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アズハルがイランを歓迎できない理由

現在、イランの大統領アフマディネジャドがエジプト滞在中です。

彼はエジプトに着いたその日にアズハル総長のアフマド・エッタイイブと会合をもったのですが、その後開かれた記者会見には、タイイブの姿はありませんでした。そのことが、今更のようにエジプト各紙でとりあげられています。

例えばالمصري اليوم紙によると、タイイブが記者会見を欠席したのは、「アズハルは預言者ムハンマドの一家や、教友たちに対する侮辱は断固として許さない」という強いメッセージを、イラン、イランの宗教権威、さらに世界に対して発信するためであった、とのこと。

実際に、アフマディネジャドとの共同記者会見にアズハル側の代表として出席したハサン・アッシャーフィイー(アズハル総長諮問委員)は、「エジプト国民は、預言者ムハンマド一家や、教友たちに対する暴言は絶対に認めない」とか、「エジプトにおけるシーア派宣教活動は許しがたい」とか、イランに対する文句を言い始めてしまいました。すると、アフマディネジャドは「明らかな怒りの表情をうかべて」、アラビア語で「友好や協力について話して下さい」と要請、シャーフィイーはそれを完全に無視して、「我らがアーイシャに対する侮辱は絶対に認められない」とか、「イランはバーレーンを始めとする湾岸諸国のことに口を突っ込むべきではない」とか、「イランにおけるスンナ派の人々をもっと保護すべき」とか、あれこれ言いたい放題でした。

以前このブログにも書いたように(「カイロのムトア婚」)、エジプトでは2011年の革命後、シーアの活動というのが顕在化してきており、スンナ派宗教界や一部の人々は「シーア派がエジプトをのっとろうとしている!」なんて言ってこれをかなり危険視しています。

なので、ムスリム同胞団のダアワ担当責任者アブドゥッハーリク・アッシャリーフや、ダアワ・サラフィーヤのアブドゥルムヌイム・アッシャハートは、シャリーフが共同記者会見で述べた内容に「非常に満足した」との声明を発表し、「これでエジプトは安泰だよね」なんて述べています。

エジプトの学校には「宗教」という科目があるのですが、学校によって(私立か公立かなどの)多少の違いはあるものの、大概の場合その科目は信仰している宗教別に受けることになっているそうです。イスラム教徒はイスラムの授業を受けるのですが、そこでは「イスラム教には、大きく分けてふたつの宗派があり、それはスンナ派とシーア派です」という内容には全く触れられず、「イスラム教=スンナ派」という前提でイスラムが語られるため、こうした要因もあって、シーアとは何か、という知識は学校レベルでも、また一般国民レベルでも殆ど知られていないのが現実です。

シーア派についての断片的な知識として多くのエジプト人が知っていることと言えば、「シーア派はアーイシャを侮辱している」とか、「シーア派は正統カリフを侮辱している」とか、そういうスンナ派の人々にとっては受け入れがたいマイナス面ばかりであり、そこから「シーア派はイスラムじゃない」という単純な結論が導かれるのが常となっています。

なぜシーア派がアーイシャとか正統カリフを侮辱するかというと、シーア派の人々は、ムスリムたちの指導者としてのカリフ(イマーム)の位は、預言者ムハンマドの死後即座にアリーに譲られるべきであったと信じているからです。だから、アリーを差し置いてカリフ位についた、アブーバクルやウマル、ウスマーンは「許せん!」と思っている訳で、あとアーイシャに対しては、「女のくせにアリーがカリフになることに反対して、おまけに戦争までしかけてきたから、全然許せん!」と思っている訳です。

まあ、これは一般論で、全シーア派信徒が彼らを侮辱しているかどうかは全然別の話なのですが、多くのスンナ派信徒はこれを理由としてシーア派を「イスラムとは認めない」と思っているのが実情です。

イランとエジプト、お互いに仲良くしたいと思っているところもあるはずなのですが、宗教的な差異を乗り越え、政治的、あるいは経済的に連携するとかいう方向へむかっていくのかどうか、全然わかりませんが、注目していきたいと思います。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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