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エジプトの公務員の実態

エジプトは、ものすごく公務員の多い国です。

全就業者数の30%ほどが政府部門就業者(公務員)であるとされており、エジプト財政難の一因がこの大量の公務員雇用にあるのは明らかです。

エジプトの公務員雇用の特徴は、大量雇用と激安賃金にあります。

公務員はとにかく、あちらこちらにものすごい数がいるのですが、彼らの給与は月給で600ポンド(1万円程度)だったり、900ポンド(1万3千円程度)だったり、おしなべて激安です。少ない仕事を、ものすごい多くの人々でわけあって(?)やっているので、給与もその分少ない、というしくみ。社会主義時代の名残でもあります。

エジプトの本当の失業率は、公式発表よりもだいぶ多いという話を以前に書きましたが、エジプトの雇用のもうひとつの問題は、雇用されているのに生活が成り立たないほど安い給料しかもらっていない人が非常に多い、という点にあります。このことは、「隠れ失業」といったりします。

夫婦共稼ぎなどの場合には、こうした激安公務員給与でもやっていける場合もありますが、多くの場合、公務員は副業をもっていたりします。というか、公務員に限らず、多くの人はいくつも仕事をかけもちして、副業で本業を上回る収入を得ていたりします。

さてさて。こういう公務員事情について認識している一方、ああ、やっぱこりゃだめだ・・・と心底実感する機会もまたしばしばあります。

今回は、中央郵便局でこの朽ち果てた公務員制度の実態を体験してきました。

まず先日。こんなものが郵便局から送られてきました。

DSC_0652.jpg

これは、日本から送られて来た小包の中に、薬が入っていたので、受け取りたければ、英語で書かれた処方箋を持参して中央郵便局まで来るべし、という内容。

薬・・・?と思い、小包の送り主に確かめたところ、日本で新発売されたアレルギー薬を送った、とのこと。

英語の処方箋ったって、日本語しかかかれていない日本の市販薬じゃあ意味ないじゃん・・・?と思い、とりあえずその薬、処分してよいから他のものだけ受け取りたいんだけど?と聞いてみた所、絶対に受け取り主本人が行かなければならないとのこと。

それで行ってきました、中央郵便局。

DSC_0655.jpg

ラムセス広場、カイロ駅の隣にあります。

入口で要件を告げると、4階に行け、とのこと。

4階には、いくつか部屋があり、雰囲気はモガンマア(入国管理局)にそっくり。ところが、入るように指示された部屋は、どーんと巨大体育館のような大きさで、そこに机が雑然と並べられ、100人以上の職員がたむろしています。

DSC_0662.jpg

ここのしくみがとにかく旧式(?)というか、奇怪というか、全く意味不明なもので、私がしたかったことは

「小包のなかから薬だけ処分してもらい、その他を受け取る」

だけだったのですが、このためにこの体育館様の部屋に2時間半とどめおかれました。

なんというか・・・説明しにくいのですが、ここの職員10人ほどの間をあちらこちらたらい回しされるのです。
仮にこの人々をabcdefghijとするならば、

a→b→a→b→c→a→d→c→e→a→f→e→g→h→d→i→b→j→f→c→d→a→e→i→j→e→d→f→d→j

こんな風に、際限なくあっちこっちに行かされ、そのたびにその人にひとつサインもらったり、お金を払ったり、こちらが何か書類に書き込んだりするわけです。

例えば、こんな人とか・・・

DSC_0661.jpg

こんな人とか・・・

DSC_0664.jpg

こういう人々の間を、次はマダム何とかのところに行け、今度はマダム何とかのところへ行け、と2時間たらい回しにされました。

お気づきかと思いますが、この事務所(?)にはパソコンとか全然ありません。

作業は全て手書き、紙やら荷物やらが、雑然と散乱しています。そして、いったいどういう理由かわからないのですが、同じ人々の間を行ったり来たりさせられます。

・・・?!

これは明らかに、作業行程を無駄に増やし、煩雑にすることによって、大量に雇用してしまっている郵便局員ひとりひとりに何らかの役割らしきものを割り当てようとしているとしか思えません。

こういう手続きをシステム化するとか、IT化するとか、そんな発想すらないのでしょうし、発想があってもお金がなくてできないのでしょうし、そんなことしたら雇用が失われる!と人々から大ひんしゅくをかうのでしょうし・・・。

それにしてもみんな、仕事じゃなくて、おしゃべりしてるだけだし!

DSC_0671.jpg

8割は何にもしていない人と見た。

あっちこっちでターメイヤとかむしゃむしゃ食べてるし・・・。

ニカーブをかぶった人も、働いていました・・・。

DSC_0669_20130410221003.jpg

というか、この人、全然働いていませんでしたが、ここに座っておばちゃん同士でおしゃべりをしているということは、郵便局で雇用されている立派な(?)公務員なんだと思います。

いやぁ、ニカーブをかぶっている人がこういう場所で働いているのを見るのって、存外珍しいのです。地方に行くと、学校の先生なんかにもムンタカバ(ニカーブをかぶった女性)がいますし、外でモノを売ったりしている人にはムンタカバも結構いるのですが。

この職場は女性が非常に多く、割合としては8割程度が女性でした。うち、ムスリマ率は95%。ムスリマは全員、ニカーブかヒジャーブかヒマールを着用しており、キリスト教徒女性は1人しかいませんでした。何もかぶらず、十字架のペンダントをしていたので、見た目に明らか。

ひとつだけ感心したのは、中央郵便局内の一室にベビーベッドがたくさんおかれ、子どもがうろうろしているところがあり、どうやら託児所(保育所)があるらしいとわかったこと。女性が多い職場ならでは、なのでしょう。

2時間半かかって、ようやく荷物を手にした後、一緒に行った運転手もさすがに、「いやぁ、なんてへんてこなしくみなんだ?!こりゃ、30年前とちっともかわってない!」と驚いていましたが、まさに旧態依然とした様子。

エジプト、100年経っても何も発展してなさそうだな・・・という確信が強まってしまった一日でした。
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プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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