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エジプトのユダヤ人

カイロのユダヤ教組合議会は4月16日に、マグダ・ハールーンMagda Harounさんを新しい議長に選出したそうです。前議長のカルメン・ヴェインシュタインCarmen Weinsteinさんが今月13日に亡くなったのをうけて、とのこと。

私は普段はエジプトのアラビア語新聞しか読まないのですが、昨日Daily News Egyptという英語の日刊紙にこの記事を見つけて読んでみました。

それによると、カイロのユダヤ教徒コミュニティーは「死滅しつつある」そうで、かつては12万人ものメンバーがいた頃もあったものの、現在は成人メンバーがカイロに20人、アレクサンドリアに20人いるにすぎない、とのこと。

全エジプトで、成人のユダヤ教徒が40人くらいしかいない、というのは驚きです。

新しく議長に選出されたマグダさんは、「私の目的は、エジプト人ユダヤ教徒の文化的遺産を保全し、私たちがこの世を去っても、それが残るようにすることです。なぜならエジプト人ユダヤ教徒の文化的遺産は、全てのエジプト人たちのものなのですから」と述べたそうです。

昨日のアハラームには、前議長カルメンさんの葬儀についての告知が掲載されていました。

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今日になって、今度はEgypt Independentという週刊紙に、この前議長カルメンさんについての記事が載っていました。

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それによると、エジプトのユダヤコミュニティーは、Bassatine Newsというウェブサイトでニュースを発行しているとのこと。

Bassatine Newsによると、彼女は1931年10月10日、エジプト国籍を有する両親のもとに誕生。両親が非常に教育熱心で、完璧なアラビア語、英語、フランス語を話す女性に成長。大学はカイロ大学、その後カイロ・アメリカン大学で修士の学位を取得。父親が印刷工場を経営していたものの、早くに亡くなったため、彼女が跡を継いでそれを経営。

ユダヤコミュニティーにおいては特に、バサーティーンにあるユダヤ墓地の修復と保全に尽力。亡くなるまでの20年間に、ユダヤ議会の副議長と議長を歴任。カイロのダウンタウンにある通称アドリー・シナゴーグ(シャアル・ハシャマイム・シナゴーグSha'ar Hashamayim Synagogue)や、マアーディーにあるメイル・ビトン・シナゴーグにて、様々なユダヤの宗教行事を開催。

Egypt Independentによると、エジプト人たちがイスラエル人に対する嫌悪感を強め、「イスラエル人」と「エジプトのユダヤ人」とを混同して後者もまた嫌悪するような、そうした難しい時代を生きた人物だったのこと。ただし、彼女がまだ若かった1930年代や40年代には、エジプトのユダヤ教徒コミュニティーは繁栄しており、彼女自身も活発に経済活動を行っていたそうです。1950年代、60年代になると、エジプトのユダヤ人の多くはイスラエルに移住し、もともと5万人ほどいたコミュニティーのメンバーは数百人に減少したとのこと。

カルメンさんは、とても聡明でアクティブな女性だったようです。ユダヤ人(イスラエル人シオニスト)のことを「大敵」とか「悪魔」とか言ってはばからないエジプト人の中にあって、(イスラエル人シオニストではない)ユダヤ人として生き続けることは、想像するだに困難だったに違いありません。

私は修士論文まではズィンミーもしくはアフル・アルズィンマとよばれる、イスラム共同体の中にすむ異教徒について研究していたので、この手のネタにはどうしても心が惹かれます。かつて、モロッコのユダヤ教徒コミュニティーについて本に書いたことがあるのですが、エジプトのユダヤ教徒コミュニティーについては、普段暮らしている上では全く情報に触れることがなかったので、今まで気にかけたことがありませんでした。

今残っている40人ほどのエジプト・ユダヤ人は、殆どが年配女性だとのこと。遠くない将来、エジプトのユダヤ人が絶滅する日がやってくるのかもしれません。

今後このコミュニティーがどうなっていくのか、気になるところです。
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プロフィール

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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