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エジプトのシャリーア適用支持率74%

4月30日に発表されたピュー・リサーチ・センターPew Research Centerの調査結果によると、エジプト人の74%が自国におけるシャリーア(イスラム法)の適用を支持しているそうです。

この調査は、2008年から2012年にかけて、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカといった諸地域の39カ国に居住する3万8千人のイスラム教徒に対して、対面式のインタビュー方式で行われたものです。

シャリーア適用については、最も支持者が少なかったのがアゼルバイジャンで8%、最も支持者が多かったのがアフガニスタンで99%(!!)。これを見る限り、やはりアフガニスタンはタリバンがゴリゴリのシャリーアで統治するのが最も正しいのではないか・・・と思ってしまいます。

ナイジェリアのムスリムは71%、インドネシアは74%、モロッコは83%、パキスタンは84%、パレスチナは89%、イラクは91%がシャリーア適用を支持しているので、シャリーア熱についてはエジプトはインドネシアとだいたい同じ?という感じなんでしょうか・・・(こんな風にとらえても何の意味もないですが・・・)。中東で、シャリーアなんて適用しなくていいよ、と考えているのはレバノン人くらいで、こちらのシャリーア適用支持率は29%。世俗派イメージの強いチュニジアですら、シャリーア適用支持率56%です。

同調査には非常に興味深い質問が数多くあるのですが、今回はその中でも、シャリーア関係を中心にみていきたいと思います。

まず、「シャリーアは神によって啓示された言葉そのものだと思いますか?」との問いに対し、「はい」と答えた人の率はパキスタンとヨルダンで81%、エジプトとパレスチナで75%、アフガニスタンで73%、モロッコで66%となっています。

え・・・?!

もう、これにはびっくりの一言です。

シャリーアは確かに「神の法」です。でも「神の言葉そのもの」なのは『コーラン』だけであって、シャリーアはあくまでも神の啓示を人間が解釈した産物であるはず・・・。っていうか、そもそもシャリーアって「これっ」て目に見える形で存在してないしっ!!

でも多くのムスリムにとって、「シャリーア」=『コーラン(アル・クルアーン)』なんでしょうね、この結果をみると。現代ムスリムは近代以前と比較して、『コーラン』とハディース偏重傾向があると認識していたのですが、ハディースとかどこへいっちゃったんですかねぇ?・・・はぁ、ショック。

続いて、「シャリーアの解釈はひとつだけだと思いますか、それとも多様な解釈があると思いますか?」との問いに対して、「ひとつだけ」と答えた人の率は、タジキスタンで70%、アフガニスタンで67%、パレスチナでは51%、モロッコでは22%となっています。

こちらはそんなに高くないんですねぇ。つまりムスリムの多くは、「シャリーアは神の啓示、でもそれを解釈するのは人間だから解釈に多様性はつきもの」と思っているということのようです。

「シャリーアは全ての国民に適用されるべきですか、それともムスリムだけですか?」との質問に対しては、なんとエジプト人の74%が「全ての国民に適用すべき」と回答。この割合は、どの国よりも多いです。ということは、エジプトに住んでいるエジプト人の多くが、「エジプトにはコプトってのがいるが、コプトにもシャリーア適用すべき」という考えを持っているということです。

ちなみに、シャリーアでもキリスト教やユダヤ教の人は、私法に関しては基本的に自分たちの宗教法に則ってよし、とされていますが、ムスリムの絡む問題はもちろんシャリーアでさばかれることになっていますし、ムスリム統治下におとなしく暮らしていることが前提とされます。実態はともかく、これはあの、日本のイスラム研究者たちが大好きな「イスラムの寛容」的な、アレですね。

「シャリーアの法定刑が窃盗などの罪に対して適用されるべきだと思いますか?」という問いに対しては、パキスタン人の88%、アフガニスタン人の81%、パレスチナ人の76%、エジプト人の70%が「はい」と回答。法定刑というのはいわゆるハッドのことで、窃盗に対しては手首の切断、姦通に対しては未婚者なら鞭うち、既婚者なら石打ち云々という、アレのことです。

「姦通者に対して石打ち刑を適用すべきだと思いますか?」という問いに対しては、パキスタン人の89%、アフガニスタン人の85%、パレスチナ人の84%、エジプト人の81%が「はい」と回答しています。中東ではトルコが26%とすごく低くなっています。これはロシアや中央アジア諸国と同じくらいの割合。つまりトルコでは、姦通は絶対にしちゃいけない、というイスラム的道徳観は、既にロシア・中央アジアのムスリム程度には崩壊しているということでしょうか。

ちなみに、イスラム法でいう姦通というのは、日本における姦通というのと全く別概念で、婚外交渉(結婚していない二人が性的交渉を行うこと)の全てを姦通とみなします。かつては、「女奴隷とその主人」の性交渉はオッケーという規定があったのですが、今の世の中にその関係はおそらくない・・・(汗)と思われますので。

この後さらに、私個人としてはかなりショッキングな質問&回答がありまして、それは「棄教(背教)者は死刑に処するべきですか」という質問で、これに対してエジプト人の86%が「はい」と答えています。これに続くのが、ヨルダンの82%、アフガニスタンの79%、パキスタンの76%です。信教の自由とかいうものは、やっぱりイスラム圏においては全く受け入れがたい種の自由のようです。というより、基本的にイスラム教徒は無条件的な自由なんてものはそもそもなくて、神の法ありきの自由という考え方を持っているので、その中に神の正しい宗教から脱却するなんて不届きな行いを認める自由なんてものはない、と考えるのが普通ですが。

・・・と思いきや、「信教の自由を支持しますか」という質問もあって、それには77%のエジプト人が「支持する」と回答してるし・・・?!矛盾してるじゃん?!つまり、信教の自由という言葉で意味するものが、違うってことですね、私とエジプト人とでは。私にとっての信教の自由には棄教の自由も含まれますが、彼らにとってのそれはおそらく「違う宗教に属している人がその宗教を信仰し続ける自由」だけを意味し、「イスラムって他人に宗教を強制しないの(←『コーラン』にそう書いてある)。ほら、寛容でしょ」っていうことにしたいだけなんだと思われます。

「国の現行法とシャリーアはどの程度近いと思いますか?」との問いに対しては、レバノン人の79%、パレスチナ人の59%、エジプト人の56%が「殆どあるいは全く近くない」と答えています。これに対して、「全く近くない」と答えた人の割合はモロッコでは26%、アフガニスタンでは11%とかなり低く、両国では現行法とシャリーアがかなり近いものだという認識を国民が持っているようだということがわかります。

また「法がシャリーアに従っていないことは悪いことだと思いますか?」との問いに対しては、パキスタン人の91%、アフガニスタン人の84%、パレスチナ人の83%、モロッコ人の76%、エジプト人の67%が「悪い」と回答しています。

こういろいろ見ていくと、世界のイスラム・ゴリゴリ国家ナンバーワンは、やっぱりアフガニスタンもしくはパキスタンで、アラブではエジプト、パレスチナ、ヨルダンあたりがかなりゴリゴリなんだな、という印象です。

シャリーアのネタ以外は、またいずれとりあげたいと思います。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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