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ムバラクのテレビ出演とエジプトの未来

エジプトの刑事裁判所は昨日11月29日、ムバラク元大統領に対する公訴を棄却し、同氏は事実上無罪となりました。

起訴棄却の決定が下された時、私はちょうど外でとある行列に並んでいた(汗)のですが、周囲のエジプト人たちは口々に「ムバラクおめでとう!」なんて言って、盛り上がっていました。

ムバラクはいろいろな罪に問われていたのですが、昨日の裁判は「2011年1月の反政府デモに参加していたデモ隊を殺害するよう扇動したかどうか」という嫌疑についてのもので、起訴手続きが不備なので公訴自体棄却という、なんともまあ、グレーで政治的な判断が下されました。

昨日早速テレビに電話で生出演したムバラクがこちら。



アンカーのアフマド・ムーサーが「おめでとうございます!」と言ったのに対して、

ムバラク 「神のおかげだよ、ありがとう!」

アフマド・ムーサー 「とにもかくにも、お元気なんですか?」

ムバラク 「ああ、元気だよ、神のおかげでね。感謝の気持ちでいっぱいだ!」

といったやり取りの後、

「神を信じていたし、自分の無罪を信じていた」、「最初の判決を聞いたときは笑ったよ、昨日の判決こそ、私が待ち望んでいたものだった」などと話していました。

一時期はもうすぐ死ぬんじゃないか、という報道がさかんにされていたほど衰弱していたはずのムバラクですが、声を聞く限りはかなり元気そうです。本人も元気だ、と言ってますし。

ワタン紙によると、ムバラクは拘束されてから昨日の無罪判決まで1325日間ムショ暮らしを強いられ、主な嫌疑は2011年1月25日革命時デモ隊225人の殺害に関与したこと、2013年1月にすべての裁判についてやり直し命令が下され、やり直し裁判だけでも55回の公判が開かれ、昨日ついに公訴棄却の決定が下された、とのことです。

昨夜はムバラク無罪に抗議し、民主化勢力というか、いわゆる若者勢力がタハリール広場に集結し、「軍政を打倒せよ!」とか、「シシ政権を打倒せよ!」と叫び、警官隊と衝突して死者も二人でました。

これまでの様々なデモと比べるともりあがりに欠けるデモでしたが、民主化勢力のやるせなさは、ここ数年のエジプトを振り返ってみるとよくよくわかります。

2011年1月:1月25日革命、2月にムバラク政権崩壊
→民主化勢力の勝利か?!と思いきや。。。

2012年1月:議会選挙でムスリム同胞団の政党「自由公正党」が第1党に
→自由になって民主的に選出されたのは宗教勢力でした。。。ということで民主化勢力完敗。

2012年6月:大統領選挙でムスリム同胞団のモルシが大統領に選出
→同胞団が晴れて天下をとり、やりたい放題の同胞団政治を展開、刑務所にいたイスラム過激派たちを大量に釈放したり、全国の知事やモスクのイマームを同胞団員にすげかえてみたり。。。
エジプト中に同胞団嫌いの空気が徐々に満ちてきて。。。

2013年6月:6月30日革命でモルシ大統領失脚
エジプト国民が自分たちで民主的に選挙で選んだモルシを、デモにより力づくで引きずり下ろす
→同胞団政権失脚、幹部は全員逮捕(まだ逃げている幹部もいる)

2014年6月:大統領選挙で元陸軍元帥かつ国防大臣のシシが当選
→議会不在のまま、シシの「独裁」継続中

この流れからすると、エジプト当局的にはムバラクに無罪判決を下すのは自然で当然のなりゆきだと言えます。

今さらムバラクを断罪しようって人たちは、1月25日革命で熱くなり、選挙で力を得ることのできなかった不満を抱えた民主化勢力/若者勢力くらいしかいません。

なんで民主化勢力とやらが、自由になったエジプト国内で政治力を得られなかった(得られない)のか、理由はたくさんありますが、今後も彼らが批判するところの「シシ大統領による軍政」がしばらくは継続されることでしょう。

ここ数年を振り返るだに、エジプトっていうのは本当にしっちゃかめっちゃかな国なのですが、エジプトにはエジプトの民主主義があり、エジプトの自由があるってことなんだと思います。

エジプトの民主主義は欧米スタンダードのそれとは大いに異なりますが、それはエジプト人が規定すればよいのです。だって、民主主義という概念自体は多くのエジプト人が気に入っているわけで、それすら捨ててしまったら、向かうべき道は「イスラム国」しかないのですから。
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爆弾テロはまだまだ続く

エジプトのイスラム過激派組織アグナード・マスルが昨日、新しいビデオを公開しました。

一応リンクをはりますが、すぐに消されてしまうはずです。



以前も書いたような気がするのですが、この組織の名称はアラビア語で正しく読むならアジュナード・ミスルなのですが、エジプト式に読むとアグナード・マスルで、この組織はエジプトのローカル組織なので、私はアグナード・マスルと読めばいいと思っています。

この組織は、アンサール・バイトゥルマクディスABMと並ぶエジプトのイスラム過激派組織で、特にカイロ近辺にやたらと爆弾を仕掛けては爆発させる、というテロを行っています。

上のビデオでも、今年の4月から先日(11月20日)のヘルワン大学の仕掛爆弾テロに至るまで、「俺たちの作戦」の実行の様子と何人死傷せしめたかという結果が長々と流されています。

それぞれの爆弾テロの被害は一度に多くの人を死に至らしめるほどのものではありませんが、それでも数人が死亡したり、数十人が負傷したりする程度には甚大です。

彼らは自分たちの攻撃を「同害報復」だとし、あくまで「俺たち(の仲間)がやられたからやりかえしているにすぎない」と正当化しています。同害報復は『コーラン』に明言された当然の権利だということを、強調してもいます。

俺たち(の仲間)がやられた、といって彼らが意味しているのは、一般のエジプト市民を痛めつけたり、権利を侵害したりしているエジプト当局、特に軍や警察といった治安当局をさしているのですが、彼らの爆弾テロでは多くの一般市民も死傷しています。

アグナード・マスルやABMは、登場した当時は攻撃対象を治安関係に絞り、一般市民に対しては巻き込まれるとよくないから、治安関係施設には近寄らないようにね、と警告していたのですが、このごろは全然そんなことありません。

今のエジプト政府は悪の圧制者であり、それを支持し、あるいは放置している一般市民も同罪である、だから別に一般市民が死んでもいいや、というサイイド・クトゥブ的なロジックに傾いているのかもしれません。

もしくは治安組織という悪の権化を倒す「大きな善」のためには、市民の犠牲という「小さな悪」は見過ごされると考えているのかもしれません。

イスラム法はこういう時の言い訳を、いくらでも用意してくれています。

アグナード・マスルはビデオの中で、これからもどんどん爆弾を埋め続け、どんどんテロしていく、と宣言しています。

アグナード・マスルはイスラム国に忠誠を誓ってこそいないものの、イスラム国は以前出した声明で、「エジプトのムスリムたちはみんな、アグナード・マスルと一緒になって不正なるエジプト政府と戦うように」なんて言ってましたから、まあ、同じ目的をもって戦う同士みたいな位置づけでしょうか。

明日11月28日は、イスラム主義者たちによる反政府デモが予定されており、内相は暴力沙汰が発生したら容赦なく実弾をぶっ放す、と宣言しています。

大事にならないとよいのですが。

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建物崩落事故とスラム

昨日、カイロのマタリーヤという地区にある8階建のアパートが崩落し、19人が死亡するという悲しい事故が発生しました。

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この写真を見ると、エジプトに住んでいる方は「あー、このタイプの建物ね。。。」となるにちがいない、レンガ積み上げタイプのエジプトには非常に多い形状(?)の建物です。

カイロにはあちこちに、こんな街並みが広がっています。

Manshiet.jpg

これらの赤レンガ建物はすべて違法建築で、エジプト全建築物の60%がこうした違法建築だとされています。

すっごく多いですよね。。。

違法建築のおよそ15%はいわゆるスラムと認定されており、1500万人程度のエジプト人がスラム住民です。

スラム治安が悪いとか、不衛生であるとか、いろんな意味で危険地帯なのですが、建物が倒壊して人が死にやすい、という意味でも非常に危険な場所です。

(地震があったわけでもないのに)突然建物が崩落するという事故は、エジプトではかなり頻繁に発生し、以前こちらでも取り上げたことがありますが、その主たる原因は、建物が違法かつ適当に建てられ、さらに全然メンテナンスをしていないことにあります。

以前、取材をしたスラム街を再度訪れた時、家の梁が突然落下してきたとかで、以前は元気だったおじいちゃんが寝たきり状態になっていたことがありました。

スラムの住民に話を聞くと、子供を学校に行かせたいとか、下水を整備して欲しいとか、病院が欲しいとか、いろいろ望みはあるのですが、ちゃんとした家で安心して暮らしたい、と答える人が多くいました。

ちゃんとした、というのは、突然崩落したり、梁が落ちてきたり、壁が倒壊したりしないような家、という意味です。

昨日崩落したマタリーヤの建物は、上の2階部分だけが違法に建て増しされたものだったそうですが、このタイプの違法建築は、私が住んでいるザマレクにもたくさんあります。

人口がかなりの勢いで増加しているエジプト

住む場所がなく、違法建築がどんどん増え、危険地帯がどんどん増えているのが現状です。

政府はこれまでも、違法建築を行ったら罰金を課すとか、スラム住民をねこそぎ別の場所に移住させるとか、あれこれ対策をうっている風なのですが、状況は悪化の一途をたどっています。

テロとの戦い以外にも、エジプトには解決すべき問題が山積しています。

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カイロ市内で連続爆弾テロ

今朝、カイロ市内の二カ所で爆弾テロが発生しました。

一件はヘルワン大学近くの「ワーハ」というカフェテリアで発生。仕掛け爆弾が爆発し、大学警備にあたっていた警官ら6人が負傷しました。

もう一件はラムセス駅という、カイロの中央駅で発生。カイロ駅に到着した列車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、8人が負傷、爆発後のパニックでも大混乱がおこったようです。

連続爆弾テロなのかは不明ですが、同日に連続して爆弾が爆発したのは確かで、急に今朝のシュルーク紙の記事を思い出しました。

同記事には、治安筋の情報として、アンサール・バイトゥルマクディスABMが、シナイとカイロ及びそれ以外の県の5カ所以上で、大規模な連続テロの実行を計画していると書かれていました。

ターゲットは一応、治安関連施設とされているのですが、この辺は最近のテロを見ていると「治安施設に近寄らなきゃいいか〜」と安心してられるような状況ではありません。

カラム・エルカワーディースの事件後、治安当局が拘束したテロリストの数は300人を超え、彼らの取り調べから様々な情報を得ているようです。それによると、カラム・エルカワーディースの事件の数週間前に、イスラム国からABMに攻撃の委任がなされ、パレスチナのジハード組織を通して、資金と武器がABMに渡されたとのこと。

「筋」の話なので、いつものように、何がどこまで本当なのかわからないのですが、これが本当だとすると、ABMがイスラム国に忠誠を誓う前から、両者の間には資金や武器の提供、作戦の委任といった目に見える関係があったことになります。

ABMは、イスラム国から資金提供などを受けることで、そんならイスラム国入りしちゃおっかな?!という気分になり、忠誠を誓う運びになった、とも考えられます。

エジプトでは来週金曜日(11月28日)に、イスラム勢力やテロ組織によって国家転覆を謀る暴動を起こす計画があり、エジプト当局はそれに備えて万全の対策をとっているとしています・・・が、どうなんでしょう???

28日って、ラムセス杯(カイロ在住日本人各チームによるソフトボール大会)なんですよね・・・汗

大事に至ることのないよう、治安当局には予防策にも万全を期していただきたいと強く願います。

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ガザ境界のバッファーゾーンとテロ

エジプト治安当局は、ガザとシナイ半島の境界に現在設置中のバッファーゾーン(緩衝地帯)を、当初の計画の500mから、1000mに延長することを検討しているようです。

10月末にバッファーゾーン設置を決定し、当該地域に住む住民には立ち退きが要請されたのですが、先頃発見したトンネルが長さ800mあり、500mのバッファーゾーンだとたりないじゃん?!ということになったようです。

エジプト当局は、シナイ半島でテロリストが大活躍している背後には、外国勢力がいるっ!といつも主張しているのですが、その筆頭にあげられているのがガザハマスです。

他の外国勢力はともかく、ハマスに関しては、実際にシナイ半島のテロ掃討作戦で、メンバーが大勢捕まったり殺されたりしており、関係性は明らかなので、ガザとラファハを物理的に切り離して、ハマスが自由に行き来できる状況をなくそう!という考え方自体は、至極全うなものです。

バッファーゾーンができると、ハマスのメンバーや武器、薬物などのガザへの持ち込みが困難になるだけでなく、他の物資の密輸も難しくなりますが。。。まあ、正規のルートでお願いします、といったところでしょう。

先日、アンサール・バイトゥルマクディス改め、イスラム国シナイ県が公開したビデオには、カラム・エルカワーディースの軍施設への攻撃の様子がうつっていましたが、治安筋は、この攻撃にもハマスが関わっていた、と見ています。

エジプト内務省は、ハマスの指導者で、だいたいいつもカタールにいるハーリド・マシュアルが、シナイ半島において対エジプト軍のテロ活動を活発化させようという考えを発案し、ファトヒー・ハマードというハマス政府の前内務大臣にその実行を委任、シナイ半島のジハード主義組織と関係を構築した、と見ているようです。

ハマスを中心とするテロリストがガザで作戦会議を行っては、資金や武器をシナイ半島にながし、そこで作戦を実行する、という連鎖を断つことが、バッファーゾーン設置の主な目的でしょう。

シナイ半島住民が全滅しない限り、シナイのテロはなくならないんじゃないか・・・と思ったりもするのですが、バッファーゾーンが少しでも機能することを祈るばかりです。

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エジプトで鳥インフルエンザの死者

エジプトの保健省は昨日、鳥インフルエンザウイルス感染者に死者が出たことを発表しました。

亡くなったのはアスユートで感染した女性で、他にもウイルス感染者はわかっているだけで7人いるそうです。

エジプト鳥インフルエンザの死者が出たのは3年ぶりのことです。

死者や感染者は鳥の飼育に関わっていた人のようで、保健省は全県に担当者を派遣し、状況も把握しているので、国民は心配しないように、としています。

またエボラウイルス対策についても、全国の国際空港に40個の熱感知器をあらたに導入し、万全の対策をとっているので、心配しないように、としています。

エジプトでは去年は豚インフルエンザが流行して、豚を極度に嫌うエジプト人達を震撼させたのですが、今年は鳥ですかねえ。

夏が終わり、涼しくなってくると、必ず風邪やインフルエンザが流行るので、手洗いやうがい、空気清浄機と加湿器をつけっぱなしにする、といった対策は一応とるようにしています。

あと鳥インフルの場合の対策は、生きた鳥を販売し、その場で殺してさばいて売るタイプの店にはなるべく近づかないことでしょうかねえ。

エボラも、もうエジプト国内で発症して死んでいる人がいるんじゃないか、と勝手に思っている私ですが、公式見解ではまだエジプトに発症例はないことになっています。

病気の季節、みなさんお気をつけくださーい。

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イスラム国シナイ県の恐怖

昨日公開された、アンサール・バイトゥルマクディスABM改め、イスラム国シナイ県のビデオは、エジプトを震撼させています。

今朝公開されたイスラム国の連続首切りビデオがあまりにもヤバすぎて、世界的には前日のABMのビデオなんてどうでもよいような扱いになってしまっていますが、エジプト人、そして特にエジプト政府にとってはABMのほうが脅威であることは間違いありません。

30分にわたるビデオは、「イスラム国シナイ県広報局」によって制作された、古典的なジハードビデオです。今朝公開された最近のイスラム国ビデオのような、編集を勘案した上で演出・撮影した映像は一切なく、これまでの攻撃や戦士のメッセージなどの映像をつなぎあわせ、それにジハードの節をつけています。

私が全体から感じたのは、特に以下の三点です。

一点目は、なんでシナイ半島でこんなにエジプト軍がやられまくっているのか、という理由がなんとなくわかった、ということ。

二点目は、シナイ半島からテロをなくすには、極端な話、シナイ半島住民が全滅しない限り不可能なんじゃないかな、ということ。

そして三点目は、イスラム入りしたことで、一応彼らなりの世界戦略のようなものを提示したかったんだな、ということです。

一点目ですが、このビデオには、ABMがエジプト軍人を攻撃する映像が多く収められているのですが、その多くでエジプト軍人はほぼ丸腰、反撃など全くしないまま、コテンパンにやられている状況が映し出されています。

カラム・エルカワーディースと思わしき軍基地では、軍の基地なのに、警備がものすごく手薄で、軍人の宿舎に至っては、軍人皆殺し状態でした。

道を走る軍の車両も、襲われたらひとたまりもないような普通の車で、ABMの車に追い付かれ、銃撃されて、全滅していました。

道を普通に歩く軍人も、後方からふつうに銃撃されて死んでいました。

つまり、何が言いたいかというと、シナイ半島はこれだけABMの攻撃が頻繁で、テロとの戦いの最前線であるはずなのに、エジプト軍はろくに防衛策もとらず、なぜか不思議なほどに緊張感もなく、軍人たちはかなり適当な状況下におかれている、ということです。

ABMからすれば、こんなに無防備な敵、殺したい放題だぜ、といったところでしょう。

ここを攻撃したABM戦士の一人は、遺言メッセージで、「シシよ、我々がお前たちの首を切り落とす剣となるであろう」なんて言ってました。。。

二点目ですが、(以前からわかっていることですが)ABMはエジプト軍がシナイ半島で無辜な住民を虐殺してると認識し、それへの復讐心が彼らの政府軍への攻撃の原動力になっているようです。

ABMはもともと、メンバーのほとんどがシナイの部族民で、彼らは経済発展から取り残され、医療も教育もない状態におかれていることで、非常に強い反政府思想を持っている人がもともと多いとされています。それに加え、近年のテロとの戦いで、エジプト軍が彼らの集落を「攻撃」し、その巻き添えになって「女や子ども」が死んでいることが、彼らの怒りをさらに増長させています。

今回のビデオの中でも、部族民らしきメンバーが、「シシよ、お前たちが無辜なムスリムの女や子どもを虐殺してきたことを、我々は決して忘れない」と言っていました。

家族を殺された部族の人が、怒りも新たにABMに加わる・・・という連鎖を考慮すると、もう、シナイ半島住民の誰がABMのメンバーで、誰がメンバーではないか、なんて区別はつきません。

この状況はそれこそ、ガザ住民はみんな潜在的にハマスである、というイスラエルの論理に通じるものがあります。

ビデオでも、シシはイスラエルの手先だ、と何度も強調されていました。

三点目ですが、ビデオでは、「エジプトのガスパイプラインを、将来的にはカリフの元にまで届かせる」とか、「エジプトなんて、我々にとっては敵でもなんでもない。我々は最終的には、全世界を支配することになる」とか、これまでのABMビデオには見られなかったメッセージがかなり詰め込まれていました。

「神が世界をムスリムで満たし、神の法で世界は統治されることになるだろう。
パスポートもビザも必要のない世の中が訪れるのだ。
我々は神の道において死することをよしとする。
我々を統治するのは神の法のみである。」

とのことです。

今回のビデオから伝わったのは、シシとエジプト軍に対する憎悪ばかりですが、今後攻撃の対象が在エジプトの外国人や外国関連組織に向かないとも限りません。

とはいっても、ABMがイスラム国入りしたところで、組織やメンバーが急に変わるとか増えるといったことはないですし、これまでカイロ近辺では仕掛け爆弾程度のテロしか起こせていないことを勘案すると、急に首都のど真ん中で大規模テロが起こるとも考えにくいなあ、とは思います。

しかし一方で、ここまでエジプト軍の腰抜けっぷり(・・・失礼)を見せつけられると、身近でいつ大規模テロが起こっても不思議はないな。。。という、あきらめに似た気分にもなってきます。

いつもここに書いているように、エジプト軍と警察のおかげで、私はこうしてエジプトに住んでいられる、という感謝の気持ちは常にありますが、なんていうんでしょうねえ?・・・もうちょっと敵に攻撃されないような防衛策をきっちりととって、軍人さんの命を大切にしてあげないとダメだな・・・と、なんだかいたたまれない気持ちです。

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エジプトのインターナショナルスクールへの攻撃

昨日、カイロのアメリカンスクールにかようエジプト人生徒が、自家用車に乗って通学中に何者かに襲われ、誘拐されました。

この子の父親は警察の高官です。

エジプトのインターナショナルスクールと言えば、10月末に、「インターナショナルスクールの教員を攻撃せよ」という内容の怪文書がネット上に広まり、その中で特に、カイロ市内のマアーディーが「攻撃しやすい場所」として名指しされていたことから、在エジプトのアメリカ大使館がテロへの注意勧告をしていました。

この怪文書。ムスリムの子どもはイスラム的教育を受け、正しいムスリムに成長していかねばならないところを、インターナショナルスクールなるものがイスラム世界に導入され、間違った教育を施しているために、ダメムスリムが量産されている、だからインターナショナルスクール、特にそこで教員をしている外国人を攻撃することが、正しいジハードの一環なのである、という論文調のものでした。

11月9日には、この怪文書を書いて流布させたとして、エジプト系アメリカ人のエッサイイド・アリー・アブドゥルマジドなる人物が逮捕されました。アメリカとエジプトの二重国籍保持者で、アメリカで27年間生活をしてきたそうです。

今回の誘拐事件と同怪文書との関係は不明ですが、時系列的に考えると気味が悪いです。怪文書がターゲットとせよとしていたのは外国人教員で、誘拐されたのはエジプト人生徒ですから、違うと言えば違うのですが、インターナショナルスクールを悪ととらえる点に関しては共通しているとも言えます。ナイジェリアのボコハラムが、インターに限らず、欧米式教育制度やそれを受ける子ども達、受けさせる親達全てを悪としてとらえているのと同様です。

うちの娘もインターナショナルスクールに通っているので、とても他人事とは思えません。

今日は朝から、カイロ市内の地下鉄ヒルミーヤ・エッザイトゥーン駅で爆弾が爆発し、16人が負傷しました。

地下鉄の駅に爆弾が仕掛けられるのは、本当にしょっちゅうあるのに加え、電車やバスの事故、タクシーの誘拐事件など、エジプトは公共交通機関がらみの事故や事件がひじょーーーーーーーーーーーーーに多いため、私はそもそも公共交通機関を使わないことにしています。

・・・が、今回の誘拐事件は、自家用車での通学中に襲われたとのことですから、もう自衛のしようもありません。

エジプトの治安、相変わらず悪いです。

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イスラム国ジョーク

アラブ人はみんな、ジョークنكتةが大好きです。

ジョークといっても、なんというか・・・笑える小話のようなもので、ジョークをたくさん知っていたり、次々と新しいジョークをしいれてくる人は、友達の中でも一目置かれます。

私も留学している時に、なんかジョーク言ってみっ!と言われて当惑したことは数知れず。。。途中から、友達から聞いたジョークを記憶して、別の友達に披露するようにしました。まあ、アラブ人と日本人とでは笑いのツボが違うのですが、たまにはクスっと笑えるようなものもあります。(なにが面白いのか、さっぱりわからない場合も多々あります。。。)

エジプト人もジョーク好きで、最近はイスラム国がらみのジョークがわりと流行って(?)います。

そのうちのひとつがこちら。

あるイスラム国の兵士が、キリスト教徒男性とその妻の乗っている車を止め、彼にこう質問しました。

「お前はイスラム教徒か?それともキリスト教徒か?」

すると彼は、「イスラム教徒です」、と答えました。

それを聞いたイスラム国兵士が、「それじゃあオレに向かって、『コーラン』の節を朗誦してみろ」、と言いました。

キリスト教徒男性が『福音書(聖書)』の一節を朗誦すると、イスラム国兵士は、「おまえの言ったことは正しい。行ってよし」と言いました。

車の中でキリスト教徒男性の妻が夫に向かって、「あなた、よくそんな命知らずなことができたものね!」と言うと、男性は、「あいつらが本当に『コーラン』を知っていたら、人々を殺したりはしないよ」、と言いました。

これを聞いて怒りだしそうな人もすぐそばにいますが(汗)、私は結構好きなタイプのジョークです。

イスラム教徒がイスラム国批判をするのに、あいつらは『コーラン』を知らない、と言うならばわかりますが、キリスト教徒にまでそんな風に言われてバカにされる、というブラックさがいい感じです。

『コーラン』には確かに、不信仰者(異教徒)を殺せだの、首を切れだのという句が複数あるのですが、現在はそれを文字通りに解釈して実践する状況下にないし、『コーラン』を包括的に解釈するとイスラムが平和を志向する宗教であることがわかる、というのが、現代の多くの法学者の見解であり、殆どのムスリムにとってのイスラム観です。

それじゃあ、本当に『コーラン』をわかっているのは、『コーラン』を文字通りに解釈して実践しているイスラム国なのか、包括的解釈によってイスラムを平和の宗教と主張する多数派なのか、これまた結論の出ない問題です。以前書いたように、エジプト人同士も、よくこの問題を巡ってケンカしています。

個人的には、エジプト人には、こういうジョークでイスラム国を笑い飛ばせるだけの余裕とおおらかさを失ってほしくないな〜と思うのですが。。。

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世界に広まるイスラム国

先日、ついにエジプトのイスラム武装組織アンサール・バイトゥルマクディスABMがイスラム国入りするという音声での声明を発表したと記しましたが、これまでにも世界各地のいくつかのイスラム武装組織がカリフに忠誠を誓うと宣言しています。

音声での声明が残されているものとしては、

イエメンのムジャーヒディーン
リビアのムジャーヒディーン
アルジェリアの地おけるカリフの兵士

などが挙げられます。

イスラム世界には多数のムジャーヒド(聖戦士)がいるので、「○○のムジャーヒディーン」と名乗ってもそれが誰によって構成されるどんな組織なのかよくわからないのですが、リビアに関しては東部のバルカ地方の一部で既にイスラム法による統治が始まっています。

イエメンではアラビア半島のアルカイダが2011年5月にアブヤン州で「イスラム首長国(イマーラ)」の樹立を宣言し、イスラム法による統治を行って以来、時々どこかに「イスラム首長国」ができる状況が続いています。でもこのアラビア半島のアルカイダは、新カリフに忠誠を誓ってはいません。

ちなみにこのイマーラامارةというのは、アラブ首長国連邦UAEのそれぞれの首長国を指す名称でもあります。エミレーツ航空で有名な「エミレーツEmirates」っていうのは、アラビア語のイマーラの複数形のイマーラートを英語化させた名称です。

イエメンやソマリアにみられるように、アルカイダ系組織も過去にしばしば領域支配を実現させ、イスラム首長国樹立宣言を行ってはきたのですが、現存のイスラム国に比べると、その世界的インパクトの大きさは(相対的に)小さかったと(今だから)言えます。

イスラム国がイスラム国(ダウラدولة)を名乗ったのは、先行するアルカイダ系組織がイスラム首長国(イマーラامارة)を樹立させてきたことに対抗してのことなんだろうな〜と個人的には思っています。「首長国」より「国」のほうが、インパクトありますからね。。。

話は脱線しますが、アラビア語のニュースチャンネルでは大概、日本で言われているところの「イスラム国」のことを、ダーイシュداعش(「イラクとシリアのイスラム国」というアラビア語名称の頭文字をあわせたもの)と呼んでいます。アラビア語話者は殆どがムスリムですから、イスラム国という名称は基本的にはありえない選択・・・なぜなら、イスラム国をもってイスラムを代表させるのは絶対に避けなければならない道だからです。その点において、日本のメディアが同組織をイスラム国という名称で報道してしまっているのは、ちょっとマズい点があります。

話を戻して、アルジェリアに関しては、この「カリフの兵士」を名乗る集団は、今年の9月にフランス人の山岳ガイドのおじさんを誘拐し、首を切る映像を流したことで急に有名になりましたが、他にどんな活動を展開しているのかはよくわかりません。

ナイジェリアのボコハラムも8月にカリフ国を樹立すると宣言しましたが、カリフ・イブラーヒーム(バグダーディー)に忠誠を誓ってはいないものの、イスラム国支持者たちからはナイジェリアはイスラム国の一部(一州)だとみなされている節があります。

世界にはイスラム武装組織が多数あり、既述のようにイスラム国のカリフに忠誠を誓っている組織もいくつかはありますが、それらがカリフに忠誠を誓ってイスラム国入りするかどうかというのは、現状ではわりとどうでもよいことだと私は考えています。

ABMの時にも書きましたが、各イスラム武装勢力が戦っている相手というのは現状においていろいろ異なってはいても、彼らの最終目的は世界のイスラム化であり、世界中をイスラム法で統治することである、という点において一致しています。

また民主主義を奉じイスラム法ではない法を施行する現政権と、イスラムの価値と相反する価値をムスリムに植え付けた張本人である欧米諸国を敵視しているという点においても、彼らは一致しています。

ですから、彼らがお互いに「がんばれ!」と声援を送り合ったり、「よくやったな!」と賞賛の声をあげたりすることは、実に普通のことで、誰をカリフにすえるべきかという問題は、万が一にも世界のイスラム化に成功した暁に考えればよいことであり、決して喫緊の課題ではありません。

それにイスラム法学的には、そもそも異教徒に対するジハードの開戦にはカリフの決定が必要であるという説が有力で、これまでイスラム武装組織は(無理矢理どうにか)「カリフ不在時もジハードは義務!」と主張して武装闘争を展開してきたわけですが、カリフが登場したのなら、そのカリフのジハード発動に乗っかった方がよくない???と考える組織があってもおかしくありません。

ABMに関しては、シナイ半島でどんなに頑張ってジハードを戦っても、これまではエジプトのローカルな話題で片付けられてきたので、イスラム国の名声(?)に乗っかって、世界(のメディア&人々)から注目されたいっ!という思惑もあるように思われます。

イスラム国が出来てから、世界のイスラム武装勢力の武器や人といった資源がイスラム国に集中するようになった、という説をとなえる人もいますが、少なくともエジプトに関しては、一定数の人がイスラム国に戦いに行ってはいますが、だからといってシナイ半島でのABMやアグナード・マスルの活動が沈静化したということは全くありません。

話がぐちゃぐちゃしてきましたが、要するに、世界のイスラム武装組織にとって、イスラム国の存在やそれと連携することは決してマイナスにはならない、ということです。

本家のアルカイダは、イスラム国をライバル視して、いわゆる「正統性」を争い合っている節もありますが。。。

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イスラム国の首切り問題

イスラム国と言えば首切り。

首切りと言えばイスラム国。

・・・と言っても過言ではない程、多くの人の中で両者は非常に深い関連性をもって結びつけられていると思います。

多くの人がこの首切りをイスラム国による恐ろしい蛮行ととらえている一方で、以前ここにも書いたように、それはイスラム的に正しい行為であると信じているムスリムも少なからず存在しています。

イスラム国側としては、もちろん、これを正統な行為として行っており、それを裏打ちするようなファトワー(法的見解)をフサイン・ブン・マフムード師という法学者が8月19日に発行しました。

これが最近になって、再度、イスラム国支持者たちの中で流布しています。

この見解の概要は、以下のようなものです。

これまでに何百万人ものムスリムがアメリカによって殺され、イスラム諸国の土地がアメリカ軍によって利用されてきた。イスラム法学者達は、敵であるアメリカ人を殺害することはイスラム的に合法であり、その財産を奪い、彼らを捕虜にした場合にはこれを殺害することも合法であるという点において合意している。そもそも全ての人類は、戦闘員である男が(イスラム的に)合法な(保護)契約なしにイスラムの地に立ち入った場合、(イスラム的には)その人間の財産も生命も奪うことが合法なのだということを知るべきである。

不信仰者の首を切ることが合法である点については、イスラム共同体の法学者たちの間で合意が成立している。ただし、その切り落とした首を別の場所に移したり、首をもって旅をすることが合法であるかどうかについては、見解の相違がある。

ユダヤ人やキリスト教徒、アラウィー派、シーア派といった不信仰者たちの首は容赦なく切り落とし、彼らの心に恐怖を植え付けねばならない。首切りは教友たちのスンナ(慣行)である。至高なる神は『コーラン』において、不信仰者の首を切るようにお命じになった。「あなたがたが不信心な者と出会った時は,彼らの首を打ち切れ。かれらの多くを殺すまで(戦い),(捕虜には)縄をしっかりかけなさい。」(『コーラン』第47章第4節)とあるではないか。

教友たちが預言者ムハンマドにとある人々の首を切ることを求めた際にも、預言者はこれを止めることはなかった。不信仰者の首を切ることは、預言者ムハンマドの時代には神の言葉に裏打ちされた、よく知られた行いであり、イスラムの歴史においてずっとそうであり続けてきた。

イスラムは宗教であり、ジハードなくしてそこに真の人生などなく、神の道において死することこそが究極の目的である。イスラムの若者たちよ、これがイスラムであると知るがよい。

神が最もよく知り賜う。


このファトワーの中ではイブン・カスィールابن كثير、クルトゥビーالقرطبي、ザマフシャリーالزمخشري、イブン・アティーヤابن عطية、マーワルディーالماوردي、イブン・アビー・シャイバابن أبي شيبة、バイハキーالبيهقي、サラフスィーالسرخسيといったスンナ派の名だたる法学者の伝えるハディースや法的見解が引用され、イスラム法的には、確かに、間違いなく、彼らからみた不信仰者の首を切り落とすことが合法であることが論証されています。

ここで(私のような)よそ者の不信仰者が、やれこんなの残酷だ、非人道的だだのと文句をつけてもしょうがないわけで、日本の刑法に死刑の規定があるのと同様に、イスラム法においては首切りの規定があり、日本に日本の価値感や道徳観があるのと同様に、イスラム法にはイスラム法の価値観や道徳観があるのです。

しかもイスラム法の規定の中にも、変更されうるものとされえないものがあるのですが、首切りのように、『コーラン』にきっちりと明言されている規定に関しては、人間がこれを変更することは決してできません。もちろん、これをどう運用するかは時代や地域によってもいろいろだったのですが、規定自体は変更できない明文規定です。

こうしたファトワーがウェブやSNSを通じて出回り、多くのムスリムがこれを読むことが、どんな意味を持つのか・・・?

もちろん、世界中の全ムスリムがこの見解に与するわけではないですが、他方『コーラン』に記された神の言葉は世界中の全ムスリムにとって絶対的真実であることも事実です・・・というか、これを否定した時点でもはやムスリムではない、というのが一般的な考え方です。

イスラム国について考える時には、彼らがとにかく、私たちが自明の善だと考えている自由や平等、民主主義、主権在民といった価値観を一切共有していない人々だ、ということをまず、認識する必要があると思います。

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エジプトでブリしゃぶ

時々カイロ在住ブログ読者の方々から、「そういえば最近は魚の話、ブログに書かないんですか?」なんて聞かれるので、たまには魚ネタでいきたいと思います。

一ヶ月程前にウブール市場に行って、そこでいろんなものを仕入れてきました。

ウブール市場というのは、カイロ空港からイスマイール通り方向に少しいったところにある、生鮮食品の総合市場です。野菜や果物なども売られていますが、私たちの目当ては当然、魚。

魚市場の建物は三棟あり、うち一棟は冷凍もの専門で、二棟が鮮魚を扱っています。

中はこんなかんじで・・・

IMG_3279.jpg

エジプト人の大好きなブーリー(ボラ)やブルティ(ティラピア)の他にも、ウナギやナマズ、エビやカニやイカなんかもいます。

IMG_3283.jpg

とりあえずこれは欠かせない!と15kgも購入した冷凍のサバ。

IMG_3285.jpg

サイズが小さくて日本で売れないサバが、冷凍されてエジプトに輸入され、激安で売られています。1kg15ポンド(約220円)くらいだったかなあ〜?

大量に購入し、近所の人にあげたりし、あとはその都度解凍して、焼いたり煮たりして食べます。ジャパンを思い出す味がします。。。

エビも美味しそう〜!

IMG_3313.jpg

魚屋のにーちゃんが、「これは生で食える!ほら、食ってみろ!」

と、その場で殻をむいて食べるように促します。

え・・・?!この場で、生のまま、このエビ食べるんですか?!
・・・ってか、食べなきゃいけないんですか?!

とかなり躊躇したものの、にーちゃんが生のまま、「ほれ、みてみろ、ウマいぞ!」とばくばく食べ、刺身の国日本の代表である私としてはここで引き下がるわけにはいかんっ!ということで、食べてみました。

・・・ウマいっ!

そして、甘いっ!

というわけで、こちらも大量購入。

(ってか私、結構勇気あるな。。。)

あと、今回買った珍しい魚がこちら。

IMG_3288.jpg

愛用のグローバル包丁と並べるとだいたいの大きさがわかります。こちら、エジプトでの名前はミヤース。

ミヤース???

مياس؟؟؟

うーん、初めて聞きました。。。

魚屋のにーちゃんが、「これはウマい!超ウマい!今日はタダでくれてやるから、家で食べてみろ。それでウマかったら、次に来た時に金を払ってくれればいい。マズかったら、金はいらない!」

と、ものすごい自信で薦めてきます。
うーん、これなんだろう?カンパチとかハマチに似てるな・・・でも、よくわからん・・・と思いつつも、にーちゃんの押しに負けて三本購入。

家に持ち帰ってよくよくみると、黄色のラインのはいったものもあり、ますますハマチっぽい。
(この黒い手は、私のです。。。)

IMG_3292.jpg

三枚におろし・・・

IMG_3298.jpg

皮をひくと・・・

IMG_3303.jpg

ますますハマチっぽい!

盛りつけると・・・

IMG_3307.jpg

もう、ハマチにしか見えません!

私は別に鮮魚のプロではありませんが、おろしている時に、「これは刺身でいけるっ!」という確信を持ったので、とりあえず一人でわさび醤油をつけて食べてみました。

・・・美味しいっ!!

味はハマチに間違いありませんっ!!

・・・といっても、長い間刺身のハマチなんて食べていないので、オリジナルの味を忘れ果てているのではないかという疑念は残りますが。。。

あと、エビもむいてみました。

IMG_3318.jpg

(実際にはこれの10倍くらいの量をむきました。。。)

うちでは珍しい食べ物が手に入ると、必ず友人らを呼んでみんなで食べるのですが、みなさん、私がいくら「刺身でいけるっ!」と言っても、「でも明日仕事が。。。」なんぞとおっしゃって、躊躇しているご様子。

ですので、ブリしゃぶ(正確にはミヤースしゃぶ)&エビしゃぶでいただきました!

Page-34.jpeg

いやー、すっごく美味しかったです!

焼酎がウマかった。。。

刺身でミヤースとエビを食べた私の体調も、何の問題もありませんでした!
(賭けに勝った気分。。。笑)

やっぱり魚あっての日本の食卓ですよね〜!

一緒に市場に行った友人は、魚屋とあーだこーだすごい勢いでやりとりをしている私に、「エジプトに長くいると、こんな風にできるようになるんですかね・・・汗」と、若干引き気味でしたが、これからも頑張って美味しい魚を入手すべくつとめたいと思います!

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エジプト武装勢力がイスラム国入り

ついにエジプトの武装勢力アンサール・バイトゥルマクディス(ABM)が、イスラム国に従うことを宣言しました。

1週間程前に「カリフに忠誠を誓う」という声明文を発表したものの、この声明文は偽物だ!だの、本物だ!だの諸説乱れ飛んだのを経て、今回出されたのは音声による声明文の読み上げです。

概要は以下。

ユダヤ人と十字軍、イスラムの背教者らによってムスリムが蹂躙されている昨今の状況下に、ジハード(聖戦)を戦う者として選ばれた戦士達である我々は、イラクにイスラム国を建設し、シャリーア(イスラム法)を適用し、ハッド(法定)刑を実施している信者の長、カリフ・イブラーヒームに忠誠を誓う。エジプト国民よ、いつまで背教者の圧政下に甘んじているつもりなのだ?神の命令に従い、剣をもって立ち上がり、神の道において悪魔どもと戦い、エジプトにイスラム国を建設しようではないか!

そしてシナイ半島は早速、イスラム国の「シナイ県」として認可(?)されたようです。

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もう少ししたら、「さっきの音声メッセージは偽物だ!」「いや本物だ!」だのいう論争が再度始まらないとも限りませんが、一応これが本物だとすると。。。

ABMは、エジプトで政府や軍・警察、エジプト一般国民、エジプト在住外国人などをターゲットとするテロ活動を行っているイスラム武装組織です。

もともとの活動拠点はシナイ半島北部で、シナイ半島に住む部族民とガザからやってきたハマスのメンバー、エジプトのムスリム同胞団員で主に構成され、戦略や武器、武装訓練などに関しては同胞団がかなりコミットしているとされてきました。

ムスリム同胞団は、イスラム国からみると裏切り者、背教者の腐敗組織です。なぜなら、西洋由来の民主主義とやらを標榜し、選挙とやらによって政権をとるというストラテジー自体が、イスラム国的にはハラーム(禁止)だからです。

議会選挙でも大統領選挙でも勝利したにもかかわらず、2013年の夏の政変で政権の座を負われた同胞団は、今でも「正統性は我々のもとにあり、今のエジプト政府は不正なクーデター政府だ!」と主張して、エジプト各地でデモや騒乱を起こしています。

そして一方では、何がどこまで本当なのかわかりませんが、ABMやアジュナード・マスルといったテロ組織をつくり、あるいはそこに参画し、エジプト政府や軍、それを支持し自分たちを政権の座からおいやった無知蒙昧でジャーヒリーヤ世界に属すエジプト国民に対するテロ攻撃を行ってきました。

ABMが同胞団からの支援を受けてきたことは間違いありませんが、ここへきてイスラム国のカリフに忠誠を誓ったということは、

1)同胞団からの支援(資金や武器)が滞ってきている→イスラム国にそのへんを頼りたい
2)同胞団を政権の座からおいやったからではなく、民主主義を奉じているだけで現エジプト政府が十分にジハードの対象となる
3)現エジ政府を倒したとして、次にあるべきは同胞団が主導するイスラム民主主義などではなく、イスラム法にもとづく統治でなければならない

と考えたからだ、と推測されます。

ABMが今戦っている相手はもっぱらエジプト軍です。たまにイスラエル側に迫撃砲を撃ち込んだりもしていますが、イスラエルや欧米諸国がシナイ半島におけるテロとの戦いに参加しているわけではありません。

またABMに入り込んでいるハマスのメンバーにしても、目的は聖地エルサレムの奪還とそこにおける「パレスチナ国家」の建設です。

そういった「近い目標」や「近い敵」という点においては、イラクとシリアにまたがった地域に建国され、欧米およびアラブ諸国からなる有志連合軍やシリア軍、イラク軍と戦うイスラム国とABMは全く異なります。

しかし、世界全てをシャリーアで統治し、イスラムで満たす、という「最終的な目標」という点において、両者は一致しています。

また実際に、イスラム国の資金や武器などがシナイ半島に流れれば、エジプト政府にとってはますますやっかいなことになるのは目に見えていますし、イスラム国は先日、「シナイ半島だけじゃなく、カイロのど真ん中に戦場をもってこなければならない」云々というメッセージを出してもいるので、テロがエジプト国内に今以上に拡散する可能性もあります。

2年前くらいまでは、エジプトではよく「エジプトにアルカイダはいるか?いないか?」なんてことが議論になったのですが、アルカイダとイスラム国とではいろんな意味で異なっており、エジプトにイスラム国のアフィリエイトのような存在ができてしまうと、アルカイダの場合の数倍は大変なことになると思います。

ちなみに今のイスラム国のカリフ・イブラーヒーム(いわゆるバグダーディー)は、死んだとか負傷したとかいう説が流れていますが、たとえ死んだとしても大勢に影響はありません。またみんなで、次のカリフを選び、あらたにバイア(宣誓)を行えばいいだけの話です。

さあさあ、いよいよエジプトもイスラム国問題に関わらざるを得なくなってきました。

・・・いや、楽しみにしている訳ではありませんので、念のため。。。

(こういう話がでると必ず、これはエジプト政府がシナイ半島を攻撃しやすくするためにやっている自作自演だ、みたいな説が流れますが、まあ、そういうのはおいとくことにします。)

プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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