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シリア内戦=スンナ派vsシーア派?

先の金曜日(5月31日)、カラダーウィー師が金曜礼拝の説教において、スンナ派ムスリムに対し、「シリアに行ってシーア派と戦え!!」と呼びかけました。

カラダーウィーというのは、御年86歳の、世界で最も影響力のあるスンナ派ムスリム法学者のひとりです。エジプト人なのですが、あれこれあって、今はドーハを拠点に活動中。この説教も、ドーハで行われたものです。

カラダーウィーが許せない!と思っているのは、シリア内戦にアサド政府側の味方としてイランとヒズボラが参戦していることのようです。

日本語では「ヒズボラ」と表記するのが一般的なこの集団は、レバノンのシーア派イスラム組織で、アラビア語での正式名称はحزب الله(「神の党」の意)といいます。カラダーウィーは「神の党を名乗るなんて僭越至極!!」と怒った上で、「こいつらは悪魔の党だ!」と述べ、「悪魔の党とイランがシリアにやってきてスンナ派ムスリムと戦っているというのに、我々がぼんやりしていていいはずはないっ!!」と、スンナ派の人々に参戦をけしかけました。

さらに、「世界に1億人しかいないシーア派ムスリムが、世界に17億人いるスンナ派ムスリムを打ち負かすとしたら、それは我々スンナ派が弱いからという理由に他ならない!」とまで言っています。

つまりカラダーウィーの中では完全に、「シリア内戦=スンナ派vsシーア派の宗派闘争」だというわけです。

一応、「私はヒズボラと戦えと言っただけで、全シーア派を敵に回せと言っている訳ではない」とか付言しているのですが、全体の趣旨をみると・・・ねぇ?

彼の論理によると、現在、世界中のスンナ派とシーア派の代理戦争がシリアで行われているわけで、多数派であるスンナ派がこんなちっぽけな相手に負けるのは挟持の問題にかかわる、だから戦うことの出来るスンナ派ムスリムは、率先してシリアの戦いに参戦せよ、といったところのようです。

カラダーウィー発言の世界的影響力が大きい理由はいくつかあるのですが、最大の要因は彼の発言がアルジャジーラで放映されるという点にあります。カラダーウィーのパトロンはカタール王室であり、カタール王室の意向がカラダーウィーの口を介し、アルジャジーラ経由で世界に発信されるというお決まりのパターンがあるわけで、その主旨は「あの有名なカラダーウィー師」が発言することで、なんだか権威のあるモノとしてスンナ派の人々に伝わります。

カラダーウィーがもともとエジプトのムスリム同胞団出身で、世界の同胞団員に支持されている、というのも、理由のひとつです。

逆に最近は、カラダーウィーが同胞団だから嫌だ、とか、カラダーウィーつながりでアルジャジーラが同胞団支持にまわったのが許せない、とか言って、エジプトではカラダーウィー&アルジャジーラ離れが進んでいる向きもあるのですが。

シリア内戦の背後には、カタールの思惑が働いているということは、しばしば指摘されているとおりです。シリア内戦が今後どうなるかを見据える上で、カラダーウィーの発言はなかなか大きな意味を持っていると私は思っています。

・・・というと、今後シリア内戦は本当に泥沼の宗派戦争になってしまいそうで恐いのですが。。。

今シリアでは、イランとヒズボラというシーア派勢力がアサド政権側として参戦している他、反政府勢力側としてアルカイダ系のスンナ派勢力が参戦してもいます。

イラン&ヒズボラとアルカイダだったら、どっちに味方する?と尋ねられたら、西側諸国は頭を抱えて考え込んでしまうと思いますが、シリアでこのやっかいな両者が殺し合いをしてくれたら、一時的ではあれ、いわゆる漁夫の利を得られるのが西側諸国だったりもします。

人と人の殺し合いを、自らの損得だけで斟酌する。政治っていうのは、おそろしいものです。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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