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女髪切り魔出没中

このところエジプト各地で、「女髪切り魔」が出没しています。

昨日、一連の「女髪切り魔」事件の中で、最初に起こった事件の犯人に対する裁判が開かれ、犯人に懲役6ヶ月、執行猶予3年の実刑が言い渡されました。

こちらがその犯人。

Veiled-teacher-in-Luxor.jpeg

こちら、被害者。

s1020123012269.jpeg

被害者である女の子の髪の毛は、片側だけ短くなってしまっているのがわかりますが、それを無理矢理切断したのが、既出のニカーブ(ニカーブについての詳細はこちら)をかぶった女性です。

この女性はルクソールにある小学校の教師で、被害者の女の子はその生徒(小学校6年生)です。教師は10月17日、この子を含む二人の女子児童(生徒)がヒジャーブをかぶっていないことに腹をたて、強制的に二人の髪の毛を切った上で、二人にヒジャーブをかぶるよう命じました。

裁判は二回開かれたのですが、教師は二度とも出廷せず(エジプトの裁判ではなぜか被告人が欠席することが非常に多いです)、そのかわりに彼女の弁護士が5人も出廷して、彼女の権利を弁護したそうです。彼女の行為は2008年につくられた子どもの権利法126条に違反するとして、実刑判決が下されました。

当日の法廷内の警備は非常にものものしく、その時点で判決は厳しいものになるだろうということが予想されたそうです。ものものしい警備は、傍聴者たちが実力行使をして判決に反対する場合に備えてのものだったのでしょう。

そして今日のエルヨウムッサービウاليوم السابع紙には、また新たな髪切り魔事件に関する記事が掲載されていました。

DSC04304.jpg

写真右側が被害にあった女の子、左側が切られてしまった彼女の髪の毛です。

彼女は中学二年生(13歳)のマギさんというキリスト教徒なのですが、通学のために地下鉄に乗車し、学校のあるالحلمية الزيتون駅で下車した時に、初めて自分の髪の毛が切断されていることに気づいた、ということです。それで彼女は、混み合っていた地下鉄車内でニカーブをかぶった女性が自分の背後に立ち、「あんた、今のその格好は何?なんにもわかっちゃいないのね」と言ったことを思い出したそうです。

彼女の両親は警察に届けをだし、早くこのニカーブ女を逮捕してほしいと内務大臣に懇願したそうです。マギちゃんは精神状態をくずし、ものも食べられない状態だそうで、本当にかわいそう・・・。

エジプトでは革命後、ニカーブをかぶる女性が増えたと言います。公の場でのイスラム的恣意行為を厳しく制限してきたムバラク前大統領が退陣したことで、イスラム主義政党が多く認可され、イスラム主義大統領も誕生し、ジハード主義者が公の場に「私はジハード主義者ですっ!」と登場することすら可能になるなど、「イスラム的自由」が大幅に広まりました。

ニカーブをしたい人がニカーブをすることのできる環境は、よいものだと思います。その環境下で、ニカーブをかぶりたい人がかぶればいいのだ、と思います。しかしこれはあくまでも、外国人でありムスリムでもない私の考え方です。問題は、ニカーブをかぶっている女性の一部に、「女は全員ニカーブをかぶらなきゃいけない」と思い込んでいる人がいる、という点です。

既出の小学校教師は相手がまだ子どもなので、髪の毛を隠さないくらいならこうしてやれ!と髪を切ったあげく、(彼女的には)百歩譲って「ヒジャーブかぶれ」と命じたのでしょう。地下鉄のニカーブ女は、相手がキリスト教徒であることなどまったく眼中にないまま、ただ髪の毛を隠していない女の子がいるという事実が許せない!という思いだけで、彼女の髪を切るという暴挙に及んだのでしょう。

これらの「女髪切り魔」が本当に、神の命令に忠実なよき信徒であり、彼女らの行為は神によって讃えられるべきものなのでしょうか?その真の答えは「神のみぞ知る」なはずですが、残念なことに、ここエジプトには「彼女らこそ真のムスリマだ」と疑念の余地なく答える人々も少なからず存在します。

とはいえ、現状のエジプト司法は女教師の行為を違法と判断したのですが、その源となっている現行法がイスラム主義者からみると神への反逆の象徴であるという点が何とも・・・なわけですが。

これ以上、へんな正義感や使命感にかられて、あるいは教師や大人という「強い」立場を濫用して、同様の犯行を行う模倣犯のような人たちがでてこないことを祈るばかりです。

私も大学生の時、通学途中の地下鉄車内で着ていたブラウスを切り刻まれるという恐怖体験があって、なんだかそのことを思い出してしまいました。その変態はさすがに、一応、自分がやっていることは悪いことだと思っていただろうと推察するのですが、女教師や地下鉄ニカーブ女は正しいことをやっていると信じているだろう点が・・・やっぱり許せん!!(いや、変態も許せないのですが・・・)
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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