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世界に広まるイスラム国

先日、ついにエジプトのイスラム武装組織アンサール・バイトゥルマクディスABMがイスラム国入りするという音声での声明を発表したと記しましたが、これまでにも世界各地のいくつかのイスラム武装組織がカリフに忠誠を誓うと宣言しています。

音声での声明が残されているものとしては、

イエメンのムジャーヒディーン
リビアのムジャーヒディーン
アルジェリアの地おけるカリフの兵士

などが挙げられます。

イスラム世界には多数のムジャーヒド(聖戦士)がいるので、「○○のムジャーヒディーン」と名乗ってもそれが誰によって構成されるどんな組織なのかよくわからないのですが、リビアに関しては東部のバルカ地方の一部で既にイスラム法による統治が始まっています。

イエメンではアラビア半島のアルカイダが2011年5月にアブヤン州で「イスラム首長国(イマーラ)」の樹立を宣言し、イスラム法による統治を行って以来、時々どこかに「イスラム首長国」ができる状況が続いています。でもこのアラビア半島のアルカイダは、新カリフに忠誠を誓ってはいません。

ちなみにこのイマーラامارةというのは、アラブ首長国連邦UAEのそれぞれの首長国を指す名称でもあります。エミレーツ航空で有名な「エミレーツEmirates」っていうのは、アラビア語のイマーラの複数形のイマーラートを英語化させた名称です。

イエメンやソマリアにみられるように、アルカイダ系組織も過去にしばしば領域支配を実現させ、イスラム首長国樹立宣言を行ってはきたのですが、現存のイスラム国に比べると、その世界的インパクトの大きさは(相対的に)小さかったと(今だから)言えます。

イスラム国がイスラム国(ダウラدولة)を名乗ったのは、先行するアルカイダ系組織がイスラム首長国(イマーラامارة)を樹立させてきたことに対抗してのことなんだろうな〜と個人的には思っています。「首長国」より「国」のほうが、インパクトありますからね。。。

話は脱線しますが、アラビア語のニュースチャンネルでは大概、日本で言われているところの「イスラム国」のことを、ダーイシュداعش(「イラクとシリアのイスラム国」というアラビア語名称の頭文字をあわせたもの)と呼んでいます。アラビア語話者は殆どがムスリムですから、イスラム国という名称は基本的にはありえない選択・・・なぜなら、イスラム国をもってイスラムを代表させるのは絶対に避けなければならない道だからです。その点において、日本のメディアが同組織をイスラム国という名称で報道してしまっているのは、ちょっとマズい点があります。

話を戻して、アルジェリアに関しては、この「カリフの兵士」を名乗る集団は、今年の9月にフランス人の山岳ガイドのおじさんを誘拐し、首を切る映像を流したことで急に有名になりましたが、他にどんな活動を展開しているのかはよくわかりません。

ナイジェリアのボコハラムも8月にカリフ国を樹立すると宣言しましたが、カリフ・イブラーヒーム(バグダーディー)に忠誠を誓ってはいないものの、イスラム国支持者たちからはナイジェリアはイスラム国の一部(一州)だとみなされている節があります。

世界にはイスラム武装組織が多数あり、既述のようにイスラム国のカリフに忠誠を誓っている組織もいくつかはありますが、それらがカリフに忠誠を誓ってイスラム国入りするかどうかというのは、現状ではわりとどうでもよいことだと私は考えています。

ABMの時にも書きましたが、各イスラム武装勢力が戦っている相手というのは現状においていろいろ異なってはいても、彼らの最終目的は世界のイスラム化であり、世界中をイスラム法で統治することである、という点において一致しています。

また民主主義を奉じイスラム法ではない法を施行する現政権と、イスラムの価値と相反する価値をムスリムに植え付けた張本人である欧米諸国を敵視しているという点においても、彼らは一致しています。

ですから、彼らがお互いに「がんばれ!」と声援を送り合ったり、「よくやったな!」と賞賛の声をあげたりすることは、実に普通のことで、誰をカリフにすえるべきかという問題は、万が一にも世界のイスラム化に成功した暁に考えればよいことであり、決して喫緊の課題ではありません。

それにイスラム法学的には、そもそも異教徒に対するジハードの開戦にはカリフの決定が必要であるという説が有力で、これまでイスラム武装組織は(無理矢理どうにか)「カリフ不在時もジハードは義務!」と主張して武装闘争を展開してきたわけですが、カリフが登場したのなら、そのカリフのジハード発動に乗っかった方がよくない???と考える組織があってもおかしくありません。

ABMに関しては、シナイ半島でどんなに頑張ってジハードを戦っても、これまではエジプトのローカルな話題で片付けられてきたので、イスラム国の名声(?)に乗っかって、世界(のメディア&人々)から注目されたいっ!という思惑もあるように思われます。

イスラム国が出来てから、世界のイスラム武装勢力の武器や人といった資源がイスラム国に集中するようになった、という説をとなえる人もいますが、少なくともエジプトに関しては、一定数の人がイスラム国に戦いに行ってはいますが、だからといってシナイ半島でのABMやアグナード・マスルの活動が沈静化したということは全くありません。

話がぐちゃぐちゃしてきましたが、要するに、世界のイスラム武装組織にとって、イスラム国の存在やそれと連携することは決してマイナスにはならない、ということです。

本家のアルカイダは、イスラム国をライバル視して、いわゆる「正統性」を争い合っている節もありますが。。。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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