボイコットするのではなくNoに投票すればいいのに・・・と思うのですが、同胞団員らはこの政治プロセスに参加すること自体を否定してボイコットすることにしてしまったので、結果は予想通りです。

これでいよいよ、大統領選挙。

シシ将軍出馬→当選で、ほぼ間違いないと私は思っていますが、これまでの様々なシシ将軍グッズに加え、最近はシシ・マスク(?)、シシ面(?)も流行ってきているようです。

IMG_0856.jpg

これで政治プロセスは一歩前進したことになりますが、まだまだシナイ半島でのテロとの戦いは継続中ですし、同胞団の暴動問題も解決されていません。

次の土曜日は1月25日で、ムバラク政権を打倒した2011年の1月25日革命の三周年記念日です。

同胞団の国際組織はこの日、トルコとカタール、イギリスの諜報機関、およびハマス、ABM(私的なアンサール・バイトゥルマクディスの略称)らと共謀して「1月25日生き残り戦争」を勃発させ、エジプトを血で染める計画を立てている(!)そうです。

・・・と、今朝のワタン紙に治安筋の情報として書かれていました。

まず全国6カ所でテロ事件を発生させ、大規模デモを行い、8月に軍によって強制排除されたラービア・エルアダウィーヤを占拠し、再びそこを座り込みの場とする計画だそうで。

危険なタスクを実行するのは、ハマスとABMの役割。

また国際同胞団は、シシ将軍が大統領選に出馬するのはいけないことだという国際世論を作り出そうとしている、ともされています。

アメリカのシアトルで開かれた同胞団の国際会合では、「今エジプトで起こっている問題は、同胞団と軍の対立という構図なわけではない。全エジプト国民と、前大統領を人質にとっている軍との対立なのだ。」云々と言われていたそうです。

・・・また、大規模流血騒動ですかねえ?土曜日は。

はぁ・・・みんな、ほんとに、もっと命を大事にしてほしいです・・・。

この話を支局でしていたら、軍に反対の立場をとる某氏が、「軍は1月25日革命記念日に、同胞団員のデモに対して、催涙ガスではなく、あびると失明する特殊なガスを使うらしい」とか言いだしました。

ほんと、みんな、やめてほしいんですけど・・・。

三島由紀夫が、命をかけることの出来る大義のあった時代の人々が羨ましい云々と言っていたことがありましたが、私はどうしても、そういう風には思えません・・・。

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投票所内で結婚式?!

私は物騒なネタで記事を書くことが多いので、エジプト人というのはさぞかし恐ろしい人々だろう・・・と思われているかもしれませんが、そんなことはありません。

それどころか、エジプト人というのは、かなり面白い人たちです。

今回の国民投票においても、エジプト人の面白さは、いたるところで、遺憾なく発揮されていた(?)ように思います。

まず、こんな格好で投票所に現れた御仁がいらっしゃいました。

حفيد عرابي

白馬にまたがり、剣を掲げて登場!・・・です。

日本だったら、道路交通法違反&銃刀法違反で即逮捕・・・なところでしょうが、ここはエジプト。

後ろに写っている人たちも、みんな笑顔です。

この誇り高そうな御仁、エジプトの英雄、かのアフマド・イブラヒームの孫だそうで。

すごいな、イブラヒーム魂!

そしてこちらは、投票所にて結婚式を挙行したお二人。



二人で「国民投票の日に、投票所で結婚式をしよう!」と決め、二人も、そして結婚の際に必要となる証人たちも、皆同じ投票所で投票したそうです。

もちろん全員、投じたのは賛成票。

私個人は、日本において、選挙の投票所で投票日に結婚式をしたカップルというのを聞いたことがないのですが・・・(汗)。

いやあ〜、おおらかでいいですよねぇ〜、エジプト(笑)。

何でもあり、です。

こちらは、投票所から踊りながら出てくる女性と、それをザグルータで出迎える女性たち。



ザグルータというのは、アラブの女性たちが、おめでたい時などに場を盛り上げる為に行う口笛のようなもので、右手を口元にあて、「ひゃらひゃらひゃら〜〜〜〜〜〜〜」っという感じでやる、アレです。

ダンスにザグルータって・・・今回の国民投票、どんだけおめでたいモノなんだ?!という感じですが、逆に、体が踊りだし、ザグルータしちゃうほど、嬉しい気持ちの人がいたんだなぁ〜ということがわかります。

投票所からダンスしながら出てくる日本人も、私は見たことがありません(笑)。

男性陣も、負けじと腰振りダンスを披露(笑)しています。



エジプト軍も、軍の楽隊を出して、ご機嫌にパレードしていました。



投票の二日間では各地で同胞団員と治安部隊や住民が衝突し、死者も11人でており、特にギザ県のナヒヤ地区では大きな衝突も発生したのですが・・・



既出のように、国民全体が概ねお祭りムードで、これから新しい国づくりが始まるんだ!という明るさのほうを、強く感じます。

楽観主義で、前向きなのも、エジプト人の長所?特徴?です(笑)。

肝心の投票結果ですが、まだ最終結果は出ていないものの、予想されていたように、98%前後の圧倒的多数で賛成が反対を上回っています。

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新憲法は「軍の権限を強化」?!

昨日から二日にわたって行われている、新憲法草案に対する国民投票ですが、昨日は当局の想像を上回る投票者がやってきたため、投票までかなりの待ち時間があったり、新たな投票所を増設して対応するなど、相変わらずのてんやわんやでした。

朝一で仕掛け爆弾が爆発するというしょうもない出だしではありましたが、治安当局も、仕掛け爆弾を多く発見して撤去したり、武器を所持した同胞団員を逮捕したり、投票所を封鎖しようと大挙してやってきた同胞団員を押さえ込むなど、獅子奮迅の活躍(?)を見せ、大きな人的被害は出ないまま、投票プロセスは進んでいます。

同胞団員を中心に11人亡くなっていますが・・・。

ところで、日本のメディアは、みな横並びで今回の憲法は「軍の権限を強化」するものだと書いているのですが、あれ?そうだったっけ・・・?と不思議に思って、もう一度憲法の原文を見直してみました。

原文はこちら

誰でも読むことができ、かつ、「いいね」とか、「よくないね」とかに票を入れたり、コメントを書き込むこともできるようになっています。

軍に関する規定はこちら

201条は「防衛大臣は軍人である軍総司令官である」、というもの。

あれ?今までもずっとそうでしたよね・・・?

つまり大統領が軍の意向を無視して勝手に好きな人を防衛大臣に任命することはできないわけで、また文民支配の原則なんてものははなから全くないわけですが、これがエジプトのスタンダードかと・・・。

203条には「軍の予算は、軍の予算委員会で決定する」、とありますが、これも以前の憲法と同じ。

国の通常予算は、議会で審議され、承認されなければならないのですが、軍の予算だけはその例外とする、というのもエジプト・スタンダードです。

そして最も議論になっていたのが、軍事法廷に関する204条。

4月6日運動といった民主活動家らが激しく批判していた項目で、ここには、「軍事法廷で裁かれるのは基本的には軍人のみであり、民間人は裁かれない。ただし、是是然々の民間人は、その例外とする(つまり、軍事法廷で裁かれる)」と規定されています。

民間人は、どんなことをすると軍事法廷送りになるかというと、

・軍の施設を直接的に攻撃する犯罪
・軍の基地を直接的に攻撃する犯罪
・軍の指揮下にあるものを直接的に攻撃する犯罪
・軍の敷地内にあるものを直接的に攻撃する犯罪
・軍の敷地の境界線にあるものを直接的に攻撃する犯罪
・軍の設備、車両、武器、弾薬、文書、軍事機密、軍の財物一般、軍需工場に対する犯罪
・軍人の採用に関わる犯罪
・軍人および軍の職務にあたろうとする者を攻撃する犯罪

を犯した場合である、と、しっかりはっきり、明記されています。

民主活動家らはこれを「反民主的だ!!」として大批判を展開していたのですが、ひるがえって2012年憲法はどうだったかというと、

「軍事法廷で民間人が裁かれるのは、その民間人が軍を害する犯罪に及んだ場合である」

とやんわり(?)規定されているわけでして。

やんわり規定ならOKだけど、きっちり規定はダメってことなんですかねえ?

軍事法廷の存在というのは、三権分立の外にあるわけで、これもエジプトの伝統というか、スタンダードです。

トップの決定も、予算の決定も、軍事裁判の実行も軍に権限を与えるという意味では、確かに今回の憲法は軍の権限を保証するものではありますが、基本的に今までと何も変わらないじゃん、というのが私の感想です。

以前にも書きましたが、エジプト軍というのはとてつもない特権を有した巨大組織です。

この特権は、これまでの憲法でも、そして今度の憲法でも保証され続けることになるわけで、これが根本的にはエジプト経済の活性化を妨害する要因になっていると言えないこともないのですが・・・

ある程度の特権でもないと、毎日命をはってテロリストと戦うなんてできないよね・・・と思ってしまうのもまた事実。

それくらい今のエジプトの治安は悪く、毎日テロ事件が発生し、毎日多数のテロリストが逮捕され、軍や警察に複数の犠牲が出ているのです。

絵に描いた餅のような民主主義云々ではなく、治安が回復し、経済も社会も安定して、軍がこんな特権を持っているのはおかしいよね、という国民的議論ができるまでに、エジプトが国として成熟することを願ってやみません。

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国民投票とエジプト政治の今後

今日は、エジプトの新しい憲法草案に対する国民投票の初日。

先ほど9時から、投票が開始され、各地の投票所はにぎわいをみせています。

投票は今日、明日と二日間に渡って行われ、軍は20万人の軍人を動員して厳戒態勢で臨むとしているのですが、早くも今朝7時にギザの裁判所前で爆弾が爆発・・・。

先が思いやられます・・・。

さて、憲法草案に賛成しよう!という身も蓋もない宣伝が全国津々浦々で行われるようになってから、一ヶ月ほど。

IMG_0824.jpg

اجابات مصرが事前に行った世論調査では、次のような結果が出ています(昨日のワタン紙に掲載されています)。

・あなたは憲法に対する国民投票に参加しますか? はい→74% いいえ→12%

・あなたは憲法案に賛成しますか? はい→79% いいえ→19%
※ 投票に行く、と答えた人の97%が、賛成票を投じるとしている

・大統領選と議会選のどちらを先にすべきだと考えますか? 大統領選→53% 議会選→27%

・あなたが信頼する国の機関はどこですか? 軍→78% アズハルもしくは教会→60% 警察→55% 政府→27%

・あなたが信頼する人物は誰ですか? シシ将軍→75% サッバーヒー→9% アブールフトゥーフ→8% エルバラダイ→4%

・あなたは同胞団を信頼していますか? 信頼している→7% 信頼していない→76%

・同胞団が政治参加を続けることに賛成ですか? はい→8% いいえ→76%


この結果に立脚すると、だいたい以下のことがわかります。

▼今回の国民投票は、賛成が圧倒的多数を占める

▼国民の多数は軍を最も信頼し、シシ将軍に大統領になってほしいと思っている

▼軍を信頼し、シシ将軍を大統領に希望する人は、同胞団を嫌い、同胞団を政治から追放したがっている

今後の政治プロセスはまだはっきりしていないのですが、憲法が成立し、多くの国民が大統領にシシ将軍を望んでいることがある程度はっきりすれば、現政府は早めに大統領選挙を実施するという決定を下すのではないかと思います。

シシ将軍自身、年始の演説で、国民が望み軍が承認するならば大統領選に出馬する、と言ってしまっているので、もうだいたい先の見通しはたってきました。

軍主導の強権国家再来、でしょう。

それがいいとか悪いとかいう問題ではなく、今のエジプトにそれ以外の選択肢があるようには思えません。

あとの問題は、とにかく今日も既に発生してしまっているテロをどう封じ込め、テロ・フリー国家(・・・)を築き上げていくか、そして昨年末のテロ組織指定以降、自暴自棄になって行動を一層過激化させている同胞団員をどうしていくか、です。

同胞団員は12月25日以降、毎日のように暴動を起こし、毎日のように数名の死者と数十人から数百名の逮捕者を出しているのですが、もう彼らを収容しきる余力が警察にはないのではないか、とか、彼らが裁判後、数年の実刑判決を下されたとして、彼らが次々と釈放された後、また恐ろしいテロだらけの時代が再来するのではないかとか、懸念はいくらでもあります。

「革命だ!」「民主主義だ!」と声を上げる人々は今でもいますし、これからも出てくるでしょうが、まずは治安を回復させ、秩序を取り戻すことが先決だ、というのが、エジプト国民の多くの声であるように思います。

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エジプト観光の今(2):オールドカイロ編

年末年始で日本から客人が来ていたのですが、彼らがピラミッド、考古学博物館の次に行きたがったのが、オールドカイロでした。

オールドカイロというのは、10世紀にカイロの中心部が今のアズハル・モスク周辺に移されるまで、街の中心部だったところで、その意味で一般に「オールドカイロ」と呼ばれています。

オールドカイロには、コプト教の教会が集中する一角があり、そこは観光客にも開放されています。

カイロを訪れる私の客人らは、イスラミックカイロよりは、なぜかオールドカイロに行きたがる人が多いのですが、ここは「どイスラム国家」であるエジプトであることを忘れさせるような雰囲気があり、外国人に人気があるのもわかる気がします。

マタイによる福音書には、ヘロデ王の暗殺の手を逃れて聖家族(イエスとマリアとヨセフ)がエジプトに逃避した話が記されており、かつてはその旅路をたどるツアーが催行されたりもしていたのですが・・・

やはりこちらも、現状、外国人観光客はほぼ皆無。

そして残念なことに、目玉の聖ジョージ教会は長らく修復中・・・。

DSCN5404.jpg

一年前に客人を連れて来た時も、8ヶ月前に客人を連れて来た時も修復していたのですが、おじさんいわく、「あと二週間で完成するぜ!」とのこと。

こんな状況ですが、一部だけ見学できます。

聖ジョージは竜を退治したことで知られるローマ末期の聖人で、エジプトではマルギルギスと呼ばれています。

ジョージとギルギスでは全く違うように聞こえるかもしれませんが、もとをただせば「ゲオルギオス」ですし、エジプト人はJをGと発音するので、同じ聖人をさしています。

内部にはこんな感じで・・・

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紙幣やら・・・

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コインやらがお供え(?)されており、願掛け慣行がコプト教会でも健在であることがうかがわれます。

(イスラムの聖者のお墓でも、同じような現象がみられます。)

この教会は、ローマ時代のバビロン要塞の塔を利用してつくられており、引いてみるとこんな感じです。

DSCN5406.jpg

隣には、最も美しいコプト教会とされるムアッラカ教会があります。

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ムアッラカ、というのは、「ぶらさげられた」という意味なのですが、この写真のように、なんとなくぶらさがってる感がありますよね。

真ん中につるされているのは、今のコプト正教アレクサンドリア教皇であるタワドロス2世の写真です。

階段をのぼって中に入ると、こんな雰囲気。

DSCN5432.jpg

教会内のあちこちにキスをして回るコプト教徒の姿が見られます。

コプトのクリスマス(1月7日)が近いこともあり、クリスマス・クリブも飾られていました。

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色彩がなんとなく、中東風です。

売店には前の教皇のバーバ・シャヌーダの亡くなった時の写真が多く売られていて・・・

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いまだ、彼の人気が高いことをうかがわせます。

ムアッラカ教会の反対側には、コプト博物館があり、エジプト各地で発見されたコプト修道院の遺跡やレリーフ、古いコプト織などが見られます。

また階段下ったところには、更に複数の教会があり、聖家族が休息をとったまさにその上に建てられているとされるアブー・セルガ(聖セルギウス)教会や・・・

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父親を改宗させようとして殉教した聖バルバラの教会などもあります。

また、ゲニザ文書発見で知られるベン・エズラ・シナゴーグもこの敷地内にあります。

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アブー・セルガやベン・エズラは、内部の写真撮影が禁じられているので、外観のみ。

このエリアは基本的には入場が無料(コプト博物館を除く)で、寄付金を置いて行くしくみになっています。このエリアにいるひとたちはコプト教徒が多いせいか、ちょっと・・・というか、だいぶ他よりも感じがいいので、観光もしやすいです。

ただ、午後4時には閉まってしまうので、早めに行くのがおすすめ。

聖家族が逃避して来て、隠れていた場所だなんて、キリスト教徒にとってはたまらなく魅力的な場所だと思うのですが、やっぱり来ないですよね〜、今のエジプトじゃ・・・(汗)。

修復が完成したマルギルギスには行ってみたいので、入れるようになったらどんなできばえだか確認して来たいと思います。

客人はもう既に、日本に帰ってしまいましたが・・・。


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エジプト観光の今(1):ピラミッド編

かつては年間1000万人以上の外国人観光客が訪れていた観光大国エジプトですが、ムバラクが退陣に追い込まれた2011年以降、政情不安と治安悪化の影響でその数は激減しています。

私は2011年からエジプトに住んでいますが、一度は政権をとった同胞団が権力の座をおわれた2013年の夏が、治安の点では最悪で、その時が観光客の入りという点でも最悪でした。

それから半年が過ぎた現在も、最悪の時と比較すればマシにはなったのものの、まだまだ観光客は戻りません。

そんななか、日本から友人らがエジプトを訪れてくれたので、彼らを連れてカイロ観光に行ってきました。

本当は3人で来る予定だったのですが、うち1人は会社からエジプト行きにNGが出されたため、来られないことに・・・。

「危ないから行ってはならない」とされる国に普通に住んでいる私たちっていったい(汗)・・・?!と思わないこともないのですが、エジプト全体をみると、このところ毎日のようにテロ事件が発生していますから、残念ながらその懸念は確かに間違いのないものではあります・・・。

友人たちは、私たちが治安状況全般はもとより、現在どこで何が発生し、どこにどんな危険があるかを認識しているという前提に加え、私たちの車で移動して、私たちがガイドをして、私たちの家に泊まる、という至れり尽くせりプランであるからこそ、今のエジプトに来てくれたわけで、やはりそうした条件が整わないとなかなか現状でエジプト観光をするのは難しいかな、というのが私の見解です。

さて、彼らを連れて行ったピラミッド。

DSCN5349.jpg

実は一ヶ月前にもピラミッドに行ったのですが、その時は本当にだ〜れもいなかったので、その時に比べれば観光客はまあまあいました。

インドネシア人と中国人の団体客がいた他、エジプト人の家族連れ、スーダン人のカップルなんかも見かけました。

ピラミッドは最近、急に入場料を値上げして、以前まではピラミッドのエリアに入るのに60ポンド、クフ王のピラミッド内部に入るのに100ポンドだったのが、今はエリアが80ポンド、クフ王が200ポンドになっています。

クフ王、いきなり倍額!!

ピラミッド・エリアは、ガイドやラクダ屋さんやお土産屋さんが、とんでもなく商売熱心(?)というか・・・はっきりいえばうっとうしいのですが、観光客が激減しているので、彼らのうっとうしさも過激にパワーアップしています。

まず、エリアに入ってすぐ、チケットを切る係のおじさんがいるかと思いきや、それがガイドだったりします。うっかりチケットを渡すと、ずーっとついてこられ、オレが案内してやったんだから金をよこせ〜!となります。

またラクダ屋さん(観光客をラクダに乗せ、ピラミッドのエリア内を案内してくれる人)は最近、私がアラビア語を話せるとわかると必ず、「オレのラクダが死にそうなんだ〜」と泣き落としにかかります。

観光客いない→ラクダに乗る人いない→収入ない→ラクダのエサ買えない

という流れで、「おまえはアラビア語をしゃべるから、エジプト人価格でOKだ。オレのラクダを助けると思って、乗ってくれ〜」となります。

客人は意外にラクダに乗りたがらない・・・というか、ラクダ屋さんのしつこさに辟易して逃げ出す人が多いので、私はしょうがないので多少のお金をわたし、「これでラクダにご飯を買ってあげてね」と言うことにしています・・・。

お土産屋さんも、中にはかなり悪質な人がいて、「ぷれぜんと!ぷれぜんと!」とか、「ノーマニー!ノーマニー!」と言いながら、外国人に土産品をおしつけ、自分で勝手に袋を破っておいて、「オープン!オープン!」と大騒ぎして「袋をあけたんだから金払え!!」と要求してくるパターンが多発。

ピラミッド・エリアには観光警察がいて、ラクダに乗ってぷらぷらしているのですが、そのおまわりさんたちはこうした悪質業者を放置している上に、私に「このガイドはいいガイドだから、やとったほうがいい」とわざわざ言ってきたりして、なんのためにいるんだかわからない風です・・・。

そんなこんなで、ピラミッドというのは、静かにゆっくりと眺めながら悠久の時を感じる・・・なんて優雅なことはできない場所なのですが、私のおすすめは、クフ王のピラミッドの向かって左側にある、ピラミッド設計者のお墓の見学です。

ここは門番にささっとお金を渡すと中に入れてくれるのですが、美しい彫像やレリーフを目前に見ることができる&写真とり放題なので、お得感&特別感満載です。

あと、クフ王ピラミッドの後ろにある太陽の船も、これまた別料金(汗)ですが、おすすめです。

また、スフィンクス付近ではこのところ、エジプト人にわか写真家が大量発生していています。

彼らはスフィンクスにキスをしている写真や、ピラミッドを踏みつぶしている写真など、ありとあらゆるおもしろ写真の構図を心得ており、頼めばいくらでもそういった写真を撮ってくれます。

ただし、ひとによって技術の差や値段の差がかなりあるので、いい写真がたくさん撮れたら、是非料金ははずんであげてほしいと思います。

一説によるとエジプト人の10人に1人が観光関係の仕事をしていると言われており、この観光客激減状況は本当にきびしいものがあるので、私もできるだけお金を落とそうとは思っているのですが、治安を改善するという一大根本原因をどうにかしないかぎり、抜本的解決ははかられないと思うので、そういう意味でもエジプト、早く安全になってくれないかな〜と心底思います。

プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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