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「ムルスィー大統領に服従せよ」

今回の政変について、昨日、カラダーウィー師がファトワーを発行しました。

カラダーウィーはムスリム同胞団出身の有力&有名スンナ派ウラマーです。もちろん、エジプト人。

ファトワーの全文はこちら

同ファトワーによると、

ムルスィーはエジプト国民が初めて自らの手で選んだ大統領であり、彼を失脚させることは、憲法の上でも、正統性の上でも、過ちである。スィースィーの行いは過ちであるから、エジプト国民と政治諸派は彼の過ちを正さねばならなかったのに、逆に皆で大統領を裏切った。これは全然ダメ。

とのこと。

同胞団は、今回の政変は軍事クーデターであり、我々に正統性الشرعيةがあるとずっと言い続けており、この正統性ってなんのことだろうなーと思っていたのですが、このファトワーによると、正統性ってのは次のような意味があるようです。

正統性の点に関しては、エジプト国民が文民国家の最高権威として望んでいるものがイスラムの法الشرعであり、彼らは神権制の宗教国家を望んでいるわけではない。これを支持する者はすべて、選挙によって選ばれた正統な大統領に服従し、彼の命令を実行しなければならない。

なるほど。

つまり、エジプトは憲法の統べる法治国家だけど、最高権威となるシャリーアがその上に君臨しているのだから、シャリーアを奉じる者は須らく憲法を順守しなければならず、したがってムルスィーに服従しなければならない、ということのようです。

論理破綻してますが・・・。

ファトワーは以下のように続きます。

ただし、これは二つの条件を前提としている。第一は、大統領が、神のもとでの罪となることを国民に命じていない、ということ、第二は、大統領が、不信仰となることを国民に命じてはいない、ということである。ムルスィー大統領は、国民に対して、罪も、不信仰も命じてはいない。だから、この大統領を裏切ってはならない。

かなり緩い条件・・・です。

そして次のように締められます。

選挙で選ばれた大統領を裏切ることは、エジプトにとってはハラームであり、反憲法。エジプト国民は一丸となって、革命を護り、自由と民主主義を守り、独裁と軍政を防がなければならない。

うーん。一応ハディースとか引用しているのですが、なんとも説得力に欠けるファトワーです。

これに対して、今日のエルヨウムッサービウには、面白い記事が載っていました。

カラダーウィー師の三男で詩人のアブドゥッラフマーン・ユースフ・エルカラダーウィーعبد الرحمن يوسف القرضاوى氏の寄稿です。

「親愛なるお父さん、ごめんなさい。ムルスィーに正統性はありません。」という題。

主旨は以下です。

我々はムルスィーをエジプト革命の大統領として選んだのに、彼は我々のあらゆる求めを裏切ってきた。彼自身が憲法を守っていないし、閣僚と合意のもとに政治を行うこともしないし、多数派の見解を考慮することもない。これでどうして、エジプト国民すべての大統領ということができようか?大多数の民衆が、この指導者に正統性はないと合意したのなら、その指導者に正統性はない。正統性は、民衆に起因するものなのだ。

なるほどねー。

今、タハリールでやっている、「民衆に由来する正統性」と銘打ったデモは、そういうことなんだと思います。

同胞団は、既に停止された憲法と、イスラムのシャリーアに立脚した正統性を主張し、反同胞団側は、あくまで民衆パワーを正統性の根源としている、ということのようです。

方やスンナ派法学者、方や詩人。方やエジプト人だけどカタールに囲われた状態、方やエジプト民族主義者。

親子対決、実に面白いです。(マニアックですみません。)

ちなみに、日本語の記事ではこの「正統性」を「正当性」と書いてあるのをよく見るのですが、同胞団も反同胞団派もともに、我々が正しい!(正当性)と主張しているだけではなく、その根拠を問題にしているので、「正統性」を使うべきだと思います。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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