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ひとつ目の偽救世主現る?!

エジプトでは今、夏にイスラエルで生まれた「ひとつ目の赤ちゃん」をめぐって、大論争が巻き起こっています。

というのも、Facebookである人が、「この子どもは偽救世主ダッジャールだ!」として、この子のビデオをとりあげたためです。

※【閲覧要注意】ビデオはこちら

エジプト紙「エルヨウム・エッサービウ」がこれについてまた、「この子は本当に偽救世主ダッジャールなのか?!」とあおるような記事を掲載。

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同紙のFacebookページには、ものすごい数のコメントがよせられています。

例えば、

「この子は間違いなくダッジャールだ!!」「ああもう終末は近いのか・・・」

といった諦観ものから、

「でもダッジャールの出現前の前兆がみられないのではないか?」「いやいや、シリア内戦がダッジャール出現の前兆そのものなのでは?」

といった検証もの、

「この子は先天的な病気なのだろうから、そんなことをいったら可哀想・・・」「神様だけが、本当のことをご存知」

といった同情ものまで様々。

そもそも偽救世主ダッジャールというのは、イスラム教の宗教書においてしばしば言及されてきた存在で、ダッジャールの出現が終末のひとつの前兆であるとされています。

ダッジャールについての言及は『コーラン』にはありませんが、『ハディース』(預言者ムハンマドの言行録)には多くあり、それらによるとダッジャールは、

・左目がつぶれて、右目のみがあいている
・肌は赤く、髪は黒く、額にクフルもしくはカーフィルと書かれている
・地上に現れると「我こそはお前達の主」と言い、40日間地上を支配するが、その1日は1年にも1ヶ月にも感じられる
・人々に偽の繁栄をもたらし、人々を信じさせる
・ダッジャールの出現以前に、ダマスカスとアレッポでムスリムたちとキリスト教徒たちの戦闘が繰り広げられる

とされています。

エジプト人に限らず、イスラム教徒はみな、いつか「この世」が終末を迎え、「来世」がやってくると信じているので、「その時」がいったいいつやってくるのか?、その兆候はどういったものか?という「終末論」議論が大好きです。

ダッジャールも終末論には欠かせない要素・・・というのはもちろん、私は知っていますが、だからといって、こうした単眼の赤ちゃんとダッジャールを容易に結びつけてしまうことには、驚きを隠せません。

ダッジャールは偽りの幸福や繁栄を本物と信じ込ませるとされているため、イスラム教徒たちの中には、世界をあやつっているイスラエルとアメリカこそが、ダッジャールの表象であると信じている人も多くいます。

ダッジャール議論は、いわゆる「陰謀論」の一環でもあるわけです。

この単眼の赤ちゃんがイスラエル生まれということが、エジプト人達のこの子に対する関心を一挙に高めたのだと思います。

ところでこのFacebookのコメント欄には、やれこの子はダッジャールだ!とか、ダッジャールではない!といったコメントが延々と続いた後、医者を名乗る人物が、

「これは単眼症という先天的な奇形の一種で、まれにこうした子が生まれます。」

と全うなコメントを投稿。

その後、一時議論は収束したのですが、またまた不毛な議論が続けられています・・・。

既述のエルヨウム・エッサービウ紙も、医者ではなく、こともあろうにイスラム研究者にコメントを求め、「ダッジャールの出現の前兆となる現象がまだおこっていないので、この子はダッジャールではない」という見解を掲載。

もうやめましょうよ、この子とダッジャールを結びつけるの・・・と、どうしても思ってしまいます。

もし私が生んだ子どもが単眼症を患っていたら・・・と思うと、胸がつぶれそうです。

先天的な障害に特定のアレゴリーを認めることは様々な文化圏で普遍的に行われていることではあるにせよ、エジプト人達がこの子の写真や映像を目にしてダッジャール論争に明け暮れているのを見ると、いたたまれない気持ちになります・・・。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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