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ガザ攻撃で得をしたのは?

昨夜、エジプトのアムル外相によって、イスラエルとハマスの停戦が成立したことが発表されました。

しかし停戦が発行する(カイロ時間)昨夜9時直前まで、イスラエルとハマスの双方は攻撃を続け、結局ガザ側に146人、イスラエル側に5人の犠牲者が出ました。戦争で兵士が亡くなるのはまだしも、双方とも市民に犠牲がでているのがいたたまれません。

2008年から2009年にかけてのガザ攻撃のときもそうだったのですが、終わってみると、イスラエル政府もハマスも、そして今回はエジプト政府までもが、ガザ攻撃で得をしたような感じになっているのが気になります。

得をした、というのは、国民の心をつかみ、支持をとりつけるのに成功した、という意味です。

昨夜の会見で、エジプト外相は、「今回の停戦に向けた我々(エジプト)の努力は偉大なものだ」とか自画自賛していましたし、ハマスは祝砲をばんばんあげて「俺たちはシオニストに勝利した!!」とか大喜びですし、イスラエルのバラク国防相も「ハマスに打撃を与えるという我々の目的は達せられた」、としたり顔。

イスラエルは来年1月22日に総選挙をひかえていますが、ネタニヤフ首相の率いる与党リクードの勝利は確実とみられています。リクードは右派であり、左派の労働党と並ぶイスラエルの二大政党ですが、これまでは選挙で双方が勝ったり負けたりを繰り返してきました。イスラエルというのは、極左から極右まで多種多様なイデオロギーをもつ人々が存在する国であり、必ずしも全国民が「パレスチナをぶっつぶせ!」と大合唱するような国ではないからです。

ところが2009年以降状況が変わってきたように思います。前回も今回も、ガザ攻撃はイスラエルの総選挙前に行われました。そして実際に、今回のガザ攻撃に対するイスラエル人の支持率は相当高いものとなっています。イスラエル人であるならば、右派であっても、そうではなくても、こうしたことがあった後、自国を攻撃してくる敵ハマスに一矢報い、更に敵の攻撃からほぼ完璧に国民を守ることに成功したネタニヤフ政権への支持をあらたにするのは、当然のことのように思います。

というか、イスラエルはそれを見越してガザ攻撃をしたとしか思えないふしがあります。ネタニヤフは、ガザ攻撃が票集めのための手っ取り早くて手堅い手段だと、気づいてしまったのだと思います。

イスラエルは、カッサーム旅団のジャアバリーの狙い撃ちに成功したときには、「我々はこのようにテロリストだけを攻撃しているのです」と得意顔でしたが、結局ガザでも女性や子どもに多くの犠牲が出ました。それでも彼らのロジックでは、

ガザの女性→テロリストを生み増やす存在→殺してもいい
ガザの子ども→将来のテロリスト→殺してもいい

となっているのでしょう。許せん!人の命をなんだと思ってるんだ!(いや、政治の道具だと思っているんでしょうが・・・。)

またハマスはハマスで、これまた得をしているのです。今回ハマスの発射したロケット砲は、85%は迎撃されたとされていますが、それでもイスラエル南部都市だけではなくテルアビブにまで空襲警報が鳴り響く状況を生み出したのは確かです。ガザ市民の中には、憎き敵「シオニスト」たちが、警報を聞いて逃げ惑う姿を見て多いに満足し、「やっぱりハマスってすごい」と支持を新たにした人が少なくないといいます。

更に今回は、エジプト政府までもが得をしています。ムルスィーは攻撃が始まるといち早くカンディール首相を団長とする使節団をガザに派遣し、「俺たち、ガザの味方だから」とアピール、そしてアメリカに「停戦仲介できるのはエジプトのムルスィーだけ」とかいわれて大いに張り切り、昨日はその成果を自画自賛。なんかウハウハしている様子が目に見えて、しゃくにさわります。

今回のことで改めてわかったのは、ガザが存在し、パレスチナ問題が未解決のまま存在する方が、中東問題の各プレーヤー全員にとって好都合なのだ、ということです。そこにおいて戦争は、政治の道具であり、茶番にしかすぎません。

というか、戦争というのは、今も昔も、そうした性質を持っているのだと思います。

とはいえ、私などにパレスチナ問題をどうすればよいかなどという妙案があるわけもありません。

ただただ、戦争は嫌だ・・・、殺し合いは嫌だ・・・とおろおろするばかりです・・・。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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