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外国人はエジプト国外退去せよ

イスラム国人質事件の対応のため、監禁生活を送りながら仕事を続けて13日間。

今度はエジプトでやっかいな問題が発生しました。

1月29日に、「革命的懲罰運動حركة العقاب الثوري 」を名乗る組織が、エジプト在住の外国人に対し、2月11日までに国外退避をしないと攻撃対象にする、という声明を発表したからです。

在留邦人に対しては、在エジプト日本大使館から注意喚起のお知らせがきているはずなので、みなさん概要はご存知かと思いますが、今後どのような対応をとるかを考える上で、情報は多いほうがよいと思います。

以下に私見をまじえつつ、この問題に関係する情報を整理して記します。

1) 革命的懲罰運動とは

革命的懲罰運動とは、2015年1月24日に設立宣言がなされた組織です。

設立宣言ビデオは、こちらです→http://tinypic.com/player.php?v=2r6chlj&s=8#.VM-Ar3Z343o

エジプトの現政権は、不正なクーデターにより同胞団から政権を奪った軍事独裁政権であるとし、エジプトをこの独裁政権から解放するには、武力をともなう新たな革命をおこすより道はない、と主張しています。

エジプトには今も、現政権がクーデター政権であると批判する人が多くいます。基本的には、そう主張するのはムスリム同胞団員であり、たとえ正規の団員ではなくとも、そう主張する人は広義の同胞団員であると言えます。(なぜそうなのかは、話すと長くなるのでここでは省略します。)

革命的懲罰運動はその意味で、広義の同胞団員からなる武装組織と言えます。

2) 革命的懲罰運動のこれまでの活動履歴

同組織は1月24日に設立宣言をし、1月30日までの7日間に、エジプト各地で32回の攻撃を実行した、と宣言しています。

B8qT7AJIMAA6a63.png

この声明文は、1月30日に公開されました。

概要を以下に訳します。

革命の名にかけて

英雄たるエジプト国民よ、革命的懲罰運動はこの国を解放するため、新たな革命行動の新たな一歩を踏み出す準備をしてきた。そして我々革命的懲罰運動は既に、キャンプデービッドの占領軍を驚愕させる、革命行為の新たな一歩を踏み出した。我々はこの7日間に、11の県で、32回の攻撃を実行した。これらの攻撃の中には、警察署や軍の駐屯地に対する武力攻撃や、治安組織や政府機関の建物への突入、警察や軍の車両への攻撃などが含まれている。

我々の攻撃の主たるものとしては、マタリーヤにある治安部隊駐屯地にいた8人の警官と軍人を負傷せしめた攻撃、ベニスウィーフの治安部隊隊長を襲って負傷せしめた攻撃、ブールサイード(ポートサイード)の諜報機関建物の爆破、ファイユームにあるユースフ・エッサディーク(町)議会建物への突入と放火などがある。お前たちは、我々の新たな攻撃を待つがよい。

我々革命的懲罰運動は、この国のために命を捧げ、キャンプデービット軍による占領状態を終焉させ、エジプト人の殺害に関与したすべての者たちに懲罰を与える準備のあるメンバーが1000人いることを宣言する。これからも我々は、様々な県において、警察、軍、治安組織を攻撃する。

我々革命的懲罰運動は、エジプト国民に対して、次のように宣言する。キャンプデービット軍の占領から国を解放し、欧米的服従とシオニストおよびアメリカによる支配をやめさせるためには、この革命をなしとげる他に以外に道はない。

エジプト国民万歳
革命的懲罰運動


この声明では、攻撃対象は警察、軍、治安組織とされており、実際彼らがこれまで標的にしてきたのも、警察、軍、治安組織に限定されています。

ただ、彼らは24日に設立宣言をして、治安組織を攻撃対象にすると言って以降、詰所で機関銃をぶっぱなしたり、爆弾で車両を爆破したり、警察署に突入して放火して全焼させたりしているわけで、やると言ったことはやる、有言実行の組織だと言えます。

また、組織の実働メンバーが1000人いる、と主張している点も重要です。

なお、声明文は「革命の名にかけて」と前置きしており、「神の御名にかけて」という通常のイスラム過激派の前置きとは異なるのですが、彼らが広義の同胞団員であり、同胞団の思想はイスラム国やアルカイダを含む現代イスラム過激派のルーツであることを忘れてはなりません。

3) 外国人、外国企業、大使館に対する警告

革命的懲罰運動が外国人に対する警告を声明で発表したのは、1月29日のことです。

文書で発表されたわけではなく、ラービアTVというストリーミングTVで、おじさんが読み上げるかたちで公開されました。その映像が以下です。



一見すると、通販番組(?)のような風情ですが、読み上げているのは世にも恐ろしい内容です。

概要は以下です。

1. エジプトに住む外国人は2月11日までにエジプトの国外に退去しないと、革命的懲罰運動による攻撃対象となる
2. エジプトで業務を行う外国企業は、2月20日までに操業停止しないと、その活動全てが革命戦士たちによる攻撃対象となる
3. 外国の外交官や大使館勤務の者たちは、2月28日までに業務を停止してエジプトから退去しないと、攻撃対象となる
4. エジプトへの旅行を望む外国人観光客は、エジプトで歓迎されないので、エジプトに来てはならない
5. クーデター(つまりエジプト現政権)を支持し、資金援助している諸国は、1ヶ月以内にその支持、援助をやめないと、中東地域全域におけるその国のあらゆる権益は、猛襲の対象となる。


ご丁寧に、随分と細かく期日を設定してくれています。

声明を読み上げたラービアTVというのは、同胞団員が、エジプトの現政権がいかに不正で、いかに独裁で、いかに同胞団員にたいしてひどいしうちをしているか、ということをひたすら訴え続けるストリーミング放送です。

ラービアというのは、2013年の第二革命の際に、同胞団員が最後まで座り込みを行ったラービア・アダウィーヤというモスクの名前に由来しており、以後ラービアとそれを意味する4本指のマークは、同胞団の象徴となっています。

そのラービアTVでこの声明が読み上げられたということの意味は、いわずもがな。。。です。

4) 今後の対策

どのような対策をとるかは、会社や組織、個人の判断に委ねられますが、参考までに、私はこうする、というものを書いておきます。

1. ザマレクの外には出ない。
ザマレクはこれまでも、2013年夏の第二革命の大混乱期を除き、テロのターゲットになったことがないため。

2. ショッピングモール、欧米資本のスーパーマーケット(カルフールなど)、ホテル(ヒルトンなど)には行かない。外国を象徴するこれらの建物は、過去の例をみても、テロリストの標的にされるケースが多いため。またカイロ随一のショッピングモールであるシティスターズでは、最近、偽の爆弾が発見され騒ぎになる事件も発生したため。

3. 観光地には行かない。
実は今日、アテンドでピラミッドに行ったのですが、テロリストが本気になれば簡単に攻撃できるな。。。と思わせる、適当な警備体制でした。観光地がターゲットになった事例も、過去に多くあります。カイロならば、ピラミッド、考古学博物館、タハリール(今日も近くで爆弾が発見されました)、ハンハリーリは避けます。

4. いつでも国外退去できる用意をしておく
彼らが有言実行の組織だとするならば、攻撃を始めるのは11日以降になるはずです。今は彼らがどの程度本気なのか、見極めが必要な時期ですが、何か一発事件が発生した場合には、直ちに行動を起こす必要があります。気持ちの上でも、また物質的な方面でも、私はいつでも逃げ出す準備をしておきます。

5. エジプトの国内ニュースを、いつも以上に細かくフォローする。
現状を把握するには、これは必須です。アラビア語ができる方は、ヨウムッサービウのニュース速報などを携帯に送ってもらえるようにしておくことをお勧めします。

テロには屈しない、というのが、国としての日本の方針ですが、自分の命は自分で守るしかありません。

もともとエジプトはかなり治安の悪い状況が続いているので、何がおこってもおかしくないな。。。ってか、なんでも起こりえるな、というのが私の実感です。

今パニックに陥ることはありませんが、状況を見極め、適切な時期に、適切な行動をとる必要があります。

なるべく皆で情報を共有し、誰一人被害に遭うことのないよう、気をつけていきましょう。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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