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恐るべき停電の予感

エジプトは今夏、ものすごい電力不足に見舞われることになりそうです。

エジプトは1年の半分以上が夏で、しかもかなりの酷暑なのですが、電力不足=停電頻発=エアコンが使えない、ということで、相当深刻な事態に陥りそうです。

なぜ電力不足&停電が予想されているかというと、エジプトが貧乏すぎて、発電に必要な燃料を買うことができないからです。エジプト天然ガス会社によると、

 エジプトが一日に算出する天然ガスの量=57.5億立方フィート
 エジプトが一日に消費する天然ガスの量=65億立方フィート

だそうで、ということはつまり、

 エジプトが一日に輸入しなければならない天然ガスの量=7.5億立方フィート

なわけですが、何しろお金がありません。石油大臣によると、「来期、発電所に必要な燃料は25%不足する」そうなので、ものすごく単純に考えると、一日のうち4分の1、毎日6時間停電することを覚悟しておかなくてはならないことになります。

外国から天然ガスを輸入するには、当然外貨が必要なわけですが、エジプトにはその外貨が全然ありません。ムバラク政権崩壊直前の2010年12月時点で360億ドルあった外貨は、革命後からどんどん減り続け、2012年12月には150億ドルになり、今年の2月末には135億ドルにまで減少しました。

エジプトは天然ガスの他に、原油や小麦など、人々の生活に必要不可欠なものを多く輸入に頼っています。エジプト政府はこれらをドルで購入し、それに多額の補助金をつけることによって、ガソリンやパンを非常に安い価格で人々が購入できるようにするという「補助金政策」を通し、長年エジプト国民の支持をとりつけてきました。これらを輸入する為には、1ヶ月に50億ドルが必要だとされています。

つまり、エジプトに新たな外貨流入がない限り、単純に考えるとエジプトの財政は3ヶ月を待たずに破綻することになります。実際には細々と外貨収入がある(スエズ運河通行料や海外在住エジプト人からの送金など)ので、さすがに3ヶ月では破綻しないとは思うのですが・・・。実際、今年の1月から2月までの1ヶ月間に減少した外貨高は1億ドルだけ(?)です。

とはいえ、現状を打開するためのほぼ唯一の策は、IMFから融資を受けることです。

ムバラク時代だったらサウジアラビアがいくらでも融資してくれそうですが、今のムルシー政権とサウジは仲が悪いので、こちらは全く期待できそうにありません。革命前までは潤沢にあった外国からの観光収入も、落ち込んだままです。

IMFは48億ドル融資実行と引き換えに、エジプト政府に緊縮案の実施を条件付けているものの、この立案と実施が困難とされているため、いまだに融資の実行には至っていません。

というものの、

1)緊縮策は補助金政策の見直しや増税案を含むとみられ、国民の不満を爆発させる危険がある
2)野党勢力が政府に全く非協力的で、緊縮策や財政再建策への政治的合意の成立が困難

だからです。

先日、ケリー米国務長官がエジプトを訪問した際に、2.5億ドルの融資を約束しましたが、これっぽっちでは全然足りません。しかも、全然交渉が進まないエジプトを心配したIMFが「緊急融資」をしようか?と提言したにもかかわらず、エジプト政府はきっぱりとこれを拒否・・・。

IMFとの合意に必要な「痛みを伴う改革」の実行のためには、何よりもまず政治的合意が必要なわけですが、4月に予定されていた議会選挙は裁判所の介入で先送りされ、いつ実施されるかもわからず、しかも主たる野党勢力はそもそも「議会選挙はボイコットする!!」と早々宣言する始末。野党勢力は、「そもそもIMF融資と引き換えにエジプトがやらなきゃいけない改革って何なわけ?それ、まずはっきりさせてよ」と政府に迫っているのですが、それは確かに一理あります。

ムルシー政権は、形式的にはどんな法案も改革も成立させることはできます。でもこんな状態でムルシー政権が改革を断行すれば、今まで激安価格で買えていたパンやガソリンの価格が高騰し、国民が怒り狂うことは必至なわけで、それに野党勢力が便乗して「革命だ!!」とか騒ぎだすのも容易に予想されます。

かといって、IMF融資がないと、エジプトは近い将来破産しますし、それ以前に、エアコンが使えなくてエアコン暴動が起こりそうな気もします。酷暑の7月にはラマダンが始まり、エジプト国民の殆どが水すら飲めない(飲まない)状態で日中を過ごさねばならない中、1日6時間(私の勝手な推計)も停電するとしたら、どれだけ大変か・・・想像するだに恐ろしいです。

このところエジプトがヤバい・・・というネタばかり書いている気がするのですが、本当にあらゆる側面においてヤバいのです。

・悪化する治安
・不安定な政情
・財政破綻寸前
・深刻な大気汚染 etc...

出口なし・・・
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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