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満員御礼の「アサド劇場」

通常、「どこまでもエジプト」ネタな本ブログですが、今日はちょっとだけ横道にそれてシリアのネタを。

今日、シリアのアサド大統領が6ヶ月ぶりに演説を行いました。

場所はダマスカスのオペラハウス。その様子はまさに、満員御礼の「アサド劇場」でした。

前回の公開演説は2012年の6月。久しぶりの公開演説な上に、何かしら現状打開策をうちだすということだったので、わずかながら期待してその時を待っていたのですが、アサドが演壇に上がった瞬間、「あ〜、停戦はないな」、とピンと来ました。ものすごい拍手喝采で迎えられたアサドの顔には、徒労の色は見てとれず、その様子には妙な自信のようなものすらみなぎっていました。

彼の演説はまず、「今我が国は、歴史上最も大きな困難に直面している。国中に悲しみと痛みがあふれ、子ども達の顔からは笑顔が消えてしまった」、といった悲痛な調子で始まりました。

そして、彼の主張は次のように展開されます。

・我が国の危機的現状の責任は全て「敵」にある
・「敵」は「ジハード」あるいは「革命」の名を語ってシリアに戦争をしかけてきているが、この敵の正体はアルカイダに主導されたテロリストであり、彼らの行っていることはジハードでも革命でもなく、単なるテロ行為である
・「敵」はこの戦いを「ジハード」としているが、彼らは不当なタクフィール思想に支配されており、これは反イスラム的であり、彼らは我々の敵であるのみならず、神の敵でもある
・革命とはその国の国民が主導して内発的に行われるものであり、かつ、確固とした思想的基盤をもつものである。我々の敵のほとんどはシリア人ではなく外国人であり、また彼らにはタクフィール思想しかない
・これらの「敵」から自国を防衛するのは、我が国の正当な権利であり、その権利は国際法でも国内法でも保証されている
・「敵」の殆どは外国人であり、従って我々の戦っている戦争は「内戦」ではなく、「防衛戦争」である
・我々はこれまで一貫して政治的解決を模索してきたが、「敵」の側に交渉相手となる者を見いだすことが出来なかった。「敵」が話し合いのできないテロリストである以上、我々の前には彼らと徹底抗戦する道しか残されておらず、後戻りするわけにはいかない
・政治的解決がなされるとするならば、まず第一に近隣諸国が「敵」に経済的、軍事的支援をするのを停止する必要がある。我々は欧米の操り人形たちと対話をする気など全くない
・我々を裏切らなかったロシア、中国といった国々に我々は感謝をしており、彼らとの対話を通した打開策を模索することはありうる

これらを主張した後、国民投票を行う、新政府を樹立するなど、今後の国内政策について述べていました。

彼の主張は、反体制側に立つと「妄言」にしか聞こえませんが、彼を支持し、内戦発生以前の状況のほうが明らかによかったと信じる立場に立つならば、「真言」に聞こえてきます。言うまでもなく「敵」や「味方」というのは相対的な概念であり、絶対的な「悪」や「善」などどちらの側にも存在しません。

内戦のただ中に生きる人の気持ちを慮ることは非常に難しいことですが、自分自身はともかくとして、自分の大切な人がいつ銃弾に倒れてもおかしくないというような状況におかれていることが幸せなはずはない・・・と思います。自らの意思で銃を手にする人ならばいざ知らず、何の罪もない子どもが巻き添えになって短い人生を終えなければならないような世界は、心の底から嫌だと思います。

シリアはもはや、アサドが辞めればそれで解決する、というような状況にはありません。どんな決着をみるにせよ、これだけ殺し合いが積み重なってしまった以上、スンナ派とアラウィー派をはじめとする宗派間や民族間に、既に多くの禍根を残してしまったことは、間違いないでしょう。

オペラハウスの壇上を去るアサドに、聴衆がわーーーーーーっと群がり、「我々は血と魂をバッシャールに捧げる!!」と大合唱が起こったのを見て、まだまだ続きそうだ、という悪い予感にとらわれています・・・。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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