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連続爆弾テロとエジプト治安情勢の概略

今日6月30日は、モルシ元大統領を権力の座からひきずりおろすための大規模デモが行われてからちょうど1年、という節目の日です。

エジプトでは去年のこの日の出来事を、「6月30日革命」と呼んでいます。

逆にムスリム同胞団側からすれば、この日は「選挙の合法性」をひっくり返す「軍事クーデター」の序章であり、今日も反政府デモが呼びかけられていました。

まあ、必ず何かある、とは思っていましたが、案の定、イッティハディーヤ(大統領宮殿)前で仕掛け爆弾3発が爆発し、これまでに警官2人が亡くなっています。

27日にアグナード・マスルというテロ組織が、犯行予告声明文を発表していました。

あ

仕掛け爆弾2発を埋めた場所についても、詳細に言及しています。アハラーム通りとミルガニー通りの交差する地点だ、とのこと。

う

カイロでは6月25日にも連続爆弾テロが発生しており、この時は地下鉄の3つの駅で爆発がおこった他、裁判所前の道でも爆発が発生しました。幸い、死者は出なかったものの、今日は既に犠牲者が2人出ています。

エジプト治安状況については、エジプト在住者やエジプトにこれから赴任してくる日本の方などからよく質問されるのですが、私の基本的な認識は以下の通りです。

1) エジプトの治安状況は概して悪いが、どんどん悪化しているというよりは、2011年の革命以降、常に悪く、特に2013年夏以降の状況はかなり悪い

2) 治安を悪化させている直接の要因となる事件は、おおよそ70%が爆弾テロ、20%が武装組織による襲撃、10%が自動車爆弾など自爆テロである

3) テロ事件はほぼ毎日発生しており、その多くは北シナイ(アリーシュやシェイフズウェイド)であるが、カイロやその他の街でもしばしば発生する

4) テロ事件の発生場所は主に、警察や軍といった治安関係施設、統治機構であり、テロのターゲットとなっているのは主に警官、軍人、政治家であるが、民間人の死傷者も多く発生している

5) エジプトには日本人が1000人未満ほど暮らしており、現状ではテロに巻き込まれた邦人はいない

6) カイロ在住者がとれる自己防衛策は、治安関係施設、官庁等の施設に近寄ったり、そこを通過することはなるべく避ける、地下鉄には乗らない、人ごみ(特にデモ)には近寄らない、といったこと程度であるが、できるだけ最新のニュースを常に把握するよう心がけることが重要

昨日はイラクで、カリフ制イスラム国家の樹立が宣言されました。

エジプトのイスラム主義組織がイラク人のバグダーディーをカリフとして奉ずるとはとても想像できませんが・・・いずれにしても、まだ先の見えない状況は続きそうです。
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06

09

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シシ大統領ファミリーとスパニッシュ・スタイル

昨日、シシ氏が宣誓式を行い、マンスール暫定大統領からの権限委譲を経て、晴れてシシ新大統領が誕生しました。

宣誓式には新大統領の家族も参列し、エジプトのメディアは、これがエジプトの新しいファーストレディー!!、これが新大統領ファミリー!!と、大騒ぎ(?)しています。

そのファミリーの写真がこちら。

السيسي3

一列目、右側から

ダリヤ(シシの息子であるハサンの妻)
ハサン(シシの息子)
インティサール(シシの妻、ファーストレディー)
ムスタファー(シシの息子)
ラダー(シシの息子であるムスタファーの妻)

二列目、右側から

ナガル・ハーリド(シシの娘であるアヤの夫)
アヤ(シシの娘)
マフムード(シシの息子)
タハー(シシの息子であるマフムードの妻)

だそうです。

やはり目を引くのは、女性陣5人が全員、いわゆる「スパニッシュ・スタイル」である、という点です。

エジプトの女性たちの頭の被りものについては、こちらに記しましたが、ムスリム女性の多くはヒジャーブを顔全体に巻く古典的スタイルで外出します。

顔全体に巻く、というのは、アゴの下でスカーフを交差させ、首が見えないようにする、という意味です。

これに対して、一部のムスリム女性、特にインテリ層や富裕層の女性に見られるのが、首は出して、髪の毛のみをスカーフで覆い、スカーフを頭の後ろで束ねるスパニッシュと呼ばれるスタイルです。

こういう感じ。

192e405f24.jpg

古典的ヒジャーブの愛好者から見ると、このスパニッシュ・スタイルは「中途半端」とか、「ヒジャーブをしているとは見なされない」とか、「ヒジャーブを完全に取り去ってしまう前の段階」など、揶揄されることが多いのですが、スパニッシュ愛好者自身は、「一応ちゃんと髪の毛隠してるんだからいいじゃん」、「これも立派なヒジャーブです」、「こっちの方が動きやすくて実用的」等々、各々が自信を持ってらっしゃいます。

シシ・ファミリーの女性陣が普段からスパニッシュ・スタイルを愛好してらっしゃるかどうかは全く不明ですが、もしかしたらシシ大統領には、古い伝統に固執しない、開かれた大統領ファミリー像のようなものをアピールする狙いがあったのかもしれません。

シシはお母さんや奥さんを大切にする、大変なフェミニストだと言われています。

昨日の演説でも、エジプトの繁栄において、女性の存在がどのくらい大切であるかが何度も何度も強調されていました。

女性にとってはもちろん、全国民にとっていい国になってもらいたいものです。

がんばれ、新大統領!


06

04

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政府によるSNS監視問題

エジプト内務省は一昨日6月2日、TwitterやFacebookといったSNSを監視対象にすると発表しました。

使用禁止にする、というわけではなかったので油断していたのですが、昨日の朝10時頃、突如インターネットと国際電話が全て不通になりました。

エジプトで時々ある、ケーブル切断あるいは盗難事件が原因か、はたまたやはり、内務省の上記決定と関連しているのか・・・

テレコム・エジプトは午後になって、「インターネットサービス切断の原因は、あるチェック・センターの火災によりケーブルが3本切断されたことによるもの」と発表しました。復旧は16時頃、と発表されたものの、13時頃にはあっさりとネット復活。

・・・うーん、なんかおかしい。

更にアーティフ・ヒルミー通信大臣が、「インターネット切断は、政府を含むいかなる筋からの要請によるものでもなく、単に火災によって生じたもので、内務省によるSNS監視の問題とも一切関係していない」、と発表。

一切関係していない、と敢えて言われると、やっぱり関係しているんだな、と思ってしまいます・・・。

更に更にイブラヒム内相は昨日になって、SNS監視の決定について会見を開き、これはあくまでも治安維持のためのシステムの一環であり、表現の自由を奪うためのものではない、と強調しました。

ネット監視については、アメリカ政府を始め、いろいろな国家当局が秘密裏に行っているとされるだけでなく、そもそもFacebookを使っている段階で情報はダダ漏れだと言われたりもするわけでして、エジプト政府がなぜあえて「これから監視しま〜す!」なんて明るく宣言してしまったのかわからないのですが・・・。

現在もまだ、SNSを使った反政府デモの呼びかけがなされ、エジプト各地で衝突を引き起こしていることは確かで、またテロ活動のあれこれにもSNSは一役かっていると言われています。

シシ大統領誕生と前後して、間違いなく何かが動き出しているエジプトです。

06

04

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シシ大統領誕生

ついにシシ大統領誕生です。

エジプトから大統領が突然いなくなってから約一年。先週実施された大統領選挙の結果が昨日、公式に発表されました。

結果は、

シシ         2378万票 (96.91%)
サッバーヒー    76万票 (3.9%)

と、予想通りのシシ圧勝です。

投票率は47.5%と、2012年大統領選挙時の52%と比較すると少し低いですが、勝負の決まりきっていた選挙だった割にはかなり高かったと言えます。

結果発表を受けてのシシ演説がこちら。



エジプト国民だけでなく、唯一の対立候補だったサッバーヒーにまで「選挙に参加してくれてありがとう」と謝辞を述べ、

「未来はまだ白紙です。私たちがそれを、自由と公正とで埋めていきましょう!」

と呼びかけています。

まあ、今回の演説は出馬宣言演説のときとは違って、感動しませんでした・・・。

でも、こっちは感動しますよ〜。

選管がシシの勝利を発表した瞬間の、タハリールの反応です。



2分40秒くらいからが、その瞬間です。

タハリールに集まった人々が、喜びとか期待とか、そういったもの全部を込めて力いっぱい国旗を振っているのを見ると、私なんかはすぐに目頭が熱くなってしまいます。

日本の新聞には、シシなんかどうせダメだ、という論評を載せているところがいくつかあったのですが、エジプト国民の選択をどうして頭ごなしにダメだって決めつけるんでしょうねえ?

っていうか、シシ以外他に、どんな選択肢があるというのでしょうか???

デートの際、彼が選んだレストランにダメ出しするなら、オルタナティブを提示するのがルールです。

どうせシシなんかダメだという論調の中には、シシがダメだというか、途上国はそもそもダメなんだ、中東アラブ諸国は所詮ダメ国家なんだ、という、先進国人特有の俯瞰が見て取れてしまうわけで、私はそこに違和感を覚えます。

そして今朝の新聞。

一番面白かったのは、エルアフバールの見出しです。

IMG_2291.jpg

「シシは選挙で選ばれた初の国民的大統領」

って・・・(汗)。

もはや2012年の大統領選挙やモルシの存在は、なかったことにされているようです・・・。

プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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