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ムスリム同胞団がコプト教徒を嫌う理由

一昨日発生したワッラーウの教会襲撃事件は、まだ真相が不明であるにもかかわらず、エジプトメディアにおいては完全にムスリム同胞団のせいにされています。

いつものことなのですが・・・。

今日の新聞の中でも、特に同胞団への憎悪をむき出しにしているのがタハリール紙。

「ワッラーウにおける同胞団の犯罪」って、もう勝手に決めつけています。

DSCN1503.jpg

この写真の女の子は、体中に13発もの銃弾を浴びて亡くなったとされています。

本当にかわいそう・・・。

元同胞団幹部のサルワト・エルハルバーウィーによると、この犯行は同胞団のマフムード・エッザトが計画し、イスラム団のメンバーが実行した、とのこと。目的は、「エジプトを混乱に陥れること」だそうで。

ハルバーウィー曰く、エジプトにあるイスラム団やジハード団、様々なジハード系サラフィー組織は、本当は全部「同胞団の分派」であり、全て同胞団の附属組織だとのこと。

同胞団は、コプト教徒や教会を襲撃することで内乱を引き起こし、観光産業にダメージを与え、デモを行うことで社会を麻痺させ、裁判を欠席して裁判の進行を遅らせ、軍や警察・政府庁舎を攻撃して治安を悪化させる・・・といったあれこれを通じて、エジプトをカオスに陥らせようとしている!・・・と同氏は述べています。

つまりこのところエジプトで起こっているあらゆる治安関連の事件は、全て同胞団によって計画され、その手下の者達によって実行されている、ということのようです。

・・・あまりにも悪意に満ちた適当すぎる発言・・・な気がするのは、私だけでしょうか?

同紙は、モルシ政権崩壊後だけでも、同胞団は17人のコプト教徒を殺害し、85以上の教会に放火した、ともしています。

DSCN1502.jpg

また、アラーウ・アザミーの書いた「なぜ同胞団とその支持者はコプト教徒を嫌うのか」と題するコラムでは、今や同胞団とその他イスラム武装組織は、「モルシ政権を打倒せしめたエジプト国民に罰を与えるため、国をカオスに陥らせる」という一致した目的を持っており、その実現の一環としてのコプト教徒への攻撃の淵源は、歴代の同胞団指導者たちのファトワーに見て取れる、としています。

DSCN1501.jpg

アザミーは『エジプトの教会』という本からの引用として、同胞団設立者のハサン・エルバンナーは、「啓典の民とはどんな事柄においても協力してはならない」と述べており、これがタクフィール思想の祖であるサイイド・クトゥブに影響を与えた、としています。クトゥブは、コプト教徒は多神教の罪を犯しているので世俗主義者と同類であり、これはジャーヒリーヤに属するものとして粛正の対象である、と論じました。

また同書によると、第五代団長のムスタファー・マシュフールは、エジプト軍にはコプト教徒は入隊させてはならず、そのかわりにコプトはジズヤ(人頭税)を支払うべきである、という持論を述べていたそうです。マシュフールは、コプトがエジプト軍にいて、いざキリスト教国と戦争になった場合、コプトは敵の見方をしかねないから危険である、と考えていたそうです。

さらに前の同胞団ムフティーであるムハンマド・アブダッラー・エルハティーブは、イスラムの地における教会建設に対する判断を3つに場合分けして、次のようなファトワーを発行したそうです。

(1)イスラム教徒が新たに切り開き、住み着いた土地、例えばマアーディーやヘルワーンのような場所には、そこに教会やシナゴーグを建設することは禁じられる。

(2)イスラム教徒が武力によって異教徒から奪い取った土地、例えばアレクサンドリアのような場所にも、教会やシナゴーグを建設することは禁じられる。またウラマーの中には、ここはムスリムによって所有されている土地であるとして、既存の教会やシナゴーグの破壊を義務とする者もいる。

(3)イスラム教徒が異教徒との和平によって統合した土地、そこには新たな教会を建設することは禁じられるが、既存の教会やシナゴーグに関しては、そのままにしておいてもかまわない。

まあ、これは平たく言えば、エジプトの地にある教会は、基本的には破壊してもよい・・・というか、破壊することが義務である、ということなんでしょう。

ハティーブは、他にもコプトへの敵意を煽るようなファトワーを多く発行しているそうで、もしコプトがムスリムに「アッサラーム・アレイクム(あなた方の上に、平安あれ)」と挨拶をしてきたら、「アレイクム(あなたにも)」とだけ返答し、「サラーム」をつけて返答してはいけない、とか、ムスリムの家のお手伝いさんはムスリマでなければならない、とか、ムスリム男性はコプト女性と結婚してしまったら、その子どもがコプト色に染まらないようにきっちりしたイスラム教育を施さねばならないとか、ムスリム墓地にはムスリム以外は埋葬してはいけないとか云々・・・

教会や挨拶にかんするファトワーは、イスラム初期から現代まで同じようなものがアラブ各地で多数発行されており、イスラム法の伝統をつよーーーーーーく感じます。

コプト教徒に対する敵意が、バンナー以来脈々と継承されてきたとするならば恐ろしいことですし、選挙の際に自由公正党がコプトを副党首に担ぎだしたり、モルシはみんなの大統領〜とか宣伝していたのは何だったんだっ?!と憤りを感じてしまいます。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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