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カラダーウィーのアズハル凱旋と対イスラエル・ジハード

11月16日(金)に、ユースフ・アルカラダーウィー師الشيخ يوسف القرضاويが初めてアズハル・モスクで金曜礼拝の説法(フトゥバخطبة)を行いました。

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カラダーウィーは1926年9月9日生まれ、御年86歳のエジプト人スンナ派法学者です。国際ウラマー連盟会長という立派な肩書きを持ち、アラビア語衛星チャンネルのアルジャジーラで「シャリーアと人生」という宗教番組のアンカーをつとめていることでも知られています。この番組の視聴者は、一説によると6千万人くらいいるとされており、それゆえ、彼の発言はスンナ派イスラム世界においては他の追随を許さないほど影響力があると言われています。でも彼はご高齢でもあり、各国を遊説することもしばしばあるので、ここ数年は彼ではない人が番組に出演することが多く、彼の長年のファンのひとりである私は、ちょっとつまんないなーと思ったりすることもあります。

もともとアズハル大学の出身ですが、大学時代からバンナー思想に心酔してムスリム同胞団に参加していたため、1949年に政治犯として投獄、その後更に3回投獄され、60年代からはカタールに活動の拠点を移していました。

つまりカラダーウィーという人は長らく、エジプト政府からすると「お尋ね者」だったわけです。

それが抜本的に変わった契機は、2011年1月の革命でした。彼が2月18日にタハリール広場で行ったフトゥバは、実に30年ぶりに祖国エジプトで行ったフトゥバだったのですが、この内容はエジプト革命がイラン革命のような「イスラム革命」ではなく「民主主義革命」であることの象徴として、各方面から絶賛されました。つまりカラダーウィーは、「この革命はイスラムによってもたらされた」的な発言を一切せず、「ムスリムもコプト教徒も、エジプト国民がひとつになってなしとげた偉業だ」と述べたわけです。

また今回彼が「凱旋」したアズハルというのは、エジプト政府の監督下にある(イスラム)教育機関です。そこに附属するアズハル・モスクがカラダーウィーを招待し、彼がそこでフトゥバを行ったというのは、過去にさんざん彼を投獄してきたエジプト政府の体制が抜本的に変わったことの何よりの証です。何しろ今や、これまで弾圧され続けてきたムスリム同胞団が与党となり(まあ、議会は解散されちゃいましたが・・・)、大統領を輩出する時代になったのですから。

カラダーウィーはアズハルでのフトゥバにおいて、先の「アラブの春」は「民衆の自由と民主主義に対する権利が、不正に勝利したことの証」であるとし、また14日から続いているイスラエルによるガザ攻撃については、「アラブ・イスラーム共同体が言葉をひとつにし、手に手をとりあえば、我らが敵イスラエルに勝利することができる!!」と述べました。

またこの前日(15日)にイスラム教徒たちはヒジュラ暦の新年をむかえたわけですが、カラダーウィーは礼拝参加者たちにたいして、「我々は新年をむかえるにあたって、神への信仰をあらたにしなけらばならない。神よ、不正者たちに対してムスリムを勝利させたまえ!イスラエルに対して我々を勝利させたまえ!シリアにおける不正者たちに対して我々を勝利させたまえ!」などと呼びかけ、アズハルに集まっていた人々はかなり盛り上がっていました。

カラダーウィーは自分の思想を中道・中庸派だと位置づけており、例えば「同性愛者は死刑にすべし」など日本人からみると過激な発言も多々あるのですが、イスラム教徒の中では彼の思想はやはり「中庸」なのだと感じさせられることが多々あります。16日の金曜礼拝でも、彼は人々に「神よムスリムを勝利させたまえ!」とよびかけたわけですが、タハリール広場で行われた金曜礼拝では、マズハル・シャーヒーン師الشيخ مظهر شاهينはムルスィー大統領に対して、「侵略者であるシオニストたちから聖地を解放するために、今こそジハードを!」と呼びかけ、更に「若者たちに対する戦闘訓練を開始すべき」とも要請していました。

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ミニヤー県でもラガブ・ハサン師الشيخ رجب حسنがムルスィーにジハードの開戦を迫り、ルクソールではアラーウ・ミフターフ師الشيخ علاء مفتاحが、「ガザをエジプトに統合することがカリフ国家再建への第一歩」だと述べたそうです。

各地のフトゥバを聞いていると、カラダーウィー発言がいかに中庸か、ということをしみじみ感じてしまいます。

そして同胞団員であるムルスィー大統領が、パレスチナ問題やシャリーア適用の問題をいったいどうしていくのか、決定的な選択をしなければならない日がいつかやってくるに違いない、とまたまた思ってしまうのでした。


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プロフィール

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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