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「エジプトの真の支配者」との闘争

エジプトの今の大統領は、ムハンマド・ムルシーというムスリム同胞団員の冴えないおじさんなのですが、反体制派は口をそろえて、「エジプトの本当の支配者は同胞団の導師(団長)だ!導師を倒せ!」と言います。

この導師というのは、先日チリーズChili'sで若者とモメた、あのムハンマド・バディーウです。バディーウは現在69歳。きっちりしたピラミッド型のヒエラルキー構造をもつ同胞団という巨大組織のトップである導師の座についたのは、革命前の2010年のことです。

もともと同胞団は、革命後の議会選挙で圧勝した後、大統領選挙に候補者を出すかどうかと散々内輪でモメた末に、ハイラト・シャーティルという強面でカリスマ性もあるとされる幹部を擁立、でもシャーティルは選挙法にひっかかって大統領候補要件を満たせない可能性があるということで、一応ムルシーも擁立しました。そしてこの「一応擁立」の方のムルシーが、実際に大統領となったわけです。

こんないきさつもあるので、「ムルシーは導師の傀儡にすぎない」と言われてもしょうがないのですが、最近になって反対派の不満の矛先が直接この導師に向けられるようになってきました。

モカッタムにある同胞団本部前で、反政府デモが行われるようになってきたのです。

先週の土曜日には、本部前でデモ隊と「同胞団軍団」が衝突、デモ参加者や取材にきていたメディア関係者数十名が負傷し、彼らは口々に「やったのは同胞団軍団だ!」と訴えました。

メディア関係者の証言によると、「デモは同胞団本拠地前で、非常に平和なかたちで行われていた」のに、「突然建物から若い同胞団員たちがこん棒や金属の椅子を持って出てきて、我々に襲いかかってきた」そうで、ある人は「シャーティル(既出)のボディーガードが顔に平手打ちを食らわせてきて、更に地面に倒されてキックを浴びせられ、暴行された」と言っています。

これに対して同胞団側は、「こうした主張はでっちあげで、世論をミスリードすることを目的としているのだ」とか、「衝突は、デモ隊が本部に突入しようとして生じたものであり、同胞団の若者たちにデモ隊やジャーナリストを暴行する意図など毛頭ない」とか云々。

こちら、今日の同胞団紙「自由と公正」の一面です。

DSC05035.jpg

「暴言を吐き、衝突を扇動し、同胞団本部に放火し、火炎瓶を投げつけたのは彼の方なのに、彼は『同胞団がオレを殴った!』とか言っている!!」

という見出し。しかもその下にはこんな写真。

DSC05036.jpg

「私たちは忘れない」という文字と共に掲載されている、破壊された同胞団本部の写真。

でも上部には、「2012年12月6日の本部破壊」という但し書きあり。

えっ?!

今回の件と、関係ないじゃん?!

誰が始めたとか、そういう問題はともかくとして、同胞団本部前が催涙弾とか火炎瓶とか鳥猟用散弾(?)とか石とかが飛び交う場所になってしまったのは間違いなく、今も本部前には治安部隊の警備がついています。

モカッタムの同胞団本部前なんて、1年前までは、昼間行っても殆ど誰もいないような、そんな場所だったのに、今や近寄ってはならない場所のひとつです。まあ、そもそも普通は誰も行かないようなところにあるのですが・・・でもこんなふうに、カイロでは危ない場所がどんどん増えていっています。

エジプトの反体制派というのは、ムバラクを倒した「革命」の余韻がさめやらないからか、とにかくデモをして、警官隊や治安部隊に石とか火炎瓶とか投げつけて、彼らと衝突することを「反体制運動」だと思い込んでいるのが残念なところで、実際には秩序をどんどんぶちこわしているだけのように見えます。だって、モカッタム前でこんなことしても、バディーウ倒せないでしょ、絶対・・・。

今日になって検察は、シャーティルのボディーガード3人に出頭を要請しました。

一連の騒動から見えるのはやっぱり、同胞団も反体制派もどっちもどっちなエジプト・・・です。
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プロフィール

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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