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家族のために働くということ。

エジプトには今、リビアに出稼ぎに行っていたエジプト人が、続々と帰国してきています。

先日、リビアでエジプト人出稼ぎ労働者21人がイスラム国メンバーによって処刑される映像が公開されたのを受けてのことです。

エジプト政府は帰国者のためにバスやら飛行機やらを用意し、チュニジア経由で帰国できるようにチュニジアにまで飛行機を出して、円滑な帰国を促しています。かなり異例の待遇です。

この事件の前から、リビアでは多数のエジプト人出稼ぎ労働者が殺害されたり誘拐されたりしてきました。集団で殺害され遺体が発見される、といった事件も数度あります。狙われるのは特にキリスト教徒(コプト教徒)が多かったので、イスラム過激派によるものだろうといわれてきました。

カダフィ失脚後のリビアは完全な戦国時代で、もともとの部族社会の封印が解かれた上に大量の武器が出回り、そこにイスラム国も食指を伸ばして、もう手のつけられない状況に陥っています。それでもたくさんのエジプト人が死の危険を冒してまでリビアに働きに行っていたのは、お金のため、家族のために他なりません。

エジプトは本当に貧しい国です。アラブの大国とか、世界の中心とかいって踏ん反り返っていますが、大きいのは人口規模くらいで、中東の中でも最も貧しい国のひとつです。餓死する人がほとんどないないのは、国が補助金を出して主食のパンを安く売っているからで、このジリ貧制度がなくなったら暴動が発生するだろうこと必至の、ギリギリ国家です。国民の1割ほどは出稼ぎに出ていて、リビアも主要な出稼ぎ先です。

先日殺害された21人のうちの多くは、ミニヤー県のアウルという貧しい村出身者でした。結婚していた人が多く、自分のような貧しい暮らしを子供達にさせたくないという思いから、決死の覚悟でリビアに働きに行っていたそうです。家族の言葉は、涙なしには聞けません。



イスラム国を始めとするイスラム過激派は、唯一神の命令という大義にもとづき、全世界をイスラム化させるという至上目的のために殺戮を重ねていますが、その犠牲になっている人々の多くは、そんな大義や目的とは無縁の、ただただ家族のために毎日身を粉にして働くお父さんだったりするのです。

あー、もう、ほんと嫌だ。
(自分でも気づいていますが、この「ほんと嫌だ」というの、私の最近の口癖です。。。)

今日も、この数日間にエジプトで発生したテロ関連事件を書き出しておきます。

・ 21日、シャルキーヤで音だけの爆弾が爆発
・ 21日、ベニスウィーフで車の下に仕掛けられていた爆弾が爆発、3人死亡
・ 21日、シャルキーヤのザカーズィークで警官の車の下に仕掛けられていた爆弾が爆発
・ 21日、シャルキーヤで偽爆弾発見
・ 21日、スエズでスエズ石油の技術者らの所有する8台の車に、テロリストが放火、炎上
・ 22日、カイロとアレクサンドリア間の鉄道で爆弾が爆発
・ 22日、カイロの5月15日地区セントラルに火炎瓶6発が投げつけられ、火災が発生
・ 22日、ブハイラでテロ容疑のムスリム同胞団員6人を拘束
・ 22日、ガルビーヤの消防署で爆弾が爆発、負傷者なし
・ 22日、シナイのテロ掃討作戦でテロリスト4人が死亡
・ 22日、ギザのドリームランドで偽爆弾発見
・ 23日、シナイでテロリスト5人を拘束

一方、革命的懲罰運動は、以下のような攻撃を行ったとしています。

・ 20日、ベニスウィーフの裁判官クラブで爆弾を爆発させる
・ 22日、ファイユームの軍警察建物で爆弾を爆発させる

こちらの大義は、「神の命令」ではなく「革命」ですが、小規模ながらも人を殺傷しようと攻撃を行っている点ではイスラム過激派と同じです。

歴史を振り返れば(私はもともと歴史学から始めたので)、軛からの自由、解放、自衛、権利、宗教などなど、様々な大義名分のために人と人が殺しあい、その結果今の世界があることはわかるのですが、それぞれの時代を生きてきた人々のほとんどは、「そういうのどうでもいいから、早く戦争おわんないかな。。。」と思ってたんじゃなかろうか。

そんな風に思う、今日この頃です。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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