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09

22

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イスラム国とエジプト過激派の関係

昨日、久々にカイロ中心部で爆弾テロが発生しました。

私のいる支局からナイル川をはさんだ反対側で発生したため、爆発音がはっきりと聞こえました。

最近はイスラム国がアレだから、エジプト自体がニュースになることもないね〜、なんて話していた直後だったので、油断していた自分を反省。。。

外務省のゲート外にある木の根もとに爆弾が仕掛けられていたようで、警備にあたっていた警官二人が亡くなりました。

夜になって、アグナード・マスルが犯行声明文を発表。

あ

この攻撃はエジプト政府に対する復讐であり、この復讐はこれからも継続される、と述べられています。

ちなみに、アグナード・マスルاجناد مصرというのはエジプト語読みで、アラビア語で正しくはアジュナード・ミスルです。

更にこの攻撃を祝福するかのように、イスラム国の報道官アドナーニーالعدنانيからエジプトのイスラム過激派宛に音声メッセージが届けられました。

この中でアドナーニーは、「シナイ半島における我々兄弟」、つまりアグナード・マスルやABM(アンサール・バイトゥルマクディス)に対し、シシ大統領は不正な支配者「新しいファラオ」なのだから、その配下の者たちの家や拠点をどんどん攻撃し、彼らの首をどんどん切れ!と、けしかけています。

ABMはイスラム国に対してかなり強いシンパシーを見せており、おそらく彼らのやり方に触発されて、首切りをしたり、その映像を流したりということを最近やり始めましたし、またイスラム国から様々な支援を受けている、とも述べています。

一週間ほど前には、シナイで仕掛けた爆弾で、軍の車両が吹き飛ぶ映像をアップし、その被害のさまが非常に派手だったために大喜びしていました。



エジプト軍のシナイ半島におけるテロ掃討作戦は、当然のことながら継続中です。

要するに・・・何が言いたいかというと、

1) エジプトは首都カイロを含め、テロ多発地帯であることに何ら変わりはない
2) 日本ですら有名になってきているイスラム国とエジプトのテロには、関係性がある

ということです。

このところブログが更新できていなかったのですが、その理由はエジプトが安全になったからではなく、単にイスラム国含むあれこれで忙しかったからです。

冬にむけ、エジプト旅行を考えているのですが治安はどうですか?といった質問をされることも増えたのですが、外務省の勧告だけでなく、こうした現状をふまえた上で、検討していただきたいと思います。

07

20

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バハレイヤでテロ攻撃

昨日7月19日、在エジプト日本人にはバハレイヤや白砂漠として知られているファラーフラ・オアシスにある検問所が武装集団に攻撃され、22人もの軍人および警官が犠牲になりました。

エジプトでは検問所を含む治安施設がテロリストの標的にされて久しいのですが、一件の事件でこれだけ多くの治安関係者が亡くなったのは、昨年8月のラファハの事件以来初めてのことです。

ファラーフラは私も行ったことがあり、こちらにそのときのことを記してもいます。

白い奇岩があちこちにある摩訶不思議な世界で、私は火星に行ったことはありませんが、火星に来た!というような印象を受けました。他に類をみない、素敵な場所です。

エジプト人は休日といったら海に行くのが定番なので、決してこんな砂漠には遊びに行ったりしないのですが、在エジプト外国人には大人気の観光スポットです。

それだけに、ここでこんな凄惨な事件が起こったというのは、かなりショッキング・・・。

私個人としては、昨年の夏以降、治安が急速に悪化してから、エジプト国内を車で長時間移動するような場所に旅行することは避けてきました。ですから、白砂漠にもそれ以降行っていませんが、それ以降行っている友人らもいます。

これまでテロ集団が攻撃対象としてきたのは、シナイ半島、紅海沿いの県、カイロやギザなど、エジプトの北部、北東部、中部あたりで、白砂漠のような南西部のものすごい田舎が攻撃対象になったのは初めてのことです。

ですから、今回の犯人はまだ判明してはいないものの、いつもエジプトでテロを行っているアンサール・バイトゥルマクディスや、アグナード・マスルといった同胞団系テロ組織ではなく、リビアとエジプトの間の密輸を行っている犯罪集団ではないか、などという見方もあります。

まあ、同胞団やその系列のテロ組織も、リビアとエジプトの間の密輸を積極的に行っているので、その意味では犯人像に大きな違いはないのですが・・・。

エジプト大統領府は昨日の犠牲者のために、三日間の服喪を決定しました。彼らの国葬は、今日行われます。

このブログでも何度も書いていますが、エジプトには徴兵制もあり、そうした学生や若い軍人がシナイ半島などテロとの戦いの前線に送り込まれることも少なくありません。そして、私のような外人がどうにかここで暮らしていけているのは、彼らの命を張った任務のおかげに他なりません。

今回の犠牲者の中にも、1989年生まれで子どもが1人いる軍人、1986年生まれで子どもが2人いる軍人が含まれていました。

心よりご冥福をお祈りします。

04

28

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「夫は不倫妻を殺害してもよい」論争

イスラム諸国ではよく、ある行為がイスラム法的に合法か違法かをめぐる論争がおこるのですが、エジプトももちろんその例外ではありません。

このところ頻繁に話題にのぼるのが、ダアワ・サラフィーヤという老舗のサラフィー主義組織の副指導者で、同組織のイデオローグであるヤースィル・ブルハーミー師のファトワーです。

ブルハーミーは今年の4月23日に、「夫は妻が恋人と共に裸の状態でいるところを見ただけでは両者を殺害してはならないが、両者の陰部が結合しているところを目撃した場合にはその限りではない」というファトワーを発行し、それに対する批判が相次いでいます。

ファトワーというのは、(もう何度も書いた気がしますが・・・笑)イスラム法学者がある事柄について、イスラム法的にどのように判断されるかを述べる「見解」で、単なる「見解」なので、それ自体は強制力も執行の義務もありません。

かつて近代法導入以前に、イスラム法による統治が行われていた時代には、裁判官が裁判を行う際に、イスラム法学者にファトワーを求めて、それに立脚した判決を下したり、またより一般的には、広く信徒たちが自分たちの抱える問題を解決するためにファトワーに頼るということが行われていました。

翻って現在はどうかといいますと、エジプトの場合はファトワーを発行する公的組織や、そこのトップである大ムフティー(ファトワー発行者)が公的に任命されている他に、ブルハーミーのような著名法学者がファトワーを乱発して、メディアがそれを取り上げて話題になったり、信徒たちがそれを行動指針にしたり、あるいは冷ややかな目で見たり、笑いものにしたり・・・と、反応は様々です。

ブルハーミーはここ数年だけでも、かなり(現代社会的には)奇抜(?)なファトワーをあれこれ発行しているのですが、その一例が以下。

2012年9月26日 イスラムという宗教は、女子の婚姻最低年齢を定めておらず、セックスさえできればよいとしているので、9歳や10歳の女子が結婚することも何ら問題ではない

2013年4月15日 ムスリムは春香祭(イースター)の際に、リンガ(ニシンの塩漬け)を食べたり、春香祭を祝ったりしてはならない

2013年9月14日 ムスリム男性は、キリスト教徒女性の所有している財産や、彼女の肉体、あるいは美しさのみに惹かれるという理由だけで、彼女と結婚することができ、その際、自宅において彼女の安全を担保する必要はない

2013年11月23日 妻は夫のセックスの要請を断ってはならず、断った場合、それは不服従行為として離婚要因を構成する

2014年1月20日 女性はデモに参加してはならない

2014年3月2日 コプト教徒を公職や行政職に任命してはならない

2014年3月11日 妻には夫の客人をもてなす義務はない

2014年4月17日 姦通の証拠として現場のビデオを撮影したとしても、目撃証人がいないかぎり、それは証拠として採用されない

「(現代社会的には)奇抜なファトワー」と書いたのは、古典的なイスラム法的には奇抜でも何でもなく、普通の解釈だったりする・・・ことを勘案したのですが、現在の、特にエジプトの場合にはアズハルに属する法学者たちは、古典的イスラム解釈を現代社会に適応したかたちで解釈すべくいろいろ苦肉の策を展開しているわけでして、そこへきて、ブルハーミーのように「イスラムでは女はセックスさえできれば9歳で結婚してもいいことになっている」とか言う輩が出てくると、はなはだ迷惑なわけです。

それはもちろん、エジプトの民法はどうなる?!、子どもの人権、女性の人権無視じゃないか!!となってしまうからでして。

例えば、最初に紹介した「夫は妻のセックス現場を目撃したら、妻と恋人を殺してもいい」というファトワーについては、アズハルの法学者たちはこぞって、これは無効なファトワーであり、社会の秩序を乱すだけのインチキファトワーなので、いかなる信者もこんなものに惑わされてはならない云々と述べています。

今のエジプトにおいては、どんな事案であれ、きちんと裁判所で裁判が行われるべきであり、個人が個人を殺してよいなどということはいかなる状況においてもありえない、とか、こんなインチキファトワーは国家の治安と安定を脅かすので、国の取締の対象とすべきだ、なんて意見を述べている学者もいます。

ダアワ・サラフィーヤはヌール党という政党を作って政治活動も活発に行っている団体で、エジプト社会への影響力が実際にある組織です。

アズハルの学者達が、口を酸っぱくして、「ブルハーミーに騙されるな!」といっても、ブルハーミーのファトワーをありがたく拝聴し、そうかそうかとそれに従う国民も一定数いるのがエジプト。

ちなみに、今日のワタン紙がブルハーミーのファトワー特集を組んでいるのですが、そこには精神科医のコメントも掲載されていて、マナール・ザカリヤーという精神科医は、「サラフィーの人たちの考え方の中には、精神科的に治療すべきものが含まれています。それに彼らは、女性はセックスの対象にしかすぎない、という考え方をそもそも改めるべきだと思います」と述べています。

これを読んで、ちょっと失笑してしまった私・・・。

やっぱり面白い国です、エジプト。

04

14

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女性大統領はイスラム的に違法?

エジプトの女性活動家ブサイナ・カーメルさんが昨日、次期大統領選挙に立候補する為のメディカルチェックを受けました。

彼女は2011年の大統領選挙の際にも立候補の意志を表明したものの、立候補要件を満たすだけの署名を集めることが出来ずに断念、先日、今回の選挙にも立候補すると明らかにしたばかりです。

一方、ダアワ・サラフィーヤの副会長であるヤーセル・ブルハーミー師は今朝のタハリール紙に対し、「女性大統領はイスラム法に違反する」と明言しています。

ブルハーミー曰く、エジプトの大統領の適性は、エジプト憲法に則って定められるべきであり、エジプト憲法には、イスラムのシャリーア(イスラム法)が法源であると明記されている。そして、女性がこの地位(=大統領)につくことはシャリーアに反するとされており、この件については法学者たちの合意(イジュマー)が成立している、とのこと。

ブルハーミーは、シャリーア的には他にも女性がついてはならない地位というものがあり、例えば女性防衛大臣はイスラム的に認められないとしています。なぜなら、女性の指揮下に実際に戦争を行うということはあり得ないからだそうです。そして、女性に戦争の指揮をとることが認められない以上、戦争の指揮以上に厳しい選択を迫られることになる大統領職には、女性がつくことはできないのは明白だ、としています。

また、よりはっきりと、こうも述べています。

「あのね、エジプト国民は、ムスリムなの。女の大統領なんて、認めるわけないでしょ?!」

はい、これが本音です。

「大統領やその他の行政職は、女の本質には適さない」

とも述べていたそうです。

イスラム世界の歴史をひもとくと、女性の指導者というのもいることはいるのですが、イスラム法学者がイスラム法的にそのことを論じると、大概ハラーム(違法)という結論に至ります。

これは明文規定ではないのですが、イジュマーが成立している規定です。

エジプト国民がみな、大統領の適性についてイスラム法的に論じるわけでは全くないのですが、一方で、政治指導者は当然男のムスリムであるべき、と思っている人が大多数を占めているだろうことは容易に想像できるわけでして。

その意味では、ブルハーミーの言っていることは真実だと思うのですが。

エジプト国民の中にはムスリムじゃない人も1割くらいはいますし、フェミニストだってほんの少しくらいはいるんですけどね・・・。

ブサイナさん、今回は正式に立候補できるのでしょうか?

頑張ってほしいものです。

03

17

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軍人に「恐怖時の礼拝」許可

アズハルは二日前、任務中の軍人と警察官に対し、「恐怖時の礼拝صلاة الخوف」を許可するファトワーを発行したのですが、今日のアハラーム紙には、その解説記事が掲載されています。

IMG_1119.jpg

ファトワーというのは、イスラム法学者が特定の問題に関して発行するイスラム法的見解のことです。

イスラム教徒の男性は、金曜日の正午に集団礼拝に参加しなければならない、という義務があるのですが、要するに、テロリストと戦っていたり、警備の任務についていたりする軍人や警官が、その時間一斉に職務放棄をして礼拝に行っていいものか?という疑問に答えたものです。

前のワクフ大臣で、アズハルのウラマー委員会のメンバーでもあるアフマド・アブーンヌールは、「恐怖時の礼拝というのは、基本的には戦時下に特別に許可されるものだが、現在エジプトの軍人や警察官がおかれている状況は、たとえ彼らが街中にいたとしても、戦時状況が適用されてしかるべきだ」と述べ、アズハルの発行したファトワーに賛同しています。

今、エジプトの街中には、いたるところに軍人と警官が配備されているのですが、まあ、携帯をいじってさぼっている人なんかも見かけはするものの、彼らは常に「戦闘に備えている」わけで、また彼らは常に「敵に狙われている」状態にもあるわけでして、その状態でうかうかみんなでのんびり礼拝をするのはあまりにも危険だ、というのはよくわかります。

ところでこの「恐怖時の礼拝」とは、どうやってやればよいか?というと、状況によって基本的には三つのやり方があるようです。

(1)敵がキブラ(礼拝時に向かうべきメッカの方向)の方向にはいない時

イマーム(礼拝指導者)が軍人を2つのグループに分け、グループ1が敵の方向を向いて警備をしている間に、グループ2がキブラの方向を向き、イマームとともに礼拝をする。その際のラクアは2回で、しかも軽いもの。挨拶が終わったら、グループ1と交代する。敵が複数の方向にいる場合には、イマームは軍人を4つのグループに分け、同様に礼拝させることもできる。

(2)敵がキブラの方向にいる場合

イマームは軍人を二列に分け、イマームがラクアのためにひざまずく時には一列目だけがひざまずき、二列目は敵を見張るようにし、イマームと一列目が立ち上がったら、二列目がひざまずくようにする。

(3)まさに敵と戦闘を行っている際など、恐怖が非常に強い場合

非常に強い恐怖時で、軍人が乗り物から降りられないような場合には、各々がめいめい、できるやり方で礼拝をすればよい。乗り物に乗ったままでも、また立ったままでもよいし、キブラの方向に向いていようといまいと、どちらでもかまわない。ラクアもサジダも、できればすればよいし、できなければしなくてよい。


恐怖時の礼拝というのは、預言者ムハンマドも行っていて、ハディースも残されている由緒正しい(?)ものです。

アズハルの出すファトワーというのは、一体何の意味があるんだろう・・・?というものも多くあるのですが、当該ファトワーは珍しく(?)有意義であるように思います。

イスラムという宗教の実践は、案外融通がきくんだよ!ということがわかる事例のひとつかと思うのですが・・・

やっぱり、そうでもないですかね???(笑)

プロフィール

 飯山陽

Author: 飯山陽
イスラム思想研究者。専門はイスラム法。都内の大学でイスラム思想を教えていましたが、現在はエジプトのカイロ在住、メディアの仕事をしています。
イスラム国に関しては別ブログ「どこまでもイスラム国」をご覧ください。

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