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アルジャジーラの視聴率@エジプト

先日、カタールにあるThe Northwestern Universityという大学が発表した調査によると、エジプトにおけるアルジャジーラの視聴率は20%とのこと。

単純に視聴率といって20%とくると、日本の感覚ではものすごい高視聴率のように感じますが、この数字は、「ニュース情報を得る際に最もよく依拠するメディアは何ですか?」という質問に対し、「アルジャジーラ」と答えた人の割合が、エジプトでは20%いたことを示しています。同じ質問に対して、バーレーンでは4%、チュニジアでは9%の人のみが「アルジャジーラ」と回答しており、アラブの春が起こった諸国ではアルジャジーラ人気が低迷していることがうかがい知れます。

アルジャジーラ・・・というかジャズィーラは、カタール、サウジアラビア、UAE、ヨルダン、レバノンでは今でも最も人気のあるチャンネルであるとのことですが、何か不思議な感じですねぇ。 ジャズィーラは今でも、シリア反体制派を何が何でもアサド政権に勝たせるぞ!という姿勢を鮮明にした報道(というよりは支援活動?)を継続していることに見られるように、いわゆるアラブの春では反体制派を無条件で応援してきたのですが、アラブの春が起こった国で人気が落ち、起こっていない国で相変わらず人気がある・・・という(笑)。ジャズィーラの報道が、本当はものすごく偏っているということが、だんだんアラブ諸国の人々にもバレてきたのかもしれません。

私が注目したのは、既出の質問に対するエジプト人の回答です。結果は以下の通り。

同率一位 エルハヤート(衛星チャンネル) 23%
同率一位 エジプト国営放送(地上派チャンネル) 23%
三位   CBC(衛星チャンネル) 21%
四位   アルジャジーラ(衛星チャンネル) 20%
五位   エンナハール(衛星チャンネル) 12%
同率六位 エルファダーイーヤ・エルマスリーヤ(衛星チャンネル) 10%
同率六位 ドリーム(衛星チャンネル) 10%
八位   エルミフワル(衛星チャンネル) 9%
九位   エンニール リルアフバール(衛星チャンネル) 8%
十位   エルアフバール(衛星チャンネル) 4%

この結果から理解できるのは、主に以下の三点です。

1)エジプトではやはり地元メディアが強い
2)エジプト人はニュース情報をもっぱらテレビから得ている
3)エジプトでは革命後も相変わらず国営テレビが強い

1)に関しては、四位のアルジャジーラ(・・・というかジャズィーラですけど)以外は、全てエジプトの地元メディアです。地元メディアでは当然、年がら年中エジプトのことをやっているわけで、エジプト人はやっぱりエジプトのことに興味関心が集中している・・・という、ある意味当然の結果を表しています。

2)に関しては、例えば同じ質問に対して、バーレーンでは一位にGoogle、五位にFacebook、十位にTwitterが来ており、チュニジアでは一位にFacebook、二位には地元のFM局がきています。それにひきかえ、エジプトでは回答十位までが全てテレビ局、というかなりのテレビ偏重傾向が見られます。しかし、チュニジアでは52%の人が、最も依拠するニュースソースとしてFacebookをあげているというのはどうにも信じがたい・・・というか、質問者が若者などにかなり偏っていることを想像させます(一応回答者は18歳以上とだけ記されています)。でも、そうだとするならば、エジプトの若者〜中年層もかなりFacebook大好きな割にはFacebookが上位にきていないなぁ・・・とよくわからない点もあります。

3)に関しては、2011年の革命の際、国営テレビはタハリールで反体制デモが激化しているにも関わらず、料理番組などをひたすら流して国民のひんしゅくをかったなんてよく言われているのですが、その割には今でも国営チャンネルに対する信頼度が高い点が注目に値します。ちなみに、九位のエンニールも、国営テレビの衛星版ニュースチャンネルです。以前、エジプト国営テレビの報道局長にインタビューしたことがあるのですが、その時に彼は、「革命を通して国営テレビの信用度は失墜したので、今は国民の信頼を得ることを第一の目標に掲げた公正な報道を行っている」と言っていました。その努力の結晶がこうした結果に反映されている・・・というよりはやっぱり、ニュースは国営放送だよね〜という惰性(?)のようなものが、脈々と続いているのだと思います。NHKが何かやらかしたとしても、ニュースはNHKだよね〜という日本人がやっぱり多いのと同じようなものでしょう。

エジプトでは国営テレビを始めとする国営メディアは、完全に政府、つまり同胞団の統括下にあります。独立系メディアはこれを「メディアのアフワナاخونة(同胞団化)」と言って激しく批判していますが、エジプト国民の多くはいまでも、この同胞団化された国営メディアから好んでニュース情報を得ているようです。エジプトではイマイチ、ちゃんとした野党や、ちゃんとした反体制派や、ちゃんとした反体制メディアが育っていないのですが、やはり国民の中にそうした反体制的素地がないことがその主たる要因なんだろうな、ということが、こうした調査結果からもうかがい知れます。

エジプトのニュースだけではなく、中東全体のニュースをフォローする立場としては、情報のスピードという点ではやっぱりジャズィーラが一番で、それゆえジャズィーラを見ていることが多いのですが、事件によってはアラビーヤがやたら早い時もあります。でもジャズィーラやアラビーヤは、とんでもない誤報やとばしもバンバン出すので、その点は要注意です。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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